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第7章
第376話 阻止
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エッダさんが連れて行かれそうなのをリヒャルトさんが足止めしようとしているという事に気がついたのか、カイルさんとイーサンさんも馬車に向かう通路を塞ぐような位置に移動してきた。
「君達、道を空けなさい。」
「まだ、納得いくお話をいただけていませんヨー。なんで、この方がクラウス・ヴァルガー子爵令息を殺害したと言えるんですかねぇ。」
「‥‥。」
「あれぇ?もしかして、この令嬢を連れて行きたいだけですかぁ?はっ?もしかして、誘拐?」
「何だって!?」
リヒャルトさんの言葉を聞いて、声を荒げたのはカイルさんだった。
「衛兵隊長とか言っておいて!実はエッダ嬢を誘拐しようとしていたのか?」
「ち、違う!無礼な事を言うな!」
髭もじゃの人が顔を真っ赤にして怒っている。
「でも、理由もなく連れて行ったら、誘拐と変わらないんじゃないんですかぁ?」
「理由ならある!」
髭もじゃの人が、小柄で痩せた男の人から、ファイルのような物を受け取った。それを開いてみせた。何か汚れた紙が挟まっていた。
「証拠はこれだ!エッダ・クリューガー子爵令嬢は、祭りの日の夜にクラウス・ヴァルガー子爵令息を呼び出していたのだ。これがその手紙だ!
この手紙が崖の上で発見されたのだ! 婚約破棄された腹いせに、子爵令息を呼び出して、崖の上から突き落したんだろう!」
髭もじゃの人がそう言い切るとそれまで、当惑した様子で黙っていたエッダさんが、髭もじゃの人に向かった叫ぶように言った。
「‥‥わたくしは、クラウス様を崖から突き落としたりしていません!」
「言い逃れはよせ!」
髭もじゃの人がエッダ嬢に向かって腕を振り上げた。その腕をリヒャルトさんが掴んだ。
「あれ?これは暴行未遂の現行犯!?」
「何だと?」
「誘拐未遂もつけときますか?」
「貴様!」
髭もじゃの人が激昂してリヒャルトさんに詰め寄ったタイミングで、馬の足音がすぐ近くまで近付いて来ていた。
エルストベルクの騎士達だ。
「通報があった。一体何をしている?」
騎士達と髭もじゃの人が少し話しをした後、少し遅れて到着した馬車にエッダさんとエッダさんのご両親と髭もじゃの人が乗り去って行った。騎士達って凄いね。髭もじゃの人は最初怒鳴っていたんだけど、あっという間に大人しくなっちゃったよ。お話上手なんだなぁ。
僕達が宿泊している宿に向かったって行っていたようで、宿に戻ってみたら宿の応接ルームのような所で母様を交えてお話をしていた。
やっぱり、エルストベルクの領地内で、王都の「元」衛兵隊長が令嬢の身柄を拘束して取り調べるのは、おかしな事だったようだ。
髭もじゃの人はクラウスさんのお父さんのヴァルガー子爵の依頼でこの村に来たということだったから、ヴァルガー子爵が髭もじゃの人に捜査してよって頼んだってことなのかな。
暫く応接ルームでお話をしていた後は、エッダさん一家も髭もじゃの人も宿を出て行った。
話し合いの様子を伺いにいっていたラルフ君とロルフ君の情報によると、
クラウスさんのご両親からの訴えもあって、エッダさんからの手紙の件については、調査をすることになったそうだ。
髭もじゃの人がエッダさんから事情を訊くときも、騎士も同席の上で行うということになったらしい。
髭もじゃの人は、クラウスさんのお父さんであるヴァルガー子爵から依頼を受けているらしくて、捜査をする権利がないわけじゃないみたい。
でも勝手に身柄を拘束する権利はないんだって。
例えば王都に連れて行きますよなんていう場合にはクラウスさんの家とエッダさんの家と辺境伯家と色々手続きが必要なのに髭もじゃの人がすっ飛ばしたようだ。
