自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第415話 逮捕劇

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『捕えろ!』

大きな声が響いたと思ったら、大勢の騎士達がザッと広がり、男性二人とオタマジャクシ魔獣を取り囲んだ。素早い動き!格好良い!

ストレージルームの壁に映し出された映像を見て、僕はグッと拳を握りしめた。二人組は一瞬硬直した後、ゆっくりした動作で樽を地面に置いた。それから、じっと騎士達と睨み合い、急に走り出した。なにか振り回して騎士達の間を抜けようとしたけど、思い切り盾で弾かれ、倒れ込んだところに騎士達が群がった。

「やった!悪の集団逮捕!」

号外出したい。号外作っちゃおうかな?
‥‥あ、だめだ。まだ悪の総帥が残ってる。

悪の集団の一味らしい二人組の会話の動画を叔父様に送ったら、すぐに叔父様から連絡があったから、悪の集団が何か悪い事をしようとしていることを言ったんだ。
ヤンティス君が言っていた話も伝えた。マカロ男爵はダンジョンを手に入れる予定で、ヴァルガー子爵はダンジョン目的で婚約を進めようとしているらしいという話だ。
ひとまずダンジョンの話は置いておいて、不審な動きをしている二人組を捕まえようということになったんだ。

集会場って言っていたから、集会場で張り込んでたんだ。現行犯逮捕だね。
樽の中身は何となく、蛙魔獣かオタマジャクシ魔獣だとは予想したけど、映像に映っていなくてはっきり確認がとれなかったし、言い逃れ出来ない場面で捕まえる作戦になったそうだ。

そうして樽の中身は予想通り、オタマジャクシ魔獣が入っていたようだ。
何匹か地面の上でピョンピョン飛び回っているのを騎士達が退治していた。ということは、集会場の中にオタマジャクシ魔獣を潜ませようとしてたってことだよね。倉庫と違って、普段から村の人が来るところなのに。そんなところで、ビヨンビヨンってオタマジャクシ魔獣が飛び交っていたら、大騒ぎになっちゃうところだったよ。皆でテーブルボールの代わりにオタマジャクシ魔獣を叩いちゃうよ。

彼らを尋問したら、なんでそんな事をしようとしたのか、ちゃんと言ってくれるかな。それと、クラウスさんがどうなったのか、悪の総帥の正体だとかがはっきりするかな。悪の集団ですって認めてくれると良いんだけど。

「にゃーん。」
じっと、壁の映像を見ながら考えていたら、プティが膝の上に乗って来て、肉球でぐっと押して来た。
(もう寝る時間ニャ)

「えー?でも、まだ尋問が‥‥。」
(寝るニャ。寝るのにゃ。)
プティで膝の上でフミフミして、箱座りしてしまった。可愛いけどちょっと重い‥‥。
「‥‥はあい。寝るね。」

悪の集団の一味が集会場を襲うのは深夜だっていうから、ずっと起きて待ってたんだ。もっと早い時間にしてくれればよかったのになぁ。
色々気になるからとりあえず偵察君を更に増加させておいて、後で映像をチェックするようにしようかな。

プティに急かされて、とりあえず大雑把に偵察君を出動させるところまでやって、就寝することにした。
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