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第6章
第289話 新たな事件?
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その後、僕は捜索していた冒険者達がテッサをギルドに連れてくる前に屋敷に戻って来た。
テッサが戻ってくるまでギルドに居たかったんだけど、もう夜遅くなってきたからダメだって!
えー!?って思ったけど、それ以上遅くなりすぎると母様に怒られそうな気がしたので素直に戻って来たんだ。
一応無事なのは聞いたしね。
途中で切り上げて返って来たのに、母様には「帰りが遅い」って注意されちゃった。
テッサが行方不明だったんだよって言ったんだけど、「そういうのは大人に任せなさい」だって。ちゃんと任せたのにねー。
叔父様は僕を送り届けてくれた後に、帰りにもう一度ギルドに寄って様子を見て来てくれるって言っていた。
部屋に戻ったらプティが僕の姿を見つけてタタタタと駆けて来た。
「にゃーん。」
(おかえりにゃ)
「プティ、ただいま。」
(遅いにゃ。夜更かしになるにゃ)
「そんな遅い時間だっけ。
」
プティを抱っこするとグルグル喉を鳴らした。
時計を見ると、まあまあ遅めの時間。これは母様に注意されちゃうかぁ‥‥。
プティと一緒にソファーに腰を下ろして、地図を開いてみた。
地図上の青い丸は一カ所にまとまっていた。
「あ、テッサが戻って来たのかな。」
ほっと胸を撫で下ろした。
少しして、叔父様から手帳君のメッセージで連絡があった。
ギルドに様子を見にいった結果を教えてくれた。
捜索隊の冒険者達は、子爵令嬢妹も連れ帰って来たらしい。二人とも無事だって。
「ああ、良かった。」
ホッと胸を撫で下ろしてから、「ね」とプティの頭を撫でると、プティが僕の手に頭をぐいぐい押し付けてきた。
「にゃーん」
(大丈夫だったにゃら、もう寝るニャ。寝不足になるにゃ。)
「はあい‥‥。」
ちょっと安心したら眠くなって来ちゃったので素直に寝る事にした。でも寝る直前になって、また地図を広げたり気になって魔道具を動作させたりしていたら、プティに注意されてしまった。
翌朝、朝食の為に食事室に行ったら、叔父様も来ていた。
「叔父様、おはよう!」
「おはよう、ソーマ。よく眠れたかい?」
「うん!」
「それは良かった!」
叔父様とは和やかにハグをした。でも、なんだろう食事室全体がちょっといつもと違う雰囲気だ。
ちょっと緊張感があるんだよね。
父様が来たら更にピリピリした空気になった。父様が何か指示をだしていると思ったら白い壁に兄様の姿が浮かび上がった。
「あ、兄様!」
『やあ、ソーマ。おはよう。』
兄様とテレビ会議で繋がった状態だ。一緒に朝ご飯を食べるのかな?
そう思ったけど映像の中の兄様もなんだか落ち着かないような雰囲気だ。どうしたんだろうと見ていたら、兄様がちょっと困ったような顔をして笑った。
『なんだか、変な事になって‥‥。』
「変な事?」
『うん。僕は見た通り、王都の屋敷に居るんだよ。見たまんまだよね。』
兄様が両手を広げ、周囲を見回しながら言う。兄様の背後に映っている壁の絵は見覚えがある。ちらりと映り込んだメイドさんも知ってる顔だ。
「うん。王都だよね。」
『そうだろう?僕は王都にいるし、いつもの通りこれから朝食を摂るところだよ。』
「うん。‥‥?」
何で当たり前の事を言うのか良くわからない。父様や叔父様に顔を向けると、叔父様がポンポンと僕の頭を撫でた。
「今朝、妙な手紙が届いてね。その話をする前に先にケニーと話をしたかったんだよ。」
「どういうこと?‥‥手紙?」
僕が首を傾げると、難しい顔をしていた父様が口を開いた。
「今朝、届いた手紙にはね。ケニーを誘拐したって書いてあったんだよ。」
「ええ!?」
僕は、ビックリして兄様の映っている映像に視線を戻した。兄様が苦笑した。
『ね、変な事になってるでしょ。』
兄様、ちゃんと王都の屋敷にいる、よね?
