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第7章

第385話 ロゴマーク

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ナディアさんが宿に戻って行った。叔父様は馬車まで見送りに行って、僕達はそのままロビーで少し話しをしていた。
ギルベルト君がヒソヒソ声で言った。

「ねえ‥‥。レナードさんとピンクサーモン令嬢のこと、気にならない?」
「ああ‥‥。裏通りを歩いてた時のこと?」
「うん。なんだか、仲良さそうだったよね。楽しそうだったし‥‥。」
「クラウスさんが行方不明なのに、とはちょっと思ったけど‥‥。レナードさんが怪しいってこと?」
「怪しい、とまでは言わないけど。もやっとするというか‥‥。」
「わかるけどね。でも元気づけようとして笑わせる、なんてこともあるからねぇ。」

ちょっと気にはなったけど、クラウスさんとレナードさんは仲が良かったはずだ。
弟同士のヤンティス君とマイルズ君だって仲良しだから家族ぐるみの付き合いってことだよね。
レナードさんが、とは考えたくないなぁ。勿論、カイルさんやイーサンさんもだけど。
クラウスさん‥‥、ひょっこり帰って来たりしないかなぁ‥‥。

そんな事を考えていたらナディアさんを見送りに行った叔父様が戻って来た。
叔父様の顔を見たら、元々の用事を思い出した。

「マーク?テーブルボールのロゴマークを作って、スタンプにするの?面白いね。」
「うん。スタンプじゃなくて刺繍とかでもよいかもしれないけど。賞品に決まったマークをつけたら、汗拭きタオルとかも賞品っぽくなるかなと思って。」
「なるほど。テーブルボールをブランド化してしまうか‥‥。」
賞品のマークの話を叔父様にしたら、テーブルボールをする時のシャツとかも商会で作っちゃおうかななんて
話が大きくなってきちゃった。
まだ試しに村の人に試してもらっているけど、多分もっと広まるからって‥‥。大丈夫かな。
マークは僕達がいくつかデザインをしてみることになった。
客室に移動して、ラケットやボール、テーブルボール台とか色々モチーフにして、皆で色々描いて見た。

僕はプティもデザインに入れてみようと思ったんだけど、刺繍とかにも入れてもらうならなるべくシンプルな方が良いってことになって、猫デザインは保留。
結局ラケットの半分くらいを輪郭にしたラインにボールの丸いラインを添えたものになった。
皆で意見を言いながら描き直していったので、誰のデザインって感じじゃなくて、皆で作ったって感じだ。

早速叔父様に見せに行ったら採用してもらえた。
次の大会の賞品は、テーブルボールのロゴマークが入った汗拭きタオルだ。
最初だし良いものにしたいので、ベースになる汗拭きタオルも僕達が選ぶことになった。

商会で扱っている汗拭きタオルから選んでも良いし、売られているものを参考にしながら発注しても良いって。
但し、汗拭きタオルの素材自体が一般的な価格の物って条件が付けられた。
例えばシルクスパイダーの糸とか使っているような高価過ぎるのはダメだって。

もともと汗拭きタオルに高級なシルクは流石に使う気はなかったんだけど、肌触りが良いものを選ぼうってことで、ちょっと拘って選んだんだ。
そうしたら翌日には、マーク入り汗拭きタオルのサンプルが出来上がってた。
僕達の人数分作ってくれたんだって。マークはスタンプじゃなくて、刺繍で出来ていた。
市販品もするけど賞品にするものは、刺繍の色を変えたりするらしい。

「おお、何か格好いい!」
「これだけで、何だかテーブルボールが上手になりそう!」

出来上がったマーク入りの汗拭きタオルは、シンプルでマークがさりげなくて良い感じだった。皆凄く気に入ったみたいだ。
道具が揃ってくると上手くなったみたいな気がしちゃうものなのかな。ロゴマーク入りのシャツとかも欲しいなぁ。
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