自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第465話 ワープ池

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ちなみにヤンティス君一家の出発は延期になってしまったそうだ。行方不明だったクラウスさんが見つかったからね。

そう言えば、プニョン君のワープ池で飛ばされてきたってことはクラウスさんはプニョンダンジョンの中に居たんだよね。

『プニョンくーん』
『ポヨン』

プニョン君にクラウスさんの事を聞いてみることにした。

『クラウスさんって、どうやってダンジョンに入ったの?』
『人ポヨン。罠ポヨン』

ダンジョンの入り口から入ったんじゃなければ、トラップで入ったって。そりゃそうだろうけれど‥‥。
プニョン君は関心がなかったみたいで、黒い服の軍団そのイチ位にしか考えていなかったようだ。
まあ、紹介しているわけじゃないしね。

『えーと、それじゃあワープ池みたいなのって、アチコチにあるの?』

悪の軍団の一味がワープ池に嵌っちゃったのは、たまたま僕が蛙魔獣の駆除の為に森の中にワープ池を設置したからだと思ったけど
他の場所でも落とし穴みたいにアチコチワープ池があるんだろうか。
それだと何の装備もしていない人がダンジョンに落ちてきちゃって危なくない?

『湖ポヨン、滝ポヨン。』

ワープ池を出す場所は基本は水の中なんだって。暗い森の中とかじゃない限り地面にワープ池を出すと目立っちゃうからね。

『あ、滝?』
『ポヨン』

クラウスさんが滝壺がどうのって言っていたのを思い出した。クラウスさんが突き落とされたのか足を滑らせたのかわからないけど
滝壺におちた時にワープ池が出ていたのなら、そのままダンジョンに入っちゃうよね。

クラウスさんが滝壺に落ちた経緯についてはわからないけど
戻ってきたから、ヤンティス君も安心だね。

「ソーマ君!やっぱり悪の集団だったみたいだよ!」

ギルベルト君とラオウル君が何処からか走ってきた。騎士達に連行されて行った人たちの様子を見に行っていたらしい。

「なんか、蛙魔獣が、とか叫んでたって。」

さっき連行されて行った人達はやはり森でヤンティス君とマイルズ君を追いかけ回していた人だったみたいだ。
捕まったのならヤンティス君達も安心かな。

あ、プニョン君にお礼言っておかなきゃ。

『プニョン君。ありがとう。プニョン君のおかげで悪の集団の一味が捕まったよ!』
『ポヨン、ポヨン』
念話でプニョン君にお礼を言うと、プニョン君も嬉しそうだった。

ひと段落したと思ってホッとしていたら、何だかまた騒がしくなってきた。

通りの少し先の方で誰かが大きな声で話をしている。

「場所は何処だ!あっちか!?」

通りの先の方で集まって話をしていた人達が道を開けるように動き、大柄な人物がこちらに向かって歩いてきた。
ゴリマッチョ。ガリオンさんだ。

「あ、ガリオンさん!」

手を振ってみたけど、ガリオンさんは「うむ。」って感じでちょっと頷いただけで、キョロキョロと周囲を見回した。
ガリオンさんの後を追って小走りに走ってきた冒険者の方を少し向いて言った。

「この辺りか?」
「はい。この辺っす。ダンジョンに居たはずが、いきなりここに出てきたっす。」

冒険者らしい人が通りの地面を指差して言った。
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