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第6章

第298話 ダンジョン鉄道工事計画

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赤白令嬢がケン様に近付いたと思ったらケン様の胸ぐらを掴んだ。

『で?エルスラントって何?伯爵家?』
『し‥‥子爵家だけど‥‥。』
『はぁ~。』

赤白令嬢がケン様の胸ぐらを掴んでいた手をグンと押して突き飛ばすようにした。
ケン様が椅子ごと倒れた。

『痛! ル、ルイーサ、何をするんだい?』
『子爵令息じゃ身代金も大してとれないじゃない!辺境伯令息でないあんたなんかに、もう用はないのよ!』

赤白令嬢が、隅に置かれていた革袋のところまで行って、革袋から何かを取り出した。短剣みたいだ。

『ル・ルイーサ?』

なんだか危なそうなので、偵察君をケン様の右肩に貼付けた。偵察君は物理耐性があるからね。

赤白令嬢が短剣を振り下ろして来た。コーン!と少し鈍い音がしてケン様の周囲で短剣が弾かれた。
よし!物理耐性が効いたみたいだ。

『な、なんですの?』
『ル・ルイーサ、一体何を?』

赤白令嬢は振り下ろした短剣が弾かれて驚いた表情をしている。ケン様は何が起きているか分かっていない様子だ。

ケン様、今自分に短剣を振り下ろされたの見てたよね?なんでキョトンとしてるんだろう。
ちょっとぼんやりさん過ぎない?

とりあえず物理耐性の効果が効いていれば暫く大丈夫かな。
さて、どうしようと思っていたら、ダンジョンマスター達から声がかかった。

(マスター!そっちにも鉄道作るコン?)
(レール作るぞぅ~)
(任せるキュル)

ダンジョン鉄道のルートに、ケン様達が居る山の中は入っていなかったんだけど、僕が山の方に注目していたのが伝わったみたいで
そっちまで鉄道を延ばそうかと提案された。
うーん。鉄道を延ばしたら、誰かにケン様を助けに行ってもらえるかな。でも山の中にいるとかどうやって知らせたら良いんだろうか。

とりあえず、ダンジョン鉄道のルートだけは作っておこう。
僕は地面の中に伸びる根っこのようにダンジョン鉄道のルートを山の方に向かって延びて行った。

マップで見ると、隣国との国境がある側の郊外にはダンジョン鉄道を広げていなかった。領都からすーっと真直ぐに山の中に向かってのダンジョン鉄道の線が延びて行く。
後で落ち着いたらもっと細かくルートを延ばしておきたいな。

山の中の洞窟近くまでダンジョン鉄道用の通路を延ばすと、すぐにレールが準備されていった。

(マスター、出口どうするコン?)
「ちょっと待ってねー、考えるから。」

僕は返事をしてから、マップを拡大してみた。
ケン様がいる洞窟の位置、そこの付近に浮遊している偵察君の位置。小ウィンドウを表示して偵察君に映し出される映像を表示してみたら
大きな岩があるのを見つけた。その裏手当たりが目立たなくてよさそう。
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