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第7章

第442話 ワープ池回避

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『罠ポヨン、楽ポヨン。』

プニョン君が言うには、こっちにもワープ池があった方がきっと便利!ってことらしい。うーん‥‥。ダンジョンは一応ユガーラン村にあるっていう位置づけなんだよね。
アタムスン村もプニョン君のダンジョンの影響範囲内に入っちゃうことは確かなんだけど。
ユガーラン村でダンジョンに入った冒険者が、ポンポンとアタムスン村に出て来ちゃったら大変だよ。
悪い人がいきなり村の中に現れる事もあるかもしれないんだよね。

悪の集団がザパーンと噴水の中から大人数で姿を現す光景を一瞬想像して、ひゃーってなっちゃった。

「ソーマ君、どうしたの?」

僕がちょっと焦っていたのが伝わっちゃったのか、ギルベルト君が僕の顔を覗き込んだ。
「‥‥ここに悪の集団がジャバジャバでてきちゃったら大変だなって。」
「アハハ。妄想劇場?そうだねぇ!トラップは、ユガーラン村だけにしてもらいたいよね!」

ギルベルト君も僕と同じ意見のようだ。

ユガーラン村にはユガー湖が含まれていて、ユガー湖の中には元々角サーモンとかの魚系魔獣が居る事は周知の事実だ。
ダンジョンの入り口の近くってこともあって、ユガー湖あたりにトラップの出口が出来たり、小さい魔獣が出て来たと気は
ビックリはするけど受け入れられるらしいんだ。
だけど、アタムスン村にトラップの出口が出来ちゃうのはやっぱりちょっと違うよね。
大騒ぎになっちゃうよ。

『プニョン君。やっぱりアタムスン村の中にはワープ池の出口はない方がよいみたい。』
『楽々ポヨン、無いポヨン。』
プニョン君が納得してくれて、噴水の水の中に引っ込んで行った。ふぅ~。一安心かな。

プニョン君との念話が終わって、改めて噴水広場を見回した。

噴水のお披露目は、アリサ姉様が見に行った昨日だったからか、見に来ている村の人達は、凄く多いという程じゃない。なんとなく見に来てぐるっと、周辺を回って通り過ぎてゆく感じ。
音楽を演奏する人がいたりして、
テラス席のカフェがあったりすると、まったり過ごせそうな気がする。

カフェのテラス席で噴水を眺めたりしながらまったりとお茶をしている人達をイメージした。
そこにザッバーン!と飛び出てくるゾンビダンサー!うわぁ‥‥。
僕は軽く首を振って妄想を打ち消した。プニョン君、ここにトラップ池の出口は作らない方針でお願いします。

ちょっと怖い妄想をしちゃったけど、広場自体は良い感じだったので満足。
グルリと周辺を廻ってから宿に戻ろうかと思っていたら、サミュエル君達にバッタリ会った。

「こんにちは。噴水を見に来たの?」
「そうだよ。新しく出来たって言うから。」

挨拶を交わして、ちょっと噴水の感想とかを話していたんだけど、なんとなくサミュエル君が元気がないみたいに見えた。
ニコラちゃん達もちょっとサミュエル君の様子を気にしているみたいだった。

「‥‥サミュエル君、何かあったの?」

もしかして領地に帰る日にちが決まったのかなと思った。もうすぐ帰るだろうって言っていたもんね。サミュエル君はちょっと俯いてふぅと小さく息を漏らしてから顔を上げた。

「‥‥昨日なんだけど。姉上の婚約解消が決まったんだ。昨日父上がヴァルガー子爵が話をして決まったんだ。」
「‥‥ああ、そうだったんだね‥‥。」
残念だったと言って良いのかが微妙だ。クラウスさんとエッダさんはあまり上手くいっていなさそうな感じではあったけど、家同士の話もあるもんね。それにクラウスさんが行方不明のままだし、スッキリした感じではないと思う。
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