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第6章
第294話 謝罪とお礼
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『それで、その馬車を追いかけて行ったんだな。』
『私は追いかけてないわよ。馬車を追いかけてた子を追いかけていただけよ。』
『そうか。‥‥で、彼女は馬車を追って山の中まで入ったのか?』
『途中で見失ってたみたい。山の中に入ったに違いないって言ってた。なのに山の中に入るから、私まで迷っちゃったじゃない!」
『テッサまで山の中に入ることはなかっただろう?』
『だってストラップが!』
結局テッサ達は、山の中に入ってしばらくして道に迷ってしまったらしい。
子爵令嬢妹は、転んでドレスが汚れて馬車を追う気持ちが折れたらしく泣き出した所で、テッサはストラップを回収したそうだ。
でもその頃にはテッサも帰り道が分からなくなってしまったんだって。
『あの子の家、お金がなくて靴が買えないから、ストラップで敏捷性をアップさせて魔獣を討伐するつもりだったんですって。
意味わかんない。結局靴どころかドレスまで台無しにしちゃったみたいだし。お金がない癖にめちゃくちゃ偉そうだし。』
『テッサ、プライドだけが高い貴族というものはいるんだよ。多分うちと同じで魔獣溢れで財を失ったんだろうね。』
『それなら真面目に冒険者をやって稼ぐとかすればいいのよ!私達みたいに!』
『そうだね。‥‥でもね、僕たちだって装備が立派すぎるとか言われただろう?売ってお金にすれば良いって言われたこともある。』
『これは!お父様がずっと前からレッドリザードの革を用意してくれていたからじゃない!それを売るなんてできないもん!』
『傍からみたら僕たちも拘ってるみたいに見えるかもってことさ。』
クリフォードさんがテッサを諭している。
確かに赤い革鎧は目立つよね。一目で貴族の子息子女だろうなって思うし。
目立って目を付けられちゃうことこもあるかもしれないけど、逆に子供だけど貴族だろうからって絡まれたりしない効果もあるみたいだ。
それに、捜索の時は赤い革鎧は目印になって見つけやすかったかもしれないよね。
『結局のところ、エルシャ・ルフラン子爵令嬢にされたことは、そのストラップチャームを奪われたってことだけのようだが、本当に抗議をするのか?』
ロトヴィックさんが渋い声で言っている。
『ええ、結果的にそれでテッサ達が危険な目にあったんです。しっかり抗議するつもりです。今後の牽制の意味もありますからね。』
クリフォードさんがきっぱりした声で答えていた。
確かに大騒ぎの元になったんだもんね。
『そうか、ではそのように報告はしておく。だが、追いかけずにすぐに戻って訴え出るという方法だってあったはずだ。
今回魔獣に襲われなかったのは、ほぼ奇跡に近いんだぞ。腕や足を失ってから抗議をしたって遅いってことも理解してほしい。』
『それは‥‥。そうですね。僕もテッサ達と別行動をする時によく注意をしておくべきでした。後でしっかり言い聞かせておきます。テッサもギルドの人達に迷惑をかけたんだから
謝りなさい。あとお礼もね。』
『はぁい‥‥。ご迷惑をかけてごめんなさい。助けてくれてありがとうございました!』
クリフォードさんに促されてテッサが、謝罪とお礼を言っていた。
でも、無事見つかって本当に良かったね!
『私は追いかけてないわよ。馬車を追いかけてた子を追いかけていただけよ。』
『そうか。‥‥で、彼女は馬車を追って山の中まで入ったのか?』
『途中で見失ってたみたい。山の中に入ったに違いないって言ってた。なのに山の中に入るから、私まで迷っちゃったじゃない!」
『テッサまで山の中に入ることはなかっただろう?』
『だってストラップが!』
結局テッサ達は、山の中に入ってしばらくして道に迷ってしまったらしい。
子爵令嬢妹は、転んでドレスが汚れて馬車を追う気持ちが折れたらしく泣き出した所で、テッサはストラップを回収したそうだ。
でもその頃にはテッサも帰り道が分からなくなってしまったんだって。
『あの子の家、お金がなくて靴が買えないから、ストラップで敏捷性をアップさせて魔獣を討伐するつもりだったんですって。
意味わかんない。結局靴どころかドレスまで台無しにしちゃったみたいだし。お金がない癖にめちゃくちゃ偉そうだし。』
『テッサ、プライドだけが高い貴族というものはいるんだよ。多分うちと同じで魔獣溢れで財を失ったんだろうね。』
『それなら真面目に冒険者をやって稼ぐとかすればいいのよ!私達みたいに!』
『そうだね。‥‥でもね、僕たちだって装備が立派すぎるとか言われただろう?売ってお金にすれば良いって言われたこともある。』
『これは!お父様がずっと前からレッドリザードの革を用意してくれていたからじゃない!それを売るなんてできないもん!』
『傍からみたら僕たちも拘ってるみたいに見えるかもってことさ。』
クリフォードさんがテッサを諭している。
確かに赤い革鎧は目立つよね。一目で貴族の子息子女だろうなって思うし。
目立って目を付けられちゃうことこもあるかもしれないけど、逆に子供だけど貴族だろうからって絡まれたりしない効果もあるみたいだ。
それに、捜索の時は赤い革鎧は目印になって見つけやすかったかもしれないよね。
『結局のところ、エルシャ・ルフラン子爵令嬢にされたことは、そのストラップチャームを奪われたってことだけのようだが、本当に抗議をするのか?』
ロトヴィックさんが渋い声で言っている。
『ええ、結果的にそれでテッサ達が危険な目にあったんです。しっかり抗議するつもりです。今後の牽制の意味もありますからね。』
クリフォードさんがきっぱりした声で答えていた。
確かに大騒ぎの元になったんだもんね。
『そうか、ではそのように報告はしておく。だが、追いかけずにすぐに戻って訴え出るという方法だってあったはずだ。
今回魔獣に襲われなかったのは、ほぼ奇跡に近いんだぞ。腕や足を失ってから抗議をしたって遅いってことも理解してほしい。』
『それは‥‥。そうですね。僕もテッサ達と別行動をする時によく注意をしておくべきでした。後でしっかり言い聞かせておきます。テッサもギルドの人達に迷惑をかけたんだから
謝りなさい。あとお礼もね。』
『はぁい‥‥。ご迷惑をかけてごめんなさい。助けてくれてありがとうございました!』
クリフォードさんに促されてテッサが、謝罪とお礼を言っていた。
でも、無事見つかって本当に良かったね!
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