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第6章

第258話 ラオウル君の心配

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「ソーマ、何を作っているの?」

僕が魔力ペンにつけたチャームをