自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第7章

第363話 テーブルボール

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案内されて行ってみると、そこそこの広さのあるシンプルな部屋だった。奥に小さい鍵盤楽器が置かれていて、端にテーブルやら椅子が並べられていた。
ダンス以外に、お茶会とかでも使われているみたいだ。

「どうするー?」

ダンスルームの室内を覗いてみてお互いに顔を見合わせた。
予約は入っていないらしいので,少し使ってみることにして鍵を借りた。

フロアの中央まで歩いて行って、ラルフ君がくるりとターンした。

「素早さ上がったような‥‥?うーん。多分上がったかな?」

ロルフ君は、ピョーンとその場でジャンプ。

「普段よりちょっとだけ、高くジャンプできた‥‥かも?確認手段微妙~。」
「飛んだり撥ねたり自由に使ってよいって言われたし、何かして遊ぶ?」
「うーん。何しようか」

グルリともう一度室内を見回す。
椅子があるから椅子取りゲーム?あれってだれか音楽鳴らしたりしないといけないんだっけ。
テーブル‥‥、そこそこ大きいから、大きめのボードゲームとか‥‥?ここまで来て、またボードゲームもなぁ。
卓球台ならよかったのに。‥‥うん?卓球?

温泉地には卓球じゃない?

テーブルの大きさはちょうど、卓球台くらいだ。真ん中に衝立を作ってボールを打ち合ったらどうだろう。ボールは‥‥。
プニョン君が色々スライム素材をくれたから、ピンポン球っぽいもの作れないかな。
マジック財布に手を突っ込んで、そこからストレージ錬金ボックスにピンポン球作りを指示。表面はプニプニしてなくて、
中は空洞で軽くて弾む様に。
イメージが具体的だからか、直ぐに出来上がった。引っぱりだしてみると,オレンジ色のピンポン球が出て来た。
おお、良い感じ?ラケットも作れるかな?
木の素材とスライム素材を組み合わせて、木の板の上に少しだけ弾力が有るスライムシートを貼付けたラケット状の物を作ってみた。
とりあえずラケット二つ作ってみたから、試してみる。
テーブルの所まで行って、ラケットでピンポン球をコンって打ってみた。
コーン!
軽快な音を立てて、ピンポン球がテーブルの上を撥ねた。皆が僕の方を見た。

「ソーマ君、それ何?」
「テーブル‥‥ボール‥‥?これ使ったら遊べないかなと思って。」

テーブルテニスって呼ぼうかと思ったけど、そもそもテニス自体がないから、「テーブルボール」って呼んでみたよ。
大雑把にネットは、板状のものを衝立としてテーブルの真ん中に立てただけにして置いて、ラケットで打ち合うものだと説明した。
僕、あまり卓球のルールとか知らないんだよね。10点先取とかでよいかな。

「おー、面白そう!」
「やってみよ!」

何となくのルール説明で,僕とギルベルト君で打ち合ってみた。良い感じ。皆が興味を持ってくれたみたいだったので、
ピンポン球とラケットを増産した。
テーブルを動かして、競技しやすいように配置した。
ダブルスにもすれば全員で遊べる。

「面白い~。ねえ、10点先取だったっけ。勝負してみようか。」

試合をしてみようというので、スコアボードとリーグ戦用の表も用意した。
リヒャルトさんとインゴさんは護衛業務があるから参戦はしないというので、僕、ラルフ君、ロルフ君、ギルベルト君、ラオウル君の名前を
表の縦横に描いて、斜めに線を入れる。

「総当たりだと10ゲーム?1人4ゲームかぁ。」
「時間かかりそうだから3点先取にしようか。」
「それでやってみよう!」

テーブル二つに分かれて試合開始!
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