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第7章
第453話 悪の集団再び
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「仲わるーい。」
「そりゃ、仲良くはないよ‥‥。」
ニコラちゃんが言うと、ボソリとサミュエル君が返した。
パサリと、ラルフ君がメニューをテーブルの上に置いた。
「ホカホカポットのホットオレンジティーっていうのを注文したよ。ポットにたっぷり入っているから、皆飲めるけど,違うのが良かったら各自で注文してね!」
テーブルの上に置かれたメニューを見ると、目立つ所に大きなイラストで、ポットに入ったお茶の絵が描かれているのが見えた。
新しいオススメメニューらしい。
皆それを飲む事にしたようだ。
奥内の席から移動してきたヤンティス君達は、先に飲んでいたカップを運んできてもらったみたいだったけど、飲み終わったら、ポットのお茶を飲んでねってラルフ君が言っていた。
少ししたら、大きなポットのお茶と、カップが運ばれて来た。
テーブルの所で店員のお姉さんがお茶を注いで配ってくれた。
ふわっとオレンジの香りがするお茶だった。プニョンダンジョンで採取されるダンオレンジのシロップが使われているんだって。
先に飲んでいたお茶を飲み終えて、ポットのお茶を注いでもらったヤンティス君はそれを一口飲んでから言った。
「‥‥さっきも言ったけど、オレは明日家族と一緒に家に帰ることになったんだ。‥‥兄上の捜索はしてもらうけど‥‥。」
「‥‥うん‥‥。」
サミュエル君が返事をした。クラウスさんの話題はどうしても重々しくなってしまう。
ヤンティス君がチラリとサミュエル君の方を見た。
「ちょっとな‥‥。帰ることになったの、ホッとしてるんだ。‥‥すげー怖い目にあってさ‥‥。」
ヤンティス君が言うと、マイルズ君が激しく頭を縦に振った。
「怖い目?」
サミュエル君が首を傾げた。ヤンティス君は苦々しい顔をして一度俯いてからゆっくりと顔を上げた。
「思い出すと悪い夢見たりしてたんだけど‥‥。」
ヤンティス君が両手を広げて見せた。
「森に入ったらさ、こんなデカイ蛙魔獣が大量に出て来てさ‥‥。」
「うわ‥‥。」
「更にその後、蛙魔獣を抱えたおっさん達に追いかけられたんだ。すげえ恐ろしかった!
その上、穴に落ちたらそこにも大量の蛙魔獣が居てさ。もう~死ぬかと思ったよ。」
「えええ‥‥。」
サミュエル君がどん引きした顔をしている。ニコラちゃんとミリーちゃんは互いに身を寄せ合って恐ろしそうに身を竦めていた。
マイルズ君はヤンティス君と同じように苦々しい顔をして頷いている。
ヤンティス君が言っているのは、夜の森の中で回収君が始末中の蛙魔獣を見ちゃった時の話かな。
でも、蛙魔獣を抱えたおっさん達ってなんだろう。
気になって訊いてみた。
「ねえ。蛙魔獣を抱えたおっさん達って、何処で遭ったの?」
「森の中だよ。‥‥村の裏手の‥‥。」
オレンジティーを一口飲んでから、ヤンティス君が僕の方に顔を向けた。
うんうんと、マイルズ君が大きく頷く。
「あれはヤバかったね!黒尽くめのおっさん、すげー怖かった!」
「黒尽くめ!?」
黒尽くめと聞いて、僕の脳内では、悪の集団が「イー!」って叫んでいた。
ビクッとヤンティス君が肩を振るわせた。
「な、なんだ?知ってるのか?」
「知らないけど悪の集団じゃない?」
「悪の集団?」
「そりゃ、仲良くはないよ‥‥。」
ニコラちゃんが言うと、ボソリとサミュエル君が返した。
パサリと、ラルフ君がメニューをテーブルの上に置いた。
「ホカホカポットのホットオレンジティーっていうのを注文したよ。ポットにたっぷり入っているから、皆飲めるけど,違うのが良かったら各自で注文してね!」
テーブルの上に置かれたメニューを見ると、目立つ所に大きなイラストで、ポットに入ったお茶の絵が描かれているのが見えた。
新しいオススメメニューらしい。
皆それを飲む事にしたようだ。
奥内の席から移動してきたヤンティス君達は、先に飲んでいたカップを運んできてもらったみたいだったけど、飲み終わったら、ポットのお茶を飲んでねってラルフ君が言っていた。
少ししたら、大きなポットのお茶と、カップが運ばれて来た。
テーブルの所で店員のお姉さんがお茶を注いで配ってくれた。
ふわっとオレンジの香りがするお茶だった。プニョンダンジョンで採取されるダンオレンジのシロップが使われているんだって。
先に飲んでいたお茶を飲み終えて、ポットのお茶を注いでもらったヤンティス君はそれを一口飲んでから言った。
「‥‥さっきも言ったけど、オレは明日家族と一緒に家に帰ることになったんだ。‥‥兄上の捜索はしてもらうけど‥‥。」
「‥‥うん‥‥。」
サミュエル君が返事をした。クラウスさんの話題はどうしても重々しくなってしまう。
ヤンティス君がチラリとサミュエル君の方を見た。
「ちょっとな‥‥。帰ることになったの、ホッとしてるんだ。‥‥すげー怖い目にあってさ‥‥。」
ヤンティス君が言うと、マイルズ君が激しく頭を縦に振った。
「怖い目?」
サミュエル君が首を傾げた。ヤンティス君は苦々しい顔をして一度俯いてからゆっくりと顔を上げた。
「思い出すと悪い夢見たりしてたんだけど‥‥。」
ヤンティス君が両手を広げて見せた。
「森に入ったらさ、こんなデカイ蛙魔獣が大量に出て来てさ‥‥。」
「うわ‥‥。」
「更にその後、蛙魔獣を抱えたおっさん達に追いかけられたんだ。すげえ恐ろしかった!
その上、穴に落ちたらそこにも大量の蛙魔獣が居てさ。もう~死ぬかと思ったよ。」
「えええ‥‥。」
サミュエル君がどん引きした顔をしている。ニコラちゃんとミリーちゃんは互いに身を寄せ合って恐ろしそうに身を竦めていた。
マイルズ君はヤンティス君と同じように苦々しい顔をして頷いている。
ヤンティス君が言っているのは、夜の森の中で回収君が始末中の蛙魔獣を見ちゃった時の話かな。
でも、蛙魔獣を抱えたおっさん達ってなんだろう。
気になって訊いてみた。
「ねえ。蛙魔獣を抱えたおっさん達って、何処で遭ったの?」
「森の中だよ。‥‥村の裏手の‥‥。」
オレンジティーを一口飲んでから、ヤンティス君が僕の方に顔を向けた。
うんうんと、マイルズ君が大きく頷く。
「あれはヤバかったね!黒尽くめのおっさん、すげー怖かった!」
「黒尽くめ!?」
黒尽くめと聞いて、僕の脳内では、悪の集団が「イー!」って叫んでいた。
ビクッとヤンティス君が肩を振るわせた。
「な、なんだ?知ってるのか?」
「知らないけど悪の集団じゃない?」
「悪の集団?」
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