自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第368話 遊技場

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プニョン君が色々作ってくれたので、お礼というかダンジョン遊戯場を作ってみた。
テーブルボールや投げ矢、他にも思いつく物を作ってみる。
ミニボーリング、エアホッケー、スマートボール、スカッシュ、射的‥‥。

ダンジョンマスター達に一番人気があったのはスカッシュだった。といってもラケットを使ったりしないで、尻尾だとか前足だとか身体の一部であちこち跳ね返って来たボールを打ち返している。

どうやら、ラケットとか投げ矢とか道具を保つのは好まないみたいだ。

「ポヨンポヨン。」
プニョン君はスカッシュの球に混じって撥ねている。

「滑るペンー!」
「ペンギン!邪魔するなコン!」
ピン君はミニボーリングのレーンを滑って行くのをみて、クーちゃんが怒って三本の尻尾でボールを連投している。

皆楽しんでくれたみたいでよかった。

僕もプティとエアホッケーしたりして遊んでいたんだけど、朝食の時間が近付いて来たので宿の部屋に戻って来た。
着替えて部屋を出ると、ちょうど皆食堂に集まって来ていたところだった。

「あ、ソーマ君。おはよう!」
「おはよう。ギルベルト君。」
「雨止んだけど、お天気微妙だね。」
「そうだね。寒いし。‥‥雨止んだら外出できるようになったのかな。」

僕がそう言って窓の方に目を向けたら、ラルフ君とロルフ君が既に窓辺に並んで外の様子をみていた。

「まだ水たまりは残ってるみたいだよ。」
窓辺からテーブルの方に戻って来て、ラルフ君が肩を竦めた。

「晴れたら魔法で水溜まりを何とかしてくれるって話も出てたけど、雨振りそうな空だよねぇ。」

どのみちオタマジャクシ魔獣が潜んでいないか、チェックが済まないと外出自粛は解けないらしいので、テーブルボールとかして遊ぶ事にした。

ダンジョン遊技場を作る時に、ピンポン玉とかラケットを増産する魔道具を作ってみたので、叔父様の所に持って行くと、
早速増産して他の宿でも使える様にしようっていう話になった。

オタマジャクシ魔獣の脅威が去ったかがまだ確認できていないし、クラウスさんが行方不明で崖から落ちた可能性が高いっていうことで、これ以上魔獣の被害者や行方不明者が出ないように、外出自粛令を出している。

ずっと外に出られないと不満に思って勝手に飛び出していってしまう人も出てくるだろうから、なるべくストレスを発散させようっていう考えのようだ。

この宿にやダンスルームの他にもう少し広いパーティルームというのがあるのだけど、ダンスルームの方を遊技場にするそうだ。
他の貴族が宿泊している宿も同じようにするんだって。

村の集会場にも、遊戯設備を置こうというかという話が出ているそうだけど、村の人達が集会場に行くには家の外に出る事になるから
一旦保留で設備の準備だけ進めるそうだ。

宿のダンスルームを遊技室にするということで、テーブルボールの台と投げ矢の的を常設にしたら、しばらくしてパーティルームの一角にも投げ矢の的を置いて欲しいという要望が上がってきた。

遊戯室は好評なんだけど、テーブルボールをしているとかなり賑やかになるから、母様や伯母さま達はもっと落ち着いた雰囲気で投げ矢を楽しみたいみたいだ。

僕が泊まっている宿は、知り合いばかりが泊まっているある意味貸し切り状態だから、自由が利くんだけど他の宿は、色々な貴族家から集まって来ているから設備の取り合いになったりしているそうだ。

予約制にすれば良いんじゃないかと思うんだけど、誰か使っていると「やってみたい!」ってすぐに使いたがる人とかがいるんだって。
だから一部の宿泊用の部屋に設備を置いて、部屋ごと予約制にしたりしているらしい。

設備の取り合いみたいなことは起きたみたいだけど、ゲーム自体は結構好評みたいなんだよ。
2日くらいは、遊戯室で遊んだり、設備の配置を調整してみたりなんてことをして過ごしていた。

3日目にようやく外出自粛が解かれたので久々に外に出てみた。いつの間にか道が綺麗に舗装されていたよ。
もともと宿の前の道は整えられてはいたんだけど、村の中心部に伸びている道が全体的に石畳になっていて、道の脇に側溝ができていた。そして格子状の金属の蓋で塞がれていた。

多分、側溝からオタマジャクシ魔獣が飛び出して来ないようにしているんだと思う。
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