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第6章
第273話 スライム封蝋
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番号札を貰いにいったクリフォードさん達を格好いいなと思いながら見送った。
「さて」と講習会のスケジュールが書かれた掲示板を見上げた。先にスケジュールをチェックしていたらしいギルベルト君がちょっと困った様子で言った。
「ねえ、今見習いで受けられるのが『地図の見方』か『初級文字』しか残ってないよ。」
「じゃあ『地図』にしようか。」
僕がそう言うとラオウル君が「え?」と意外そうな声をあげた。
「ソーマ、地図見られるだろ。受ける必要ある?」
「知らない地図記号とか何か覚えられるかもしれないじゃない? それに『初級文字』は、文字読めたら受けに行かない方がよさそうだし。」
「何か受けるのが前提なの?」
「だって、皆と講習会に出るの楽しいんだもん。」
ちょっと学校みたいな感じがいいよね、と思って言ったら、ギルベルト君がフフフと笑った。
「それって多分、ギルドの講習会の目的とだいぶ違いそうだけど‥‥。まあ楽しいよね。」
「ね。」
ギルベルト君と微笑み合うとラオウル君も「俺も楽しいよ」と言ってくれた。ラオウル君は心配して一緒に受講してくれている思うけど、少しでも楽しいって思ってくれているなら良かったなぁ。
結局全員で『地図の見方』という講習会を申し込んでみる事にした。
でも、『地図の見方』講習会がおわっちゃったら、次に受けられる講習会がなくなっちゃうんだよね。
どうしようかな。
そうだ!もっと見習い冒険者が受けられる講習会増やしてくださいってお願いしようかな。
講習会の申し込みの為に窓口の所で番号札をもらって番号を呼ばれるまでベンチで待機。待っている間にお手紙を書いておこう。
内容は、見習い冒険者用の講習会を増やしてくださいっていうお願いだ。
それと受講可能なレベルが「初級」になっているもので見習い冒険者は見学だけさせてくれないかなという提案だ。
解体とか、実際にやってみなくても見学出来たら勉強になるよね!
お手紙を書いて封筒に入れて封蝋で閉じる。封蝋って言っても本当の蝋じゃなくて、魔力が含有されているスライム液が主成分だ。
それを固めてコイン状にしたものを、封をしたい所に置いて、上から指を置いて魔力を流すんだ。ストレージ錬金ボックスに色々素材を放り込んでいたら出来上がった物なんだよ。
コイン状のスライム液に魔力を流すとあらかじめコインに埋め込んでいた魔法陣が発動するんだ。
封筒には防護魔法がかかって、宛先の相手以外では開封できなくなるんだ。
それと、配達中の現在地がわかるようになってる。どこまで届いたかなって確認できるんだよ。届いているか心配な時に便利だよね。それに配達中に誰かが持って行っちゃった時にも追跡出来ると思う。
どこかに持って行かれた場合、どんな状況かわかるように周辺への感知機能もつけてあるよ。
スライム封蝋に魔力を流すと、じゅわっとスライム液が溶けて封筒に張り付いて行く。うん,良い感じ。
「ソーマ君それなに?」
ギルベルト君が僕の手元の封筒に気付いてじっと見つめてきた。
「お手紙だよ。ロトヴィックさんに送るんだ。」
「ギルマスに?」
「講習会を増やして欲しいって。」
「なるほど。お願いしたら増やしてくれるかもね。」
「うん。」
ロトヴィックさん、ちゃんと読んでくれるといいな、と思いながら番号を呼ばれた窓口に向かって歩いていった。
「さて」と講習会のスケジュールが書かれた掲示板を見上げた。先にスケジュールをチェックしていたらしいギルベルト君がちょっと困った様子で言った。
「ねえ、今見習いで受けられるのが『地図の見方』か『初級文字』しか残ってないよ。」
「じゃあ『地図』にしようか。」
僕がそう言うとラオウル君が「え?」と意外そうな声をあげた。
「ソーマ、地図見られるだろ。受ける必要ある?」
「知らない地図記号とか何か覚えられるかもしれないじゃない? それに『初級文字』は、文字読めたら受けに行かない方がよさそうだし。」
「何か受けるのが前提なの?」
「だって、皆と講習会に出るの楽しいんだもん。」
ちょっと学校みたいな感じがいいよね、と思って言ったら、ギルベルト君がフフフと笑った。
「それって多分、ギルドの講習会の目的とだいぶ違いそうだけど‥‥。まあ楽しいよね。」
「ね。」
ギルベルト君と微笑み合うとラオウル君も「俺も楽しいよ」と言ってくれた。ラオウル君は心配して一緒に受講してくれている思うけど、少しでも楽しいって思ってくれているなら良かったなぁ。
結局全員で『地図の見方』という講習会を申し込んでみる事にした。
でも、『地図の見方』講習会がおわっちゃったら、次に受けられる講習会がなくなっちゃうんだよね。
どうしようかな。
そうだ!もっと見習い冒険者が受けられる講習会増やしてくださいってお願いしようかな。
講習会の申し込みの為に窓口の所で番号札をもらって番号を呼ばれるまでベンチで待機。待っている間にお手紙を書いておこう。
内容は、見習い冒険者用の講習会を増やしてくださいっていうお願いだ。
それと受講可能なレベルが「初級」になっているもので見習い冒険者は見学だけさせてくれないかなという提案だ。
解体とか、実際にやってみなくても見学出来たら勉強になるよね!
お手紙を書いて封筒に入れて封蝋で閉じる。封蝋って言っても本当の蝋じゃなくて、魔力が含有されているスライム液が主成分だ。
それを固めてコイン状にしたものを、封をしたい所に置いて、上から指を置いて魔力を流すんだ。ストレージ錬金ボックスに色々素材を放り込んでいたら出来上がった物なんだよ。
コイン状のスライム液に魔力を流すとあらかじめコインに埋め込んでいた魔法陣が発動するんだ。
封筒には防護魔法がかかって、宛先の相手以外では開封できなくなるんだ。
それと、配達中の現在地がわかるようになってる。どこまで届いたかなって確認できるんだよ。届いているか心配な時に便利だよね。それに配達中に誰かが持って行っちゃった時にも追跡出来ると思う。
どこかに持って行かれた場合、どんな状況かわかるように周辺への感知機能もつけてあるよ。
スライム封蝋に魔力を流すと、じゅわっとスライム液が溶けて封筒に張り付いて行く。うん,良い感じ。
「ソーマ君それなに?」
ギルベルト君が僕の手元の封筒に気付いてじっと見つめてきた。
「お手紙だよ。ロトヴィックさんに送るんだ。」
「ギルマスに?」
「講習会を増やして欲しいって。」
「なるほど。お願いしたら増やしてくれるかもね。」
「うん。」
ロトヴィックさん、ちゃんと読んでくれるといいな、と思いながら番号を呼ばれた窓口に向かって歩いていった。
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