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第7章
第361話 一言文句を
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カフェではダンレモを使った、ダンレモ風味のクッキーを出してくれた。
僕達とニコラちゃん、ミリーちゃん、サミュエル君と一緒に、ダンレモ風味クッキーと温かいお茶を囲んでおしゃべりをした。
「ソーマ君の叔父様と、わたしのお母様が学園のお友達なのね。」
「そうみたい。ミリーちゃんのお父さんの後輩だって言っていたよ。」
「じゃあ、ライマお兄様の事も知っているかもしれないのね。カイルお兄様のお兄様なの。ミリーのお父様のフーゴ伯父様とカイル兄様のお兄様は親友なのよ。」
「そうなんだ。一杯繋がるねぇ。」
そんな話をしていたら、サミュエル君がちょっと口を尖らせていた。
「僕の母上は‥‥ニコラやミリーの母上達よりちょっと年上だから‥‥学園で全然知り合いとかじゃないんだ。」
「そうなんだね。でもニコラちゃんやミリーちゃんのお母上達と仲良しなんでしょう?」
サミュエル君は、学園繋がりの話が蚊帳の外だったからちょっと不機嫌だったみたいだ。僕が訊くと、サミュエル君のお母さんとニコラちゃんのお母さんは従姉妹同士なのもあって昔から仲良しで、さらに嫁ぎ先の領地も近いので交流が続いていると説明してくれた。。
お母さん達が頻繁に会っているからサミュエル君達も仲良しなんだって。
「蛙魔獣持って来た子達‥‥、マイルズ君とヤンティス君だっけ、彼らも前からのお友達?」
僕がそう訊くと、サミュエル君、ニコラちゃん、ミリーちゃんの眉毛が一斉にハの字に下がった。あれ?まずい事言っちゃったかな?
サミュエル君の唇が尖った。
ミリーちゃんがサミュエル君の横顔ををちらりと見てから、ヒソヒソ声で言った。
「サミュエルのお姉様の‥‥エッダお姉様が、ご婚約されて‥‥いたからですわ。ヤンティスのお兄様と。」
「ああ、クラウスさん‥‥。」
サミュエル君のお姉さんのエッダさんは5年前にクラウスさんと婚約をしたので、ヤンティス君とサミュエル君も合う機会があったけど仲が良いわけじゃないらしい。
マイルズ君はヤンティス君とお兄さん同士が友達という事で仲が良いみたいだけど、
二人して、ニコラちゃんやミリーちゃんをしょっちゅうからかったりするので、ニコラちゃん達から避けられているんだって。
しかも、クラウスさんがエッダさんに婚約破棄宣言をしてしまったから、今は凄く微妙な状況らしい。
今はエッダさんとサミュエル君のお父さんに連絡を取って急いでアタムスン村に向かってきてもらっっているのだそうだ。
今日は、お母さん達の気分転換が目的でカフェに来たらしいんだけど、ある意味凄い気分転換になってしまったようだ。
ミリーちゃんがキッと鋭い目線でサミュエル君を見つめた。
「ねえ、サミュエル。クラウス様に文句言ってやったの?」
サミュエル君は、ぐっと眉をしかめた。紅茶のカップを置いて俯く。
「会えてないんだ。何度か宿まで行ったんだけど会えなかった。」
「ええー?」
村の広場での婚約破棄の時の事をニコラちゃん達は凄く怒っていて、家同士の話し合いはサミュエル君のお父さんが到着してからになるらしい。
でも、家族同士の話し合いの前に一言文句を言ってやりたくてクラウスさんに会おうとしているそうだ。でも、会えていないらしい。
「そういえば、クラウスさんが帰って来ていないとかで昨日、僕達が泊まっている宿にも探しにきてたよ。」
「話し合いが嫌で逃げ回ってるんだよ。きっと!」
むすっとして、サミュエル君が口を尖らせた。
「あの広場の祭りの後、エッダ姉様が話し合いをしようって手紙を出したらしいけど、来なかったって!しかも未だに返事もないって!」
「ホント、クラウス様って酷い。エッダお姉様から破棄してしまえば良かったのに。」
サミュエル君達はクラウスさんのやった事にかなり腹を立てているからエッダさんとクラウスさんの婚約が解消される事自体には寧ろ賛成なんだって。
でも、礼儀を無視した一方的な婚約破棄をしたクラウスさんの態度が許せないらしい。
「エッダお姉様、昨日はずっとお部屋から出てこなかったの。きっと泣いてたんだわ。」
「可哀想。クリューガーのおじさまが来たらガツンって文句言って欲しい。」
「ね。」
サミュエル君達が、クラウスさんへの不満をあれこれ言っていたら、叔父様から声がかかった。
雨が小降りになったから、一旦宿に引き返そうって。
