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第7章
第435話 出禁トラップ
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湖で水音がしたからか、何人かの冒険者が様子を見に湖の方向に向かって行った。
僕達は、湖の方向に向かう人達の横をそそくさと進んで、店が並ぶ通りに戻って行った。
通りを暫く歩いてから、先頭を歩いていたラルフ君とロルフ君が立ち止まった。振り返って、来た道の奥に目を向けた。
「湖に出てくるダンジョンのトラップとかだったのかな。」
「そんなのあるんだねぇ。また会ったら絡まれちゃいそうだけど、今のところはまだこっちには来ないかな。」
ロルフ君が肩を竦めた。
「元気そうだったから、すぐ来るかもよ。冒険者ギルドに報告とかさ。」
ギルベルト君も来た道を見やって落ち着かなそうにしていた。
「もう帰ろうか。目的のものは見たし。」
ラオウル君がふぅっと深く息を吐いた。
実際、もう、見る予定だった所は見てしまったので、アタムスン村に戻る事にして通りを村の入り口の方向に進んだ。
冒険者ギルドの窓口付近を通ると、なんだかザワザワしていた。
「湖に?まさかまたレイクサーペントか?」
「いや、冒険者だってよ。」
「はあ?なんだそれ。」
僕達を追い抜いて冒険者ギルドに知らせに行った人がいたのか、冒険者ギルドの周辺はでは既に湖に出て来た冒険者達の事が話題になっていた。
何かあったのかと、冒険者ギルド前に、ぞろぞろと人ガ集まって来てしまって通りにくい。
その時、冒険者ギルドの窓口の建物のドアが勢い良く開いた。ガリオンさんが出て来て、大きな声で言った。
「騒がしいぞ!」
「ギルマス!湖で何かあったとか。」
「確認はするが、魔獣が出たわけではないと聞いている。あまり騒ぐな!」
ガリオンさんの低い声がバーンと周囲に響いた。そうすると冒険者ギルドの前に集まって来ていた人達が静かになった。
流石ゴリライケメン。
ギロンとガリオンさんの目が動いて僕の方を見た。
目が合ったのでペコリと会釈をしたら、何か微妙そうな顔をして小さく頷いた。
それから、ギルド窓口の中に何か声をかけて指示をし始めた。
通りを塞いでいた人達が、バラバラと解散したので道が空いた。
今のうちと思って、空いた場所から進む。
冒険者ギルドの窓口の建物から離れて、人通りが少ないところまで来たら、ギルベルト君がクスクスと笑いだした。
「ソーマ君。ゴリライケメンとか呼んじゃって‥‥。良く怒られなかったね。」
「え?言っちゃってた?」
「ちょうど周りの人が黙ったタイミングだったから、よく聞こえちゃったよ。」
ギルベルト君だけじゃなくて、ラルフ君とロルフ君もクスクスと笑っていた。ラオウル君は真面目顔だったけど。
「‥‥イケメンって言ってたなら怒らないんじゃないか?」
「でもイケメンの前にゴリラがついてたし。フフ。」
つい口に出してしまったみたいだけど、ガリオンさんにも聞こえちゃったのかな。後で会ったら謝っておこう。
ロルフ君は冒険者ギルドの窓口の方を振り向いて言った。
「ギルドでも確認するってことは、湖に出て来ちゃうのはよくあるような事じゃないのかね。」
「どうなんだろう。‥‥でも、もしもトラップで湖にでちゃうんだったら、再入場するの大変そうだよね。」
「歩く距離長いもんね。‥‥その前にびしょぬれだったか。」
「結構ダメージがあるトラップかもね。」
皆、トラップの内容がちょっと気になるみたいだ。
プニョン君は「出禁」って言ってたから、普段は発生しないトラップなのだと思うけど。
でも、あの人達だと、何度も発生しちゃいそうだね。
僕達は、湖の方向に向かう人達の横をそそくさと進んで、店が並ぶ通りに戻って行った。
通りを暫く歩いてから、先頭を歩いていたラルフ君とロルフ君が立ち止まった。振り返って、来た道の奥に目を向けた。
「湖に出てくるダンジョンのトラップとかだったのかな。」
「そんなのあるんだねぇ。また会ったら絡まれちゃいそうだけど、今のところはまだこっちには来ないかな。」
ロルフ君が肩を竦めた。
「元気そうだったから、すぐ来るかもよ。冒険者ギルドに報告とかさ。」
ギルベルト君も来た道を見やって落ち着かなそうにしていた。
「もう帰ろうか。目的のものは見たし。」
ラオウル君がふぅっと深く息を吐いた。
実際、もう、見る予定だった所は見てしまったので、アタムスン村に戻る事にして通りを村の入り口の方向に進んだ。
冒険者ギルドの窓口付近を通ると、なんだかザワザワしていた。
「湖に?まさかまたレイクサーペントか?」
「いや、冒険者だってよ。」
「はあ?なんだそれ。」
僕達を追い抜いて冒険者ギルドに知らせに行った人がいたのか、冒険者ギルドの周辺はでは既に湖に出て来た冒険者達の事が話題になっていた。
何かあったのかと、冒険者ギルド前に、ぞろぞろと人ガ集まって来てしまって通りにくい。
その時、冒険者ギルドの窓口の建物のドアが勢い良く開いた。ガリオンさんが出て来て、大きな声で言った。
「騒がしいぞ!」
「ギルマス!湖で何かあったとか。」
「確認はするが、魔獣が出たわけではないと聞いている。あまり騒ぐな!」
ガリオンさんの低い声がバーンと周囲に響いた。そうすると冒険者ギルドの前に集まって来ていた人達が静かになった。
流石ゴリライケメン。
ギロンとガリオンさんの目が動いて僕の方を見た。
目が合ったのでペコリと会釈をしたら、何か微妙そうな顔をして小さく頷いた。
それから、ギルド窓口の中に何か声をかけて指示をし始めた。
通りを塞いでいた人達が、バラバラと解散したので道が空いた。
今のうちと思って、空いた場所から進む。
冒険者ギルドの窓口の建物から離れて、人通りが少ないところまで来たら、ギルベルト君がクスクスと笑いだした。
「ソーマ君。ゴリライケメンとか呼んじゃって‥‥。良く怒られなかったね。」
「え?言っちゃってた?」
「ちょうど周りの人が黙ったタイミングだったから、よく聞こえちゃったよ。」
ギルベルト君だけじゃなくて、ラルフ君とロルフ君もクスクスと笑っていた。ラオウル君は真面目顔だったけど。
「‥‥イケメンって言ってたなら怒らないんじゃないか?」
「でもイケメンの前にゴリラがついてたし。フフ。」
つい口に出してしまったみたいだけど、ガリオンさんにも聞こえちゃったのかな。後で会ったら謝っておこう。
ロルフ君は冒険者ギルドの窓口の方を振り向いて言った。
「ギルドでも確認するってことは、湖に出て来ちゃうのはよくあるような事じゃないのかね。」
「どうなんだろう。‥‥でも、もしもトラップで湖にでちゃうんだったら、再入場するの大変そうだよね。」
「歩く距離長いもんね。‥‥その前にびしょぬれだったか。」
「結構ダメージがあるトラップかもね。」
皆、トラップの内容がちょっと気になるみたいだ。
プニョン君は「出禁」って言ってたから、普段は発生しないトラップなのだと思うけど。
でも、あの人達だと、何度も発生しちゃいそうだね。
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