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第7章

第403話 白状

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『うぇーーん!蛙魔獣が~!』
『怖いし臭いし~!』

ヤンティス君とマイルズ君は無事救出された後、村に連れ戻された。大きな怪我とかはしていなかったけど、あちこちで転んだらしくて擦り傷とかの治療を受けて宿に戻った。
時々様子をみてたんだけど宿に戻るまでの間、ほぼ泣きっぱなしだったみたいだ。

宿ではヤンティス君とマイルズ君が大量の蛙魔獣を見たってことで、最初はその話題で騒然としていたのだけど
その後、そもそもどうして夜遅くに勝手に村を出て森の中に入ったのかって話題になって、また物議を醸し出していた。

『兄上がクラウスさんを匿ってるから探しに行ったんだ!』

ヤンティス君の言葉で矛先がレナードさんに向いて、レナードさんが呼び出されて追求される状況になってた。
レナードさんは最初のうちは否定をしていた。

『知らないよ‥‥。俺は‥‥。』
『‥‥じゃあ!僕の兄上を殺したのか!? 何で!? 』
『‥‥。』
『兄上!本当の事を言ってよ!このままだと殺人犯になっちゃうよ?』
『…。』
泣きながら訴えるヤンティス君とマイルズ君に詰め寄られて、レナードさんは大きく溜め息をついた後、項垂れた。

『‥‥はあ。もう無理‥‥。そうだよ。クラウスは雲隠れしてんだよ。』
『え!? じゃ、じゃあ、兄上は生きてるの?』
『ああ‥‥。』

レナードさんの言葉で、周囲は騒然となった。レナードさん、本当にクラウスさんを匿ってたってことか。じゃあ、クラウスさんは何処に居るんだろう。

レナードさんはお母さんや騎士さん達からも詰め寄られて、ぼそぼそとしゃべり出した。

『あいつ‥‥。クラウスのやつ、勢いで婚約破棄を宣言しちまったけど、立場上まずい状況だって気付いたらしくて‥‥。雲隠れしてれば、婚約が穏便に解消されるんじゃないかって考えたのさ。
死亡説とか流れれば婚約を続けられなくなるだろうし、そんな状況になったら慰謝料も請求されなくなるんじゃないかってさ‥‥。
‥‥まさか、俺が殺したとか疑われるとは思ってなかったけど‥‥。婚約解消が決まるまでの辛抱と思って、後何日か黙ってるつもりだった。』

クラウスさんは、婚約破棄が自分のせいだって、責められたくなかったってこと?
もしかして、エッダさんが疑われるようにしたのもわざとなの? 犯人とか疑われたら婚約も解消になるかもしれないけど、酷くない?

『‥‥いや、そこまでは考えてなかったと思う‥‥。あの祭りの晩に宿を出る直前にエッダ嬢からの手紙が届いたみたいだし。』

僕と同じ事を考えたらしい騎士さんからの質問に、レナードさんが否定した。エッダさんから話合いたいっていう手紙が来たのを無視した事自体はよくないけど、
わざと手紙を落として犯人に仕立てようとかは考えてなかったらしい。

『エッダ嬢が疑われて‥‥。まずいとは思ったけどさ‥‥。言い出せなくて‥‥。そのうち俺まで疑われるし‥‥。』

ブツブツとレナードさんが言っていた。

レナードさんの話では、以前、探索中に山の中に狩猟小屋みたいなのを見つけたので、クラウスさんはその場所に何日か身を潜めるってことになっていたそうだ。
レナードさんは、潜伏用の食糧を運び込むのを手伝うために一緒に行って、帰りに偶々ヒカリネジマナ草を見つけたので、翌朝冒険者ギルドの買い取りに出したらしい。

狩猟小屋には明日の朝レナードさんの案内で騎士さん達が行くことになった。

「ふー!よかった!クラウスさん死んでなかった!」

偵察君の映像を一旦切って、僕はソファーにゴロンと横になった。
「にゃーん。」
すかさずプティがお腹の上に乗って来た。うっ。鳩尾に肉球責め。

プティの頭を撫でると、プティがゴロゴロと喉を鳴らした。
ゴロゴロという音を聞いていたら、段々眠くなって来てそのまま眠ってしまった。
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