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第2章
第46話 荷物だけでトラブル
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「騎士は手が塞がると、いざという時に戦えないですからね。鞄が重いようなら従者の方にでも持ってもらってください。」
そう言って、馬車を降りかけど、ふと「従者はいたっけ?」と疑問に思った。前日の紹介の時にもいなかったよな。
もう一度振り向いてみると、アインホルン侯爵令息が真っ赤な顔をしてぷるぷる震えていた。
「‥‥君、僕に従者がいないのわかっていて、わざと言ったのか?」
侯爵令息だったら従者がついていると思い込んでいたよ。しまった、怒らせちゃったか。
伯爵家だと、従者がついていたり、いなかったり。従者の分としての学費をその家が持つので、経済的な理由で従者としてついていないケースも多い。
その上従者として考慮してもらう分、追加費用を払っている。
ジョセフィンは俺の従者として登録してあるから、こういう班分けで、離れる事が無いとか、そういった考慮だ。
ちなみに、従者は学生でなくてもいいんだけど、その場合は授業中は控え室に待機していることになっている。
「失礼しました。わざとではありません。そう思い込んでいて‥‥。」
そういえば、トリー殿下も侍従がついていなかったな。
トリー殿下に誰も侍従がついていないのは、ちょっと疑問だけど、
高位貴族でも、自主性を重んじて、誰も付けない場合もあるだろう。俺だって、ジョセフィンが同学年でなかったら、普通に一人で通ってると思う。
「ふん!」
アインホルン侯爵令息が、鼻を鳴らした。
「従者はいないと分かっただろ!鞄を持て。」
サンドラー伯爵が言い放つ。
だから鞄は持たないって言っただろう。
「さっき、言った通り、武器が持てなくなるから、手が塞がるのだめなんですよ。」
俺はそう言って、返事を待たずに、馬車を降りた。
「おい!」
馬車から怒鳴る声がした。
振り向くと、サンドラー伯爵令息が真っ赤な顔をして、馬車のステップの上に仁王立ちしていた。
うわー、特進科、面倒くさい。
「何やってんだ?」
アレクシスが聞いてくる。ヴァルターがイライラした顔をしている。
「さあ。」
「いや、さあ、じゃないだろ。何でいきなり怒らせてるんだよ。」
「鞄を持てと言われたので、断っただけだ。」
いや、従者がいない事を指摘したからかもしれないけど。
「‥‥‥。」
アレクシスが、黙った。ヴァルターは、俺を見て、特進科の面々を見て、それからマクシミリアン先生の方をみた。
特進科メンバーが馬車から降りて来た。一応、女性が降りる時に手を差し出すってことになっていたけど、
サンドラー伯爵令息の様子で、馬車に近づいていいかわからず、皆戸惑っているようだだ。
サンドラー伯爵令息の視線を避けて、馬車の傍に移動したイリーとヘンリーが特進科の令嬢二人に手を差し出して、馬車を降りるのを手伝った。
‥‥特進科の人達、全員鞄を持って降りて来ていない。
なんなの、子供なの?
「鞄を持てと言っただろうが。」
サンドラー伯爵令息が、怒りの形相で言う。
アインホルン侯爵令息も俺の事を睨みつけている。
すごいな特進科の人達って、こんなひとが多いのかな。
「何度も言いますが、手が塞がると、剣が持てないんですよ。護衛として来ているので、鞄を持ったりしません。」
意識してゆっくりと話す。ゆっくり言えば理解できるだろうか。
サンドラー伯爵令息の顔がどんどん真っ赤になっていく。
凄い形相で一歩踏み出して来た時、パンっと手を叩く音がした。
「はい。そうだねー。荷物持ちが必要な場合は別途手配してって、昨日渡した案内に書いてあるよ。」
マキシミリアン先生がニコニコしながら言った。
「荷物持ちの手配もしていないのだから、鞄も買い物したものも自分で持つことになるよ。」
「え、お買い物したものまで?」
マクシミリアン先生の言葉に、令嬢達が驚いた声を上げた。
「もちろん、持ちきれない様な物を買った場合はお店に配送を頼むのは自由だよ。でも、護衛騎士は荷物持ちではないからね。」
マキシミリアン先生は相変わらずニコニコしているけど、よく見ると目が笑ってない。
しばらく黙っていたアインホルン侯爵令息が馬車に戻って、鞄を持って出て来た。自分の分と令嬢二人の分だ。
令嬢に鞄を渡して、持ち歩くように伝えている。サンドラー伯爵令息にも、鞄を取りに行くように言った。
サンドラー伯爵令息は、不満を一杯にした顔をしながら、馬車の中に鞄を取りに戻った。
一応、丸く収まった?
