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第7章
第329話 解体場所の相談
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ゴリラ男性が首を少し傾けて、リズベットさんを見つめた。リズベットさんはキリっと目を輝かせ力強く頷いた。
「はい!わたくしが保証いたしますわ!クラウスさまは間違いなくそのようにおっしゃいました。
レナードさまは『俺達がせっかく道案内してやっているのに、通る道を指定してくる生意気で男のガキ共ばっかりの依頼者より、儚げな美女を選ぶのは男として当然だ』とおっしゃってくださいましたの。
お二人ともわたくしを選んでくださいましたの。本当ですのよ!」
「‥‥。」
うーん。どうしよう。
これ苦情言わないと容認したことになっちゃうんじゃない? 抗議はここで言うのが良いのかな。それともギルドに言いに行くのが正解なの?
「‥‥そうか。それは悪意をもって護衛依頼を破棄した疑いがあるなぁ。残念ながら。」
僕がそんな事を考えていたら、ゴリラ男性が急に低い渋い声になって言った。
「え?悪意など!‥‥」
反論しかけたリズベットさんの言葉を掌を前にだして遮り、クラウスさんに顔を向けた。
「君に対しては悪意がなくても、前の護衛依頼の依頼主に対しては悪意が合ったと判断せざるを得ないよ。『冒険者ギルドとして』は悪意により護衛任務を放棄したとして、調査をすすめることにするよ。追って連絡が行くからな。」
「ぼ、冒険者ギルドの方‥‥、なんですか?」
クラウスさんが目を見開いた。イーサンさんも驚いた顔をしてゴリラ男性を見ている。
「ああ。この村の冒険者ギルドの規模を大きくする予定でな。俺が呼ばれたわけだ。
俺は、エヴァンス・ガリオン。ギルドマスターになる予定だ。」
ゴリラ男性、エヴァンス・ガリオンさんがニィーっと笑った。
「ギ、ギルドマスター?」
「‥‥お、俺達何か罰せられる‥‥んですか?」
クラウスさんもイーサンさんも青ざめている。
エヴァンス・ガリオンさんって名前、なんだか宇宙からきた怪獣みたいな名前だね。口には出さないけど。
あれ?
「次期ギルドマスターなら、冒険者ギルドのところで解体すればよいんじゃないの?」
つい疑問に思って聞いてしまった。
ガリオンさんが、鋭い目を僕の方に向けた。そして眉を下げてちょっとおどけた顔になった。
「今のギルドは出張窓口で、専用の建物でもないからな。こんなでかい魔獣を解体する場所はないって職員に怒られちまった。」
「ああ‥‥。」
職員の女性に怒られている姿がなんだか目に浮かぶ。一応解体用の場所自体はあるけど,角狼程度の大きさの魔獣用らしい。
「なあ、この村の子か? 解体できそうな場所を知らないか?」
ガリオンさんが大きな身体をグググっと屈めて、僕の顔を覗き込むようにした。すぅっと、リヒャルトさんとインゴさんが僕の前に割って入って来た。
「角狼しか出ない場所ですよ。誰も知らないと思います。」
「うん?君は冒険者か?」
「登録はしていますよ。」
今度はガリオンさんとリヒャルトさんがメンチ切っている。
うーん。
水辺って言ったら、さっき足湯をしていた水路のあたりとか結構広い場所あったよね。
温水でホカホカしていると解体に向かないかもしれないけど、あの場所はエルスト商会の所有になっていたから頼めば使わせてくれるような気がする。
「はい!わたくしが保証いたしますわ!クラウスさまは間違いなくそのようにおっしゃいました。
レナードさまは『俺達がせっかく道案内してやっているのに、通る道を指定してくる生意気で男のガキ共ばっかりの依頼者より、儚げな美女を選ぶのは男として当然だ』とおっしゃってくださいましたの。
お二人ともわたくしを選んでくださいましたの。本当ですのよ!」
「‥‥。」
うーん。どうしよう。
これ苦情言わないと容認したことになっちゃうんじゃない? 抗議はここで言うのが良いのかな。それともギルドに言いに行くのが正解なの?
「‥‥そうか。それは悪意をもって護衛依頼を破棄した疑いがあるなぁ。残念ながら。」
僕がそんな事を考えていたら、ゴリラ男性が急に低い渋い声になって言った。
「え?悪意など!‥‥」
反論しかけたリズベットさんの言葉を掌を前にだして遮り、クラウスさんに顔を向けた。
「君に対しては悪意がなくても、前の護衛依頼の依頼主に対しては悪意が合ったと判断せざるを得ないよ。『冒険者ギルドとして』は悪意により護衛任務を放棄したとして、調査をすすめることにするよ。追って連絡が行くからな。」
「ぼ、冒険者ギルドの方‥‥、なんですか?」
クラウスさんが目を見開いた。イーサンさんも驚いた顔をしてゴリラ男性を見ている。
「ああ。この村の冒険者ギルドの規模を大きくする予定でな。俺が呼ばれたわけだ。
俺は、エヴァンス・ガリオン。ギルドマスターになる予定だ。」
ゴリラ男性、エヴァンス・ガリオンさんがニィーっと笑った。
「ギ、ギルドマスター?」
「‥‥お、俺達何か罰せられる‥‥んですか?」
クラウスさんもイーサンさんも青ざめている。
エヴァンス・ガリオンさんって名前、なんだか宇宙からきた怪獣みたいな名前だね。口には出さないけど。
あれ?
「次期ギルドマスターなら、冒険者ギルドのところで解体すればよいんじゃないの?」
つい疑問に思って聞いてしまった。
ガリオンさんが、鋭い目を僕の方に向けた。そして眉を下げてちょっとおどけた顔になった。
「今のギルドは出張窓口で、専用の建物でもないからな。こんなでかい魔獣を解体する場所はないって職員に怒られちまった。」
「ああ‥‥。」
職員の女性に怒られている姿がなんだか目に浮かぶ。一応解体用の場所自体はあるけど,角狼程度の大きさの魔獣用らしい。
「なあ、この村の子か? 解体できそうな場所を知らないか?」
ガリオンさんが大きな身体をグググっと屈めて、僕の顔を覗き込むようにした。すぅっと、リヒャルトさんとインゴさんが僕の前に割って入って来た。
「角狼しか出ない場所ですよ。誰も知らないと思います。」
「うん?君は冒険者か?」
「登録はしていますよ。」
今度はガリオンさんとリヒャルトさんがメンチ切っている。
うーん。
水辺って言ったら、さっき足湯をしていた水路のあたりとか結構広い場所あったよね。
温水でホカホカしていると解体に向かないかもしれないけど、あの場所はエルスト商会の所有になっていたから頼めば使わせてくれるような気がする。
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