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第7章
第357話 超撥水雨靴
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「えー?‥‥どうしようか‥‥。」
ちょっと恥ずかしくなってレインジャケットを脱ごうか迷っていたら、ラオウル君が笑った。
「似合っているし、良いじゃん。」
「‥‥そーお?」
ラオウル君とギルベルト君が頷くけど、まだ微妙な気持ちでいた。そんな時に、ラルフ君とロルフ君がロビーに到着した。
「おまたせ。あー、ソーマ君のレインジャケット良い色だね!」
「良いなー、鮮やかな色のやつ。」
ラルフ君とロルフ君は、焦げ茶で丈が長いレインコートを羽織っていた。そしてギルベルト君達の姿を見て言った。
「レインジャケット着た方が良いよ。」
「え、そんなに激しい雨じゃないのに?」
「街中じゃないからねー。多分あちこちぬかるんでて、泥はねとかするよー。」
ラルフ君とロルフ君は、以前領地内の村に雨の日に行ったときに、お気に入りの服に泥はねしてしまって染みが出来てしまったことがあるそうだ。
それを聞いて、ギルベルト君は一瞬考え込んだ後、部屋にレインジャケットを取りに戻った。ラオウル君はレインジャケットとかは持っていないと言ったら、
ラルフ君が予備のレインジャケットをラオウル君に貸し出した。
ラルフ君達とラオウル君は身長が近いから、服の貸し借りができるんだよね。
ラオウル君は最初遠慮していたんだけど、ラルフ君とロルフ君に「出先だから、服が汚れると洗濯に出すのとか面倒だよ。」と言われて借りる事にしたようだ。
ギルベルト君がグレーのレインジャケットを着て戻って来た。
全員揃ったので出発することにした。
レインジャケットを着たら傘は持ち歩かないのかと思ったら、ラルフ君、ロルフ君、ギルベルト君はしっかり傘を持ってる。
「傘も差して行くの?」
「だって、この傘使ってみたいから。」
ラルフ君達もエルスト商会の最新傘を持っているんだけど、それが所謂ワンタッチ式の傘なんだ。更に魔法付与で傘も濡れないっていうのを試してみたいんだって。
「片手が塞がるっていうけど、この傘なら武器にもなりそうじゃない?」
傘を試すのが凄く楽しみらしい。
結局、皆で傘も差して行くことになったので、ある意味「雨具お試し会」なお出かけだ。
「おお‥‥。」
宿から一歩出てみて、成る程って思った。あちこちが水たまりやらぬかるみだらけだった。
一応、宿の前の小道は小石が敷いてあるんだけど、その両脇は土がドロドロして茶色くなった水たまりだ。
「えい。」
雨靴を試してみたくて、わざと水たまりに足を踏み入れてみたら、バシャーンって水たまりの水が雨靴を避けて波になって広がった。
「うわっ‥‥。ソーマ君、こっちに水が来るよ。」
「あ、ごめん!」
雨靴自体は全然汚れていなかったんだけど、雨靴を避けた様に水たまりの外に広がって行く水は、近くに人が居ると水がかかっちゃったりして危険だってわかった。
ギルベルト君の足下に水がかかりそうになって謝った。
「大丈夫だったから良いけど‥‥。へぇ~、濡れてない。これなら水が撥ねても大丈夫なのかも。」
ギルベルト君は足下に水跳ねしていないか確認した後、レインジャケットの袖とかも全然濡れていないのを見て言った。
「裾の方から水が入ったりするかもよ。とにかく水たまりは気をつけよう。」
ラルフ君がそう言って先頭に立って歩き出した。
雨の中,村の商店街‥‥というかお店がいくつか並んでいる通りを歩いてみた。晴れた日より人通りが少ない感じがする。
地面はラルフ君達が言っていた通り、ぬかるんでいて水たまりだらけだった。
「超撥水」雨靴で、水たまりを踏んでしまうたびにザザザーと小さな波が立っていくのは面白いんだけど、その先に誰かいないか気をつけなきゃいけないから
