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第6章
第300話 来客?
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手帳君で父様の名前を選択して、コールしてみた。
繋がったと思ったら、イヤーカフから騒がしい声が聞こえて来た。
『どうかお願いしますわ!わたくしの可愛い息子を捜してくださいませ!』
『ケン様は!ケン様は娘の婚約者ですの!』
『ズーデンの令嬢なんて国に入れたのは領主の責任ではなくて!』
『ベルティーナ!辺境伯様になんてことを!』
『でも!お母様!あのズーデンの令嬢がケン様を誑かしたに決まってるのよ!』
キンキンと頭に響くような声に思わずイヤーカフを耳から外してしまった。
手帳君のメッセージ欄に父様から書き込みがあった。
『今、来客中だから後でお話ししよう。』
来客中って‥‥。来客中なんだろうけど、修羅場みたいになってない?
父様の位置情報を確認したら来客室に居た。来客室はテレビ通話ができるように撮影の魔道具が置いてあったよね。
来客室の映像を壁に映し出してみた。
凄く細い婦人とかなりふくよかなご婦人がいる。それと子爵令嬢姉。あれ、子爵令嬢妹も居たんだ。子爵令嬢妹だけ長椅子の隅に座ってじっとしていて
他の三人は立ち上がって、父様の前に居た。ご婦人達は何やら言いながら父様に詰め寄ろうとしているけど、父様の傍に騎士が二人いて、ご婦人達がそれ以上父様に近付かない様にしているみたいだ。
ご婦人達はもしかしてケン様を探していて、父様に相談に来たってことかな。
「ケン様居場所わかったよー。」
とりあえず、父様へメッセージを送ってみた。
映像に映っている父様が手帳君に目を落とした。それから顔を上げて特に表情も変えることなく周囲に指示を出していた。
まだ興奮している様子のご婦人達を執事と騎士達が部屋の外に案内していった。
『ケン様の居場所とは、ケント・エルスラントの居場所がわかったということかい?』
ご婦人達が部屋から退出した後に父様が手帳君に書き込んで来た。
僕も返事を書く。
「そうだよー。今ちょっと大変な状態だよー。」
そう書き込んだ後、近くで何か音がするなと思ったら、はずしていたイヤーカフにコールが来ていた。
慌ててイヤーカフを耳に近づけて、父様に僕が見た事を伝えた。
話をしていたら父様が僕の部屋に来るというので、僕はプティを抱えてストレージルームを出た。
「それじゃあ、ケント・エルスラントは、ケニーと間違えられて誘拐されたということか?」
「そうみたい。ぜんっぜん兄様に似てないのにね。」
「年齢は同じくらいだからな。それで具体的な場所はわかるかい?」
父様に訊かれて僕はマップを取り出した。
ケン様にくっつけてある偵察君の場所をマップで表示する。それとダンジョン鉄道の出入り口の場所も表示した。
繋がったと思ったら、イヤーカフから騒がしい声が聞こえて来た。
『どうかお願いしますわ!わたくしの可愛い息子を捜してくださいませ!』
『ケン様は!ケン様は娘の婚約者ですの!』
『ズーデンの令嬢なんて国に入れたのは領主の責任ではなくて!』
『ベルティーナ!辺境伯様になんてことを!』
『でも!お母様!あのズーデンの令嬢がケン様を誑かしたに決まってるのよ!』
キンキンと頭に響くような声に思わずイヤーカフを耳から外してしまった。
手帳君のメッセージ欄に父様から書き込みがあった。
『今、来客中だから後でお話ししよう。』
来客中って‥‥。来客中なんだろうけど、修羅場みたいになってない?
父様の位置情報を確認したら来客室に居た。来客室はテレビ通話ができるように撮影の魔道具が置いてあったよね。
来客室の映像を壁に映し出してみた。
凄く細い婦人とかなりふくよかなご婦人がいる。それと子爵令嬢姉。あれ、子爵令嬢妹も居たんだ。子爵令嬢妹だけ長椅子の隅に座ってじっとしていて
他の三人は立ち上がって、父様の前に居た。ご婦人達は何やら言いながら父様に詰め寄ろうとしているけど、父様の傍に騎士が二人いて、ご婦人達がそれ以上父様に近付かない様にしているみたいだ。
ご婦人達はもしかしてケン様を探していて、父様に相談に来たってことかな。
「ケン様居場所わかったよー。」
とりあえず、父様へメッセージを送ってみた。
映像に映っている父様が手帳君に目を落とした。それから顔を上げて特に表情も変えることなく周囲に指示を出していた。
まだ興奮している様子のご婦人達を執事と騎士達が部屋の外に案内していった。
『ケン様の居場所とは、ケント・エルスラントの居場所がわかったということかい?』
ご婦人達が部屋から退出した後に父様が手帳君に書き込んで来た。
僕も返事を書く。
「そうだよー。今ちょっと大変な状態だよー。」
そう書き込んだ後、近くで何か音がするなと思ったら、はずしていたイヤーカフにコールが来ていた。
慌ててイヤーカフを耳に近づけて、父様に僕が見た事を伝えた。
話をしていたら父様が僕の部屋に来るというので、僕はプティを抱えてストレージルームを出た。
「それじゃあ、ケント・エルスラントは、ケニーと間違えられて誘拐されたということか?」
「そうみたい。ぜんっぜん兄様に似てないのにね。」
「年齢は同じくらいだからな。それで具体的な場所はわかるかい?」
父様に訊かれて僕はマップを取り出した。
ケン様にくっつけてある偵察君の場所をマップで表示する。それとダンジョン鉄道の出入り口の場所も表示した。
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