エッダさんのご両親は、殺人事件と言われて動揺してしまって、エッダさんが事情聴取のために身柄を拘束されることを引き止められなかったみたい。
危ないところだったね。
「君達、道を空けなさい。」
「まだ、納得いくお話をいただけていませんヨー。なんで、この方がクラウス・ヴァルガー子爵令息を殺害したと言えるんですかねぇ。」
「‥‥。」
「あれぇ?もしかして、この令嬢を連れて行きたいだけですかぁ?はっ?もしかして、誘拐?」
「何だって!?」
リヒャルトさんの言葉を聞いて、声を荒げたのはカイルさんだった。
「衛兵隊長とか言っておいて!実はエッダ嬢を誘拐しようとしていたのか?」
「ち、違う!無礼な事を言うな!」
髭もじゃの人が顔を真っ赤にして怒っている。
「でも、理由もなく連れて行ったら、誘拐と変わらないんじゃないんですかぁ?」
「理由ならある!」
髭もじゃの人が、小柄で痩せた男の人から、ファイルのような物を受け取った。それを開いてみせた。何か汚れた紙が挟まっていた。
「証拠はこれだ!エッダ・クリューガー子爵令嬢は、祭りの日の夜にクラウス・ヴァルガー子爵令息を呼び出していたのだ。これがその手紙だ!
この手紙が崖の上で発見されたのだ! 婚約破棄された腹いせに、子爵令息を呼び出して、崖の上から突き落したんだろう!」
髭もじゃの人がそう言い切るとそれまで、当惑した様子で黙っていたエッダさんが、髭もじゃの人に向かった叫ぶように言った。
「‥‥わたくしは、クラウス様を崖から突き落としたりしていません!」
「言い逃れはよせ!」
髭もじゃの人がエッダ嬢に向かって腕を振り上げた。その腕をリヒャルトさんが掴んだ。
「あれ?これは暴行未遂の現行犯!?」
「何だと?」
「誘拐未遂もつけときますか?」
「貴様!」
髭もじゃの人が激昂してリヒャルトさんに詰め寄ったタイミングで、馬の足音がすぐ近くまで近付いて来ていた。
エルストベルクの騎士達だ。
「通報があった。一体何をしている?」
騎士達と髭もじゃの人が少し話しをした後、少し遅れて到着した馬車にエッダさんとエッダさんのご両親と髭もじゃの人が乗り去って行った。騎士達って凄いね。髭もじゃの人は最初怒鳴っていたんだけど、あっという間に大人しくなっちゃったよ。お話上手なんだなぁ。
僕達が宿泊している宿に向かったって行っていたようで、宿に戻ってみたら宿の応接ルームのような所で母様を交えてお話をしていた。
やっぱり、エルストベルクの領地内で、王都の「元」衛兵隊長が令嬢の身柄を拘束して取り調べるのは、おかしな事だったようだ。
髭もじゃの人はクラウスさんのお父さんのヴァルガー子爵の依頼でこの村に来たということだったから、ヴァルガー子爵が髭もじゃの人に捜査してよって頼んだってことなのかな。
暫く応接ルームでお話をしていた後は、エッダさん一家も髭もじゃの人も宿を出て行った。
話し合いの様子を伺いにいっていたラルフ君とロルフ君の情報によると、
クラウスさんのご両親からの訴えもあって、エッダさんからの手紙の件については、調査をすることになったそうだ。
髭もじゃの人がエッダさんから事情を訊くときも、騎士も同席の上で行うということになったらしい。
髭もじゃの人は、クラウスさんのお父さんであるヴァルガー子爵から依頼を受けているらしくて、捜査をする権利がないわけじゃないみたい。
でも勝手に身柄を拘束する権利はないんだって。
例えば王都に連れて行きますよなんていう場合にはクラウスさんの家とエッダさんの家と辺境伯家と色々手続きが必要なのに髭もじゃの人がすっ飛ばしたようだ。
エッダさんのご両親は、殺人事件と言われて動揺してしまって、エッダさんが事情聴取のために身柄を拘束されることを引き止められなかったみたい。
危ないところだったね。
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