結構気を遣う。普通の長靴の方がよかったかもしれない。
ちょっと恥ずかしくなってレインジャケットを脱ごうか迷っていたら、ラオウル君が笑った。
「似合っているし、良いじゃん。」
「‥‥そーお?」
ラオウル君とギルベルト君が頷くけど、まだ微妙な気持ちでいた。そんな時に、ラルフ君とロルフ君がロビーに到着した。
「おまたせ。あー、ソーマ君のレインジャケット良い色だね!」
「良いなー、鮮やかな色のやつ。」
ラルフ君とロルフ君は、焦げ茶で丈が長いレインコートを羽織っていた。そしてギルベルト君達の姿を見て言った。
「レインジャケット着た方が良いよ。」
「え、そんなに激しい雨じゃないのに?」
「街中じゃないからねー。多分あちこちぬかるんでて、泥はねとかするよー。」
ラルフ君とロルフ君は、以前領地内の村に雨の日に行ったときに、お気に入りの服に泥はねしてしまって染みが出来てしまったことがあるそうだ。
それを聞いて、ギルベルト君は一瞬考え込んだ後、部屋にレインジャケットを取りに戻った。ラオウル君はレインジャケットとかは持っていないと言ったら、
ラルフ君が予備のレインジャケットをラオウル君に貸し出した。
ラルフ君達とラオウル君は身長が近いから、服の貸し借りができるんだよね。
ラオウル君は最初遠慮していたんだけど、ラルフ君とロルフ君に「出先だから、服が汚れると洗濯に出すのとか面倒だよ。」と言われて借りる事にしたようだ。
ギルベルト君がグレーのレインジャケットを着て戻って来た。
全員揃ったので出発することにした。
レインジャケットを着たら傘は持ち歩かないのかと思ったら、ラルフ君、ロルフ君、ギルベルト君はしっかり傘を持ってる。
「傘も差して行くの?」
「だって、この傘使ってみたいから。」
ラルフ君達もエルスト商会の最新傘を持っているんだけど、それが所謂ワンタッチ式の傘なんだ。更に魔法付与で傘も濡れないっていうのを試してみたいんだって。
「片手が塞がるっていうけど、この傘なら武器にもなりそうじゃない?」
傘を試すのが凄く楽しみらしい。
結局、皆で傘も差して行くことになったので、ある意味「雨具お試し会」なお出かけだ。
「おお‥‥。」
宿から一歩出てみて、成る程って思った。あちこちが水たまりやらぬかるみだらけだった。
一応、宿の前の小道は小石が敷いてあるんだけど、その両脇は土がドロドロして茶色くなった水たまりだ。
「えい。」
雨靴を試してみたくて、わざと水たまりに足を踏み入れてみたら、バシャーンって水たまりの水が雨靴を避けて波になって広がった。
「うわっ‥‥。ソーマ君、こっちに水が来るよ。」
「あ、ごめん!」
雨靴自体は全然汚れていなかったんだけど、雨靴を避けた様に水たまりの外に広がって行く水は、近くに人が居ると水がかかっちゃったりして危険だってわかった。
ギルベルト君の足下に水がかかりそうになって謝った。
「大丈夫だったから良いけど‥‥。へぇ~、濡れてない。これなら水が撥ねても大丈夫なのかも。」
ギルベルト君は足下に水跳ねしていないか確認した後、レインジャケットの袖とかも全然濡れていないのを見て言った。
「裾の方から水が入ったりするかもよ。とにかく水たまりは気をつけよう。」
ラルフ君がそう言って先頭に立って歩き出した。
雨の中,村の商店街‥‥というかお店がいくつか並んでいる通りを歩いてみた。晴れた日より人通りが少ない感じがする。
地面はラルフ君達が言っていた通り、ぬかるんでいて水たまりだらけだった。
「超撥水」雨靴で、水たまりを踏んでしまうたびにザザザーと小さな波が立っていくのは面白いんだけど、その先に誰かいないか気をつけなきゃいけないから
結構気を遣う。普通の長靴の方がよかったかもしれない。
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