自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第436話 事件が続く

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魔獣が出たというわけじゃないのに、冒険者ギルド前が騒がしくなったからか、
通り自体が、ざわつき始めた。何かあったのかと、様子を見に行くらしい人達と沢山すれ違った。
レイクサーペントが出た事があるから、「またか?」という気持ちがあるのかもしれない。
通り全体が落ち着かない感じになってきたので、村を出る事にした。

「あ、待って。お土産どうしよう。」
「角サーモン、買おうか。」

一応、わざわざ出かける許可を出してもらったんだし、お土産は買って帰りたい。
落ち着いてお土産を探す雰囲気じゃないけど、丸ごとの角サーモンを氷漬けにしている店があったので、それを買って帰って、宿の厨房でたっぷり角サーモン料理を作ってもらうのは良さそうだった。
角サーモンの氷漬けを買ったら、ダンレモもおまけでつけてくれた。
購入は店の奥で、商品とお金のやり取りをして、こそっとマジック財布に角サーモンをしまった。

帰ってから食べるのを楽しみにしながら、騒がしい通りを抜けて馬車に乗り込み、ユガーラン村を後にした。

「ユガーランのダンジョンはトラップが多いみたいだけど、低階層だと魔獣が強くないっていうし、いつか皆で行ってみたいね。」

馬車が出発してから、ラルフ君がチラリとユガーラン村の方を振り返って言った。
ロルフ君がうんと頷いた。

「だね。ソーマ君とギルベルト君が正規冒険者になる頃には、僕達鍛えておくからさ、いつか行こうよ。」

ダンジョンお出かけ計画を提案してくれた。皆でダンジョンに行くのって楽しそう!
僕が正規冒険者登録できる年齢になるまで、まだ何年もかかっちゃうけど、皆で行けるダンジョンを増やしておくのも良いかも。

アタムスン村への帰り道は、オタマジャクシ魔獣が飛び出してくることもなく、すんなり帰って来れた。
そしてアタムスン村に戻って来たんだけど、アタムスン村もなんだか騒がしかった。

「オタマジャクシ魔獣をバラまいた奴が捕まったらしいぜ!」
「なんとかって男爵が裏で手を引いていたって話だ!」

そんな話をしながら村の人達がバタバタとどこかに向かっていた。

ちょっと気になるので、村の人達が向かう方向に歩いて行ってみた。
冒険者ギルドの隣の新しく建設中の建物の前に野次馬が沢山できていた。何か言い争う声が聞こえる。

「そこを通せ。我々にも取り調べをさせろ。」
髭もじゃの人が騎士さん達と何か揉めていた。
仮設の建物の入り口から髭もじゃの人が入ろうとしているのを騎士さん達が阻止しようとしているみたいだ。
「あなたは、ヴァルガー子爵の依頼を受けて、ヴァルガー子爵令息の件を調査されていると伺っておりますが、
現在拘束している者達とは無関係では?」
「無関係かどうか、尋問をして判断する!」
「こちらで尋問をして関連が在る事が判明したら、ご連絡しますよ。」
「適当な事を言ってごまかす気か?」
「もう、これから領都に送りますので、何か申し立てがあれば、領都にお願いします。」

重厚そうな馬車が近付いて来た。騎士さん達が野次馬の人達を下がらせて道を開けている。
馬車が建物の前で停まると、髭もじゃの人が、怒ったような顔になって、騎士さんにまた何か言っていた。でも騒がしくて良く聞き取れなかった。
仮設の建物の中から、昨日の悪の集団の一味の二人が、後ろ手に縛られた状態で騎士さんに連れられて外に出て来た。
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