自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

文字の大きさ
上 下
259 / 466
第6章

第259話 プティとリボン

しおりを挟む
「ソーマ、リヒャルト達だけだと不安かい?」
「え?ううん。ラオウル君も一緒に参加できたら楽しいかなって‥‥。」

叔父様に問いかけられて僕はすぐに首を横に振った。

「それなら、ラオウル君が受けたい講座が有る時に一緒に受けるか考えよう。」
「あ、はあい。」

そうだった。僕の護衛でリヒャルトさんとインゴさんが常に傍にいてくれているんだ。それなのに、ラオウル君も近くにって図々しいしリヒャルトさん達に失礼になっちゃうよね。
ラオウル君が僕の事を心配してるって知って、ちょっと舞い上がってたなぁ。

「ラオウル君、心配ありがとう。何かラオウル君が受けたい講習会があったら教えて。受けられるやつがあったら一緒に受けたい。」
「わかった。」

ラオウル君が笑顔で頷いてくれた。よかった。手帳君で連絡取り合おうねと約束して帰っていった。

屋敷に帰るとプティが転がるように走って来た。走る振動で声がでちゃうみたい。

「うにゃにゃにゃーー!」
(おかえりー!)
「プティ!ただいま!」

抱っこして感動の再開!ぐるぐる喉を鳴らしてる。可愛い!

「プティ。お土産買ってきたよ。」
「にゃにゃーー」
(見せてニャ。見せてニャ。)

手洗いとうがい、着替えもちゃんと済ませた。OK! プティにお魚型クッションとリボンをプレゼントした。

「にゃにゃ!」

リボンを前足でちょいちょいとつつくプティ。可愛いけどリボンが爪にひっかかるとボロボロになっちゃうよ。

「プティ、これは玩具じゃなくて、飾るやつだよ。可愛いでしょ。」
「にゃにゃ~!」
(かわいいにゃ。かわいいにゃ。)
「首に巻くのがいいかな。尻尾とか嫌だよね。」
「‥‥ミュゥ。」
(尻尾は嫌にゃ。)

尻尾に手をのばそうとしてたら、ぷいっと避けられた。

「じゃあ、首に巻いてみるね。」

幅広の刺繍リボンをプティの首に巻いて、丁寧にリボン結びをした。プティも首を少し伸ばした姿勢をしてお澄まし。可愛い。

「可愛い!プティ!似合うよ!」
「にゃーん。」
(嬉しいにゃ。ありがとうにゃん。)
「えへへ、お魚クッションも試してね。」
「にゃーん。」

プティがお魚型クッションの上に飛び乗った。踏みしめて香箱座りをする。

(颯真にゃん。ありがとうにゃん。)
「プティが喜んでくれたら嬉しいよ。」

僕はソファーに置かれたお魚型クッションの隣に腰を下ろした。クッションに乗ったプティの背中を撫でる。ああ、もっふもふ。

母様達にもリボンをプレゼントしたらとても喜んでくれた。

夕食を終えて部屋に戻って来てから、刺繍糸で簡単な組紐をつくってみた。
撚ってある刺繍糸をほぐして他の色の刺繍糸と魔獣の毛で作った糸を合わせる。
切り込みが入った丸いカードに穴をあけて中心にまとめた糸を通してから、切り込みに順番に糸を引っ掛けて行くと段々と組紐が出来てくる。
少しずつ出来上がってくる紐をプティがちょいちょいと前足でつついてくる。可愛い。

組紐作成は手でやっていると思ったよりずっと時間がかかりそうだったので、途中から手順をパターン化して、ストレージ錬金ボックスにお任せしてしまった。
出来上がった組紐は程よい細さで、色々な色が混じってキラキラしている。丈夫そうだし、ストラップ紐にちょうどよさそうだった。
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生! 悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした… アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか? 痩せっぽっちの王女様奮闘記。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

世界樹を暴走させたマッドサイエンティスト、死刑だけは嫌だとごねる!

アメノヒセカイ
ファンタジー
カクヨムにも掲載しております。 これは世界樹の花粉を浴びて老いることがなくなったラメッタと、捨て子として騎士団に拾われ生きてきたクレーエンが、一国の英雄となり、ともに生きると決めるまでの物語である! <語句> エアデ王国:クレーエン、ラメッタが住んでいた国。 バオム国:エアデ王国の従属国。魔王軍との前線を仕切る。資源がほとんどなく、魔王軍と戦うことでエアデ王国から支援を受けている。治安が悪い。 世界樹:人々に魔法を授けている。ラメッタが研究のために魔法薬をかけてから、魔法が大幅に弱体化してしまった。 ラメッタ:見た目は子供、中身は七十八才。老いることはない。魔法薬や魔道具の開発をする。己の好奇心を満たすためだけに世界樹に魔法薬をかけたとして死刑判決が出るのだが……。なお、魔王軍と戦うことで処刑が延期される約束を国王らとしている。 クレーエン:捨て子ゆえに騎士団に拾われて育てられたものの騎士団に正式に加入できず、しかしその強さゆえに騎士団の仕事を何度も手伝っていた。自身のことを強さから騎士団で面倒を見るしかない人間と考え、厄介者であると思っているが……。 バオム国の三姫:国王である父が前線に出ているため、三人で統治しているがほぼ機能していない。 長女ディーレ、次女ベリッヒ、三女チルカ。

世界を捨てる、5年前 〜虐げられた聖女と青年の手紙〜

ツルカ
恋愛
9歳の時に神殿に連れてこられた聖女は、家族から引き離され神に祈りを捧げて生きている。 孤独を抱えた聖女の元に、神への祈りの最中、一通の手紙が届く。不思議な男からの手紙。それは5年に渡る、彼女と彼の手紙のやり取りの始まり。 世界を超えて届く手紙は、別の世界からの手紙のようだ。 交わすやりとりの中で愛を育んでいき、そして男は言う。 必ず、助けに行くと。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

処理中です...