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第7章
第459話 餞別の品
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夕食の時に、ラルフ君とロルフ君がサミュエル君へ何か餞別の品を渡すかどうかという話をし始めた。
「明日の朝に出発でしょう? 見送る時に何か手渡すとかどう?」
「良いね。でも、何にする?」
「テーブルボールの道具とか?」
「それは持っているんじゃないのかな。」
餞別の品を渡す事自体は賛成なんだけど、問題は何を渡すかだよね。出発は明日の朝だしあまり準備をする時間がない。
「エッダ嬢には?それとヤンティス君とマイルズ君も明日に村を出るんだよね。時間とかは聞いてないけど。」
ギルベルト君が少し首を傾げて考えるようにして言った。
「アタムスンの特産品が良いのじゃないかしら。」
アリサ姉様が案を出してくれた。特産品と聞いて、僕は角サーモンを思い出した。
「角サーモンは?一匹丸ごととか。」
僕が提案したら、なぜか皆一瞬黙ってしまった。その後すぐにアリサ姉様が呆れたように言う。
「インパクトはあるけど、急にもらっても運ぶの困ると思うわよ。」
「運んでいるうちに腐っちゃわない?まだ寒い時期だけどさ。」
「そもそも、どうやって用意するの?明日の朝出発だよ。」
ラルフ君達もあまり賛同してくれない様子だ。用意するのは、プニョン君に頼めば簡単だし、ガッチガチに冷凍すれば腐らないと思うんだけど
確かに、運ぶのは大変だよね。馬車に乗せたら座るところが無くなっちゃいそう。
「角サーモンは美味しいんだけどなぁ。」
「他にも美味しいものあるじゃん。ダンレモとか。」
僕が呟くと、ラルフ君がニコニコして言った。すると、ロルフ君が突っ込んだ。
「ダンレモはアタムスンじゃなくてユガーランの特産品じゃない?」
「それを言うなら角サーモンもユガーランからでしょう? でもこの地域のものだし、良いんじゃないの?」
「じゃあ、ダンレモにする?」
角サーモンもダンレモもアタムスンの特産品じゃないと気がついてちょっとがっかり。でも、ユガーラン村はお隣さんでだし、エルストベルクの領地内だし
気にしなくても良いかな。
「ダンレモはクリューガー子爵夫人が沢山買って持ち帰るって言ってたわよ。」
ダンレモなら木箱に収まるし、そんなに嵩張らないかなと思ったんだけど、サミュエル君のお母さんがお土産に大量購入していたらしい。
「ダンレモ好きなら、更に増えても良いんじゃないの?」
「でも、沢山山積みのところに、一つ増えたって、インパクトというか新鮮味がないんじゃない?」
「そうだよねぇ。」
ダンレモの山の上に、僕達が用意したダンレモがちょこんと乗っているのを想像したけど、微妙だ。
頭を捻っているとギルベルト君が角サーモンのソテーを一口食べて言った。
「ねえ。お弁当は?ダンジョンの入り口のところで食べた角サーモンパンとか。」
「角サーモンパンだったら、冷めても美味しいよね。良いかも。」
角サーモンパンは、ツナサンドみたいな感じでほぐした角サーモンにダンレモをかけたものがパンに挟まっているやつだ。
ダンレモも使っているというところが良いよね。
「明日の朝に出発でしょう? 見送る時に何か手渡すとかどう?」
「良いね。でも、何にする?」
「テーブルボールの道具とか?」
「それは持っているんじゃないのかな。」
餞別の品を渡す事自体は賛成なんだけど、問題は何を渡すかだよね。出発は明日の朝だしあまり準備をする時間がない。
「エッダ嬢には?それとヤンティス君とマイルズ君も明日に村を出るんだよね。時間とかは聞いてないけど。」
ギルベルト君が少し首を傾げて考えるようにして言った。
「アタムスンの特産品が良いのじゃないかしら。」
アリサ姉様が案を出してくれた。特産品と聞いて、僕は角サーモンを思い出した。
「角サーモンは?一匹丸ごととか。」
僕が提案したら、なぜか皆一瞬黙ってしまった。その後すぐにアリサ姉様が呆れたように言う。
「インパクトはあるけど、急にもらっても運ぶの困ると思うわよ。」
「運んでいるうちに腐っちゃわない?まだ寒い時期だけどさ。」
「そもそも、どうやって用意するの?明日の朝出発だよ。」
ラルフ君達もあまり賛同してくれない様子だ。用意するのは、プニョン君に頼めば簡単だし、ガッチガチに冷凍すれば腐らないと思うんだけど
確かに、運ぶのは大変だよね。馬車に乗せたら座るところが無くなっちゃいそう。
「角サーモンは美味しいんだけどなぁ。」
「他にも美味しいものあるじゃん。ダンレモとか。」
僕が呟くと、ラルフ君がニコニコして言った。すると、ロルフ君が突っ込んだ。
「ダンレモはアタムスンじゃなくてユガーランの特産品じゃない?」
「それを言うなら角サーモンもユガーランからでしょう? でもこの地域のものだし、良いんじゃないの?」
「じゃあ、ダンレモにする?」
角サーモンもダンレモもアタムスンの特産品じゃないと気がついてちょっとがっかり。でも、ユガーラン村はお隣さんでだし、エルストベルクの領地内だし
気にしなくても良いかな。
「ダンレモはクリューガー子爵夫人が沢山買って持ち帰るって言ってたわよ。」
ダンレモなら木箱に収まるし、そんなに嵩張らないかなと思ったんだけど、サミュエル君のお母さんがお土産に大量購入していたらしい。
「ダンレモ好きなら、更に増えても良いんじゃないの?」
「でも、沢山山積みのところに、一つ増えたって、インパクトというか新鮮味がないんじゃない?」
「そうだよねぇ。」
ダンレモの山の上に、僕達が用意したダンレモがちょこんと乗っているのを想像したけど、微妙だ。
頭を捻っているとギルベルト君が角サーモンのソテーを一口食べて言った。
「ねえ。お弁当は?ダンジョンの入り口のところで食べた角サーモンパンとか。」
「角サーモンパンだったら、冷めても美味しいよね。良いかも。」
角サーモンパンは、ツナサンドみたいな感じでほぐした角サーモンにダンレモをかけたものがパンに挟まっているやつだ。
ダンレモも使っているというところが良いよね。
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