自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第410話 見つからない

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「え?クラウスさん、まだ見つかってなかったの?」

温泉蒸し料理の店を出た後、集会場にテーブルボールの様子を見に行ったり、ランチを食べたり、光るボールで遊んだりして過ごして夕方に宿に戻って来た。だけど、まだクラウスさんは見つかってないと聞いてビックリした。

てっきり、とっくに発見されて、今頃ご両親にお説教とかされているのかと思ってたんだ。

ヤンティス君達が引きこもっているって聞いたから、大丈夫かなって話をしてたら、クラウスさんの話題になってその時に知ったんだ。

「レナード君が証言していた場所は、元々捜索に行った時にも確認された場所だったようなんだ。
その時に見つからなかったのは、捜索隊が来たのに気付いて隠れていた可能性もあるからと、今回は、隠れそうな場所も同時に探したけど、見つからなかったそうだよ。」

叔父様から聞いて、そういえば森の中の小屋とかだったら、流石に捜索されてたよねと気がついた。

「レナードさんが嘘をついていたってこと?」
「それはわからない。最初はその場所に隠れていたけど、その後で移動したのかもしれないし。」
「そうなんだ‥‥。」

解決したのかなと思ったけど、そうでもなかったみたいだ。それでも、事故だとか事件じゃなくて、身を隠すために森に入ったのなら近隣の村とかに行った可能性もあるし探し方が変わるみたいだ。

今日の捜索で見つからなかったから、髭もじゃの人がまたレナードさんに尋問をしているそうだ。嘘ついているんじゃないかって。

髭もじゃの人はヤンティス君達にも話を聞こうとしたけど、ヤンティス君とマイルズ君は引きこもっていて話をしなかったそうだ。

ヤンティス君達、大丈夫かな。クラウスさんは自分から隠れてどこかに行っちゃったなら、しょうがないけど。
ヤンティス君とマイルズ君には蛙魔獣の屍でびっくりさせちゃったし、ちょっと様子が気になる。
‥‥蛙魔獣は元々森にいたんだから、生きているのが居たらもっと危険だったはずだけどね‥‥。

ヤンティス君達につけていた偵察君がまだ彼らの泊まっている宿の辺りにあるから、ちょっと様子を見て来ようかな。

ストレージルームに行って、偵察君の映像を表示。画面が暗い。暗い室内に居るみたいだ。暗視機能で表示するとベッドの上出蹲っている人影が映った。

『‥‥殺されちゃうよぅ‥‥。怖いよぅ‥‥。』

毛布を被ってブツブツと呟く声。

もう一つの偵察君の映像も表示してみると、こちらは何か話し声がした。

『お兄さんから何を聞いたのか正直にはなしなさい。』
『‥‥知らない‥‥。知らないよぅ‥‥。』

ベッドで蹲っている人影話しかけているのは、どうやら髭もじゃの人だ。話し方が偉そう。部屋全体が映る様にしたら、騎士の人とかお母さんらしき人もいる。

『マイルズ、ちゃんと言ってちょうだい。お兄様の疑いが晴れないでしょう?』

女の人の声。蹲っているのはマイルズ君で、マイルズ君に話しかけているのはマイルズ君とレナードさんのお母さんかな。
『そうだぞ。黙っていると、君も犯罪に手を貸した事になる。早く言いなさい。』

『‥‥』
毛布を被った人影が動いた。毛布の陰からマイルズ君の顔がちらりと見えた。髭もじゃの人を睨んでいるみたいだ。
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