そう言って、馬車を降りかけど、ふと「従者はいたっけ?」と疑問に思った。前日の紹介の時にもいなかったよな。
もう一度振り向いてみると、アインホルン侯爵令息が真っ赤な顔をしてぷるぷる震えていた。
「‥‥君、僕に従者がいないのわかっていて、わざと言ったのか?」
侯爵令息だったら従者がついていると思い込んでいたよ。しまった、怒らせちゃったか。
伯爵家だと、従者がついていたり、いなかったり。従者の分としての学費をその家が持つので、経済的な理由で従者としてついていないケースも多い。
その上従者として考慮してもらう分、追加費用を払っている。
ジョセフィンは俺の従者として登録してあるから、こういう班分けで、離れる事が無いとか、そういった考慮だ。
ちなみに、従者は学生でなくてもいいんだけど、その場合は授業中は控え室に待機していることになっている。
「失礼しました。わざとではありません。そう思い込んでいて‥‥。」
そういえば、トリー殿下も侍従がついていなかったな。
トリー殿下に誰も侍従がついていないのは、ちょっと疑問だけど、
高位貴族でも、自主性を重んじて、誰も付けない場合もあるだろう。俺だって、ジョセフィンが同学年でなかったら、普通に一人で通ってると思う。
「ふん!」
アインホルン侯爵令息が、鼻を鳴らした。
「従者はいないと分かっただろ!鞄を持て。」
サンドラー伯爵が言い放つ。
だから鞄は持たないって言っただろう。
「さっき、言った通り、武器が持てなくなるから、手が塞がるのだめなんですよ。」
俺はそう言って、返事を待たずに、馬車を降りた。
「おい!」
馬車から怒鳴る声がした。
振り向くと、サンドラー伯爵令息が真っ赤な顔をして、馬車のステップの上に仁王立ちしていた。
うわー、特進科、面倒くさい。
「何やってんだ?」
アレクシスが聞いてくる。ヴァルターがイライラした顔をしている。
「さあ。」
「いや、さあ、じゃないだろ。何でいきなり怒らせてるんだよ。」
「鞄を持てと言われたので、断っただけだ。」
いや、従者がいない事を指摘したからかもしれないけど。
「‥‥‥。」
アレクシスが、黙った。ヴァルターは、俺を見て、特進科の面々を見て、それからマクシミリアン先生の方をみた。
特進科メンバーが馬車から降りて来た。一応、女性が降りる時に手を差し出すってことになっていたけど、
サンドラー伯爵令息の様子で、馬車に近づいていいかわからず、皆戸惑っているようだだ。
サンドラー伯爵令息の視線を避けて、馬車の傍に移動したイリーとヘンリーが特進科の令嬢二人に手を差し出して、馬車を降りるのを手伝った。
‥‥特進科の人達、全員鞄を持って降りて来ていない。
なんなの、子供なの?
「鞄を持てと言っただろうが。」
サンドラー伯爵令息が、怒りの形相で言う。
アインホルン侯爵令息も俺の事を睨みつけている。
すごいな特進科の人達って、こんなひとが多いのかな。
「何度も言いますが、手が塞がると、剣が持てないんですよ。護衛として来ているので、鞄を持ったりしません。」
意識してゆっくりと話す。ゆっくり言えば理解できるだろうか。
サンドラー伯爵令息の顔がどんどん真っ赤になっていく。
凄い形相で一歩踏み出して来た時、パンっと手を叩く音がした。
「はい。そうだねー。荷物持ちが必要な場合は別途手配してって、昨日渡した案内に書いてあるよ。」
マキシミリアン先生がニコニコしながら言った。
「荷物持ちの手配もしていないのだから、鞄も買い物したものも自分で持つことになるよ。」
「え、お買い物したものまで?」
マクシミリアン先生の言葉に、令嬢達が驚いた声を上げた。
「もちろん、持ちきれない様な物を買った場合はお店に配送を頼むのは自由だよ。でも、護衛騎士は荷物持ちではないからね。」
マキシミリアン先生は相変わらずニコニコしているけど、よく見ると目が笑ってない。
しばらく黙っていたアインホルン侯爵令息が馬車に戻って、鞄を持って出て来た。自分の分と令嬢二人の分だ。
令嬢に鞄を渡して、持ち歩くように伝えている。サンドラー伯爵令息にも、鞄を取りに行くように言った。
サンドラー伯爵令息は、不満を一杯にした顔をしながら、馬車の中に鞄を取りに戻った。
一応、丸く収まった?
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