一体どういうこと?
テッサが戻ってくるまでギルドに居たかったんだけど、もう夜遅くなってきたからダメだって!
えー!?って思ったけど、それ以上遅くなりすぎると母様に怒られそうな気がしたので素直に戻って来たんだ。
一応無事なのは聞いたしね。
途中で切り上げて返って来たのに、母様には「帰りが遅い」って注意されちゃった。
テッサが行方不明だったんだよって言ったんだけど、「そういうのは大人に任せなさい」だって。ちゃんと任せたのにねー。
叔父様は僕を送り届けてくれた後に、帰りにもう一度ギルドに寄って様子を見て来てくれるって言っていた。
部屋に戻ったらプティが僕の姿を見つけてタタタタと駆けて来た。
「にゃーん。」
(おかえりにゃ)
「プティ、ただいま。」
(遅いにゃ。夜更かしになるにゃ)
「そんな遅い時間だっけ。
」
プティを抱っこするとグルグル喉を鳴らした。
時計を見ると、まあまあ遅めの時間。これは母様に注意されちゃうかぁ‥‥。
プティと一緒にソファーに腰を下ろして、地図を開いてみた。
地図上の青い丸は一カ所にまとまっていた。
「あ、テッサが戻って来たのかな。」
ほっと胸を撫で下ろした。
少しして、叔父様から手帳君のメッセージで連絡があった。
ギルドに様子を見にいった結果を教えてくれた。
捜索隊の冒険者達は、子爵令嬢妹も連れ帰って来たらしい。二人とも無事だって。
「ああ、良かった。」
ホッと胸を撫で下ろしてから、「ね」とプティの頭を撫でると、プティが僕の手に頭をぐいぐい押し付けてきた。
「にゃーん」
(大丈夫だったにゃら、もう寝るニャ。寝不足になるにゃ。)
「はあい‥‥。」
ちょっと安心したら眠くなって来ちゃったので素直に寝る事にした。でも寝る直前になって、また地図を広げたり気になって魔道具を動作させたりしていたら、プティに注意されてしまった。
翌朝、朝食の為に食事室に行ったら、叔父様も来ていた。
「叔父様、おはよう!」
「おはよう、ソーマ。よく眠れたかい?」
「うん!」
「それは良かった!」
叔父様とは和やかにハグをした。でも、なんだろう食事室全体がちょっといつもと違う雰囲気だ。
ちょっと緊張感があるんだよね。
父様が来たら更にピリピリした空気になった。父様が何か指示をだしていると思ったら白い壁に兄様の姿が浮かび上がった。
「あ、兄様!」
『やあ、ソーマ。おはよう。』
兄様とテレビ会議で繋がった状態だ。一緒に朝ご飯を食べるのかな?
そう思ったけど映像の中の兄様もなんだか落ち着かないような雰囲気だ。どうしたんだろうと見ていたら、兄様がちょっと困ったような顔をして笑った。
『なんだか、変な事になって‥‥。』
「変な事?」
『うん。僕は見た通り、王都の屋敷に居るんだよ。見たまんまだよね。』
兄様が両手を広げ、周囲を見回しながら言う。兄様の背後に映っている壁の絵は見覚えがある。ちらりと映り込んだメイドさんも知ってる顔だ。
「うん。王都だよね。」
『そうだろう?僕は王都にいるし、いつもの通りこれから朝食を摂るところだよ。』
「うん。‥‥?」
何で当たり前の事を言うのか良くわからない。父様や叔父様に顔を向けると、叔父様がポンポンと僕の頭を撫でた。
「今朝、妙な手紙が届いてね。その話をする前に先にケニーと話をしたかったんだよ。」
「どういうこと?‥‥手紙?」
僕が首を傾げると、難しい顔をしていた父様が口を開いた。
「今朝、届いた手紙にはね。ケニーを誘拐したって書いてあったんだよ。」
「ええ!?」
僕は、ビックリして兄様の映っている映像に視線を戻した。兄様が苦笑した。
『ね、変な事になってるでしょ。』
兄様、ちゃんと王都の屋敷にいる、よね?
一体どういうこと?
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