自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第446話 クリューガー領計画

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タプタプ鳥はお肉は美味しいけれど数が少ないのだと、希少価値はあるかもしれないけど、人を呼び寄せる特産品には向かないのかな。
でも‥‥。

「‥‥タプタプ鳥、美味しいなら食べてみたいなぁ‥‥。」

僕が思わず呟くと、マーリエがパッと顔をあげて僕を見た。

「ソーマ兄様、タプタプ鳥を食べに行くの?」
「え?」

マーリエの言葉で、サミュエル君が僕に顔を向けた。
「ソーマ君、クリューガー領に来る?タプタプ鳥食べにくる?」
「うーん。‥‥それも良いね。」

クリューガー領行きは今まで考えてなかったけれど、タプタプ鳥がどんなだか見てみたいし、遊びに行っても良いかも。
ラルフ君とロルフ君も話に乗って来た。

「ねえ、春になったら皆で行ってみようか。」
「そうだね!行きたいね!」

僕達がクリューガー領に遊びに行く気になって来たら、ニコラちゃんとミリーちゃんも顔を見合わせて、マーリエを誘い始めた。
「私達も行けるか、お母様に聞いて見るわ。マーリエちゃんも行く?」

「‥‥え‥‥、タブタプ鳥を食べに‥‥。知らないところ?」
マーリエが不安そうな顔で縋るように僕の方を見た。

「‥‥マーリエ、行くとしたら僕達だけじゃなくて、母様か‥‥、叔父様が一緒だと思うよ。」
「母様と姉様が一緒なら行く‥‥。」
マーリエの言葉にギルベルト君がニヤリと笑った。

「ソーマ君が一緒ならって言われないの?」
「僕?」
ギルベルト君に言われてマーリエの顔を伺うように見るとマーリエが首を横に振った。
「ソーマ兄様はあちこち行っちゃうでしょう?」
「‥‥あー。」

マーリエは、絵本を読んだり絵を描いたりするのが好きなインドア派なんだよね。
出かけようって誘ってもあまり行かないし。
ラルフ君とロルフ君がクスクス笑った。

「確かに。行きたいところが合わなそうだよね。僕達も一緒だったら、多分ダンジョンの入り口とか見に行くだろうし。」
「バラ絵のダンジョン!」
「そそ。でもマーリエちゃんは、ダンジョンの入り口を見たいとか思わないんじゃない?」

ロルフ君がマーリエに話しかけると、マーリエがコクンと頷いた。

「ダンジョンは‥‥。怖いし‥‥。」
「何か怖い想いをしたの?」
「冒険者って‥‥ちょっと怖い‥‥。」
「冒険者かぁ~。怖い人もいるもんねぇ。」

冒険者登録だけなら,叔父様だって、リヒャルトさんやインゴさんだって登録はしているから冒険者なんだけど、マーリエのイメージするのは見るからに冒険者って感じの筋肉隆々の冒険者なんじゃないかと思う。
見た目じゃないとか、怖そうに見えたって良い人かもと言いたいけど、最近プニョンダンジョンの入り口で、冒険者に絡まれたばかりだからやっぱり警戒しておいた方が良いのかもと思い直す。

クリューガー領に行ったとしたら、やっぱりバラ絵のダンジョンは気になるし、マーリエも一緒にクリューガー領に行ったとしても、興味が惹かれるところが違うから、別行動になっちゃいそうだ。それだったら、姉様か母様が一緒じゃないとマーリエとしては不安だろうな。
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