自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第6章

第295話 偵察

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無事解決して良かったけど、結局ケン様を探せとか、馬車に乗った赤白令嬢とかなんだったんだろう。
ちょっと偵察君を出動させてみようかな。
偵察君は領都ではあまり発動させていなかったんだよね。
電波塔と中継の魔道具でどこでも通信ができる程度にはしておいたんだけど、行方不明とかあるなら撮影機能がついている偵察君をもっと飛ばしておいた方がよかったのかもしれない。
でも、領都は自分で歩いて見て回るのが楽しいからなぁ。

とりあえず、冒険者ギルド周辺に偵察君を派遣してみよう。あ、テッサ達が居たらしい山の中にも飛ばしてみようか。
ストレージルームの中からだったら指示を出したらすぐに偵察君が飛んで行ってくれる。
すぐにストレージルームの壁に映像が映し出された。いきなり言い争うように話す二人の令嬢の姿があった。

『嘘よ!ケン様はあのズーデンの令嬢と一緒に居たなんて!』
『嘘じゃないわ!あの赤白のコートは見間違えないし、ケン様はきっとあの令嬢と二人で出かけたのよ!』
『でもケン様の事は見ていないんですわね?』
『見てないけど!きっと馬車の中に居たんだと思いますわ!』
『見てないのに勝手な憶測を言わないで!ちゃんとはっきりしたケン様の居場所を調べなさい!』

ケン様はまだ帰って来ていないのかな。
子爵令嬢姉妹が居る場所は、冒険者ギルドの近くの路上だった。子爵令嬢妹は既に転んで汚れたというドレスは着替えていたようだ。
まあ、そうだよね、一晩経ってたし。
歩いている方向からすると冒険者ギルドで事情を聞かれた後に帰宅しているところなんだろうか。

クリフォードさんはテッサが帰って来ないってかなり心配していたのに、子爵令嬢妹の事は姉は心配してなかったみたいだった。
ケン様が居ない事が気になってそっちに気が回らなかったのかもしれないけど、気にしてあげても良いのにね。
結果的にテッサの捜索で見つかったから良かったけど、プティの気まぐれサービスがなかったら魔獣に襲われていたかもしれないのに。なんだかなあと思ってしまう。

子爵令嬢妹の方は気にしていないみたいだけどさ。

しばらくして、1台の馬車が二人の近くに停まり、二人の令嬢が馬車に乗って行った。御者一人で他に使用人は同行していなさそうだ。
ケン様を探したいけど捜索依頼を出すお金がないとか言っていたよね。使用人に探してもらうっていうのも出来ないのかもしれないな。。

山の中に派遣した偵察君はどうだろう。
ストレージルームの壁に様子を映し出してみたけど、ちょっと薄暗い山の中だね。4カ所くらい表示しているけど、魔獣の姿が時々チラチラと見える。

少し偵察君の派遣範囲を広げてみたら人影が映った。
洞窟みたいな所の前に二人の人物が立っている。
洞窟の中から一人、のさっとした感じで歩きでてきた。

『どうだった?お坊ちゃんは。』
『朝食を寄越せとさ。』
『はあ?さっき出してやったんだろ?』
『固い石のようなパンなど朝食ではない、だと』
『はあ、これだから貴族のお坊ちゃんは』

洞窟の中に貴族のお坊ちゃん?
怪しそう!
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