さっきの大降りの雨でオタマジャクシ魔獣がまた流れ込んできたりするかもしれないから、念の為なんだって。
僕達とニコラちゃん、ミリーちゃん、サミュエル君と一緒に、ダンレモ風味クッキーと温かいお茶を囲んでおしゃべりをした。
「ソーマ君の叔父様と、わたしのお母様が学園のお友達なのね。」
「そうみたい。ミリーちゃんのお父さんの後輩だって言っていたよ。」
「じゃあ、ライマお兄様の事も知っているかもしれないのね。カイルお兄様のお兄様なの。ミリーのお父様のフーゴ伯父様とカイル兄様のお兄様は親友なのよ。」
「そうなんだ。一杯繋がるねぇ。」
そんな話をしていたら、サミュエル君がちょっと口を尖らせていた。
「僕の母上は‥‥ニコラやミリーの母上達よりちょっと年上だから‥‥学園で全然知り合いとかじゃないんだ。」
「そうなんだね。でもニコラちゃんやミリーちゃんのお母上達と仲良しなんでしょう?」
サミュエル君は、学園繋がりの話が蚊帳の外だったからちょっと不機嫌だったみたいだ。僕が訊くと、サミュエル君のお母さんとニコラちゃんのお母さんは従姉妹同士なのもあって昔から仲良しで、さらに嫁ぎ先の領地も近いので交流が続いていると説明してくれた。。
お母さん達が頻繁に会っているからサミュエル君達も仲良しなんだって。
「蛙魔獣持って来た子達‥‥、マイルズ君とヤンティス君だっけ、彼らも前からのお友達?」
僕がそう訊くと、サミュエル君、ニコラちゃん、ミリーちゃんの眉毛が一斉にハの字に下がった。あれ?まずい事言っちゃったかな?
サミュエル君の唇が尖った。
ミリーちゃんがサミュエル君の横顔ををちらりと見てから、ヒソヒソ声で言った。
「サミュエルのお姉様の‥‥エッダお姉様が、ご婚約されて‥‥いたからですわ。ヤンティスのお兄様と。」
「ああ、クラウスさん‥‥。」
サミュエル君のお姉さんのエッダさんは5年前にクラウスさんと婚約をしたので、ヤンティス君とサミュエル君も合う機会があったけど仲が良いわけじゃないらしい。
マイルズ君はヤンティス君とお兄さん同士が友達という事で仲が良いみたいだけど、
二人して、ニコラちゃんやミリーちゃんをしょっちゅうからかったりするので、ニコラちゃん達から避けられているんだって。
しかも、クラウスさんがエッダさんに婚約破棄宣言をしてしまったから、今は凄く微妙な状況らしい。
今はエッダさんとサミュエル君のお父さんに連絡を取って急いでアタムスン村に向かってきてもらっっているのだそうだ。
今日は、お母さん達の気分転換が目的でカフェに来たらしいんだけど、ある意味凄い気分転換になってしまったようだ。
ミリーちゃんがキッと鋭い目線でサミュエル君を見つめた。
「ねえ、サミュエル。クラウス様に文句言ってやったの?」
サミュエル君は、ぐっと眉をしかめた。紅茶のカップを置いて俯く。
「会えてないんだ。何度か宿まで行ったんだけど会えなかった。」
「ええー?」
村の広場での婚約破棄の時の事をニコラちゃん達は凄く怒っていて、家同士の話し合いはサミュエル君のお父さんが到着してからになるらしい。
でも、家族同士の話し合いの前に一言文句を言ってやりたくてクラウスさんに会おうとしているそうだ。でも、会えていないらしい。
「そういえば、クラウスさんが帰って来ていないとかで昨日、僕達が泊まっている宿にも探しにきてたよ。」
「話し合いが嫌で逃げ回ってるんだよ。きっと!」
むすっとして、サミュエル君が口を尖らせた。
「あの広場の祭りの後、エッダ姉様が話し合いをしようって手紙を出したらしいけど、来なかったって!しかも未だに返事もないって!」
「ホント、クラウス様って酷い。エッダお姉様から破棄してしまえば良かったのに。」
サミュエル君達はクラウスさんのやった事にかなり腹を立てているからエッダさんとクラウスさんの婚約が解消される事自体には寧ろ賛成なんだって。
でも、礼儀を無視した一方的な婚約破棄をしたクラウスさんの態度が許せないらしい。
「エッダお姉様、昨日はずっとお部屋から出てこなかったの。きっと泣いてたんだわ。」
「可哀想。クリューガーのおじさまが来たらガツンって文句言って欲しい。」
「ね。」
サミュエル君達が、クラウスさんへの不満をあれこれ言っていたら、叔父様から声がかかった。
雨が小降りになったから、一旦宿に引き返そうって。
さっきの大降りの雨でオタマジャクシ魔獣がまた流れ込んできたりするかもしれないから、念の為なんだって。
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