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第7章
第340話 撤退
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「やったか?」
ラルフ君が言った。フラグってやつ?
「ラルフ、それ言うとまた出てくるかも‥‥あっ!」
ロルフ君がラルフ君に忠告しようとした途端、レイクサーペントが動き出した。
ザザーーー!!ドン!ザパーン!
水の中に消えたと思ったレイクサーペントが、凄い勢いで顔を突き出して来たと思ったら大きな音を立ててまた水の中に落ちるように潜った。
「何だ?怖!」
ザバーン!
今度はレイクサーペントの巨大な尻尾が水面から突き出た。
と思ったらすーっと、影が湖の奥の方に向かって移動して行った。
シーンと静まり変えた湖。
先程までの光景が嘘みたいだ。
「‥‥帰って行ったのかな‥‥。」
「そうっぽいけど‥‥。」
暫く様子を見る様に湖に向かって立っていたガリオンさんとリヒャルトさんが、こちらに向かって歩いてきた。
「戻って行ったようだが‥‥。ここは危険だから当分立ち入り禁止にする。」
「ああーー。」
ガリオンさんの言葉に、ホッとしたのとがっかりした気持ちが混ざり合う。
「何で残念そうなんだ。」
「ピクニックできなくなっちゃう。」
「ピクニックは他でやれ。」
「はあい。」
ガリオンさんの話では、今までは魔魚は出る事はあったけど、レイクサーペントが出る事はなかったらしい。
湖の危険度が急に上がったようで、立ち入り禁止のお知らせをしたり柵を手配したりをこれからするんだって。
通りに戻ってくると、見ていた人もいたのかレイクサーペントの話題で持ち切りだった。
「ダンジョン探索中止だー!緊急依頼でるぞーー!」
「レイクサーペント討伐かー?」
「いや、柵作るって、通行止めの!」
酒場で飲んでいた人達も通りに飛び出して来た。どんどん騒がしくなっていく。
「邪魔になっちゃいそうだから、アタムスンに戻ろう。」
バタバタと通りを乱暴に走り抜けて行く人達に警戒しながらラオウル君が言った。
確かに、お手伝いできるわけでもないので、アタムスンに戻る事にした。
予定では、ユガーランで昼過ぎまでピクニックをした後、村をぐるりと見て回ったり、ダンジョンの入り口近くまで行ってみたりするはずだったんだけど
かなり早く引き返す事になった。
「すごかったね。何だか判らないうちに、離れたから良かったけど、あれ、近くで見たらやばかったかも。」
「今迄、レイクサーペントは出てなかったんだよね。もし一人で湖畔とか散歩してたりしたらって考えると怖いよね。」
帰りの馬車の中ではレイクサーペントの話題で持ち切りだった。
「ガリオンさん,格好良かったねー。」
「リヒャルトさんもだよ。あんな巨大魔獣に動じずに対処出来るの凄い。」
ラルフ君とロルフ君が、褒めるとリヒャルトさんがニコリと微笑んだ。
「インゴさんも格好良かったよ。ソーマ君が一瞬で運ばれてた。」
「片腕で軽々だったねー。」
御者をしてくれているインゴさんの方を見て言った。
ラルフ君が言った。フラグってやつ?
「ラルフ、それ言うとまた出てくるかも‥‥あっ!」
ロルフ君がラルフ君に忠告しようとした途端、レイクサーペントが動き出した。
ザザーーー!!ドン!ザパーン!
水の中に消えたと思ったレイクサーペントが、凄い勢いで顔を突き出して来たと思ったら大きな音を立ててまた水の中に落ちるように潜った。
「何だ?怖!」
ザバーン!
今度はレイクサーペントの巨大な尻尾が水面から突き出た。
と思ったらすーっと、影が湖の奥の方に向かって移動して行った。
シーンと静まり変えた湖。
先程までの光景が嘘みたいだ。
「‥‥帰って行ったのかな‥‥。」
「そうっぽいけど‥‥。」
暫く様子を見る様に湖に向かって立っていたガリオンさんとリヒャルトさんが、こちらに向かって歩いてきた。
「戻って行ったようだが‥‥。ここは危険だから当分立ち入り禁止にする。」
「ああーー。」
ガリオンさんの言葉に、ホッとしたのとがっかりした気持ちが混ざり合う。
「何で残念そうなんだ。」
「ピクニックできなくなっちゃう。」
「ピクニックは他でやれ。」
「はあい。」
ガリオンさんの話では、今までは魔魚は出る事はあったけど、レイクサーペントが出る事はなかったらしい。
湖の危険度が急に上がったようで、立ち入り禁止のお知らせをしたり柵を手配したりをこれからするんだって。
通りに戻ってくると、見ていた人もいたのかレイクサーペントの話題で持ち切りだった。
「ダンジョン探索中止だー!緊急依頼でるぞーー!」
「レイクサーペント討伐かー?」
「いや、柵作るって、通行止めの!」
酒場で飲んでいた人達も通りに飛び出して来た。どんどん騒がしくなっていく。
「邪魔になっちゃいそうだから、アタムスンに戻ろう。」
バタバタと通りを乱暴に走り抜けて行く人達に警戒しながらラオウル君が言った。
確かに、お手伝いできるわけでもないので、アタムスンに戻る事にした。
予定では、ユガーランで昼過ぎまでピクニックをした後、村をぐるりと見て回ったり、ダンジョンの入り口近くまで行ってみたりするはずだったんだけど
かなり早く引き返す事になった。
「すごかったね。何だか判らないうちに、離れたから良かったけど、あれ、近くで見たらやばかったかも。」
「今迄、レイクサーペントは出てなかったんだよね。もし一人で湖畔とか散歩してたりしたらって考えると怖いよね。」
帰りの馬車の中ではレイクサーペントの話題で持ち切りだった。
「ガリオンさん,格好良かったねー。」
「リヒャルトさんもだよ。あんな巨大魔獣に動じずに対処出来るの凄い。」
ラルフ君とロルフ君が、褒めるとリヒャルトさんがニコリと微笑んだ。
「インゴさんも格好良かったよ。ソーマ君が一瞬で運ばれてた。」
「片腕で軽々だったねー。」
御者をしてくれているインゴさんの方を見て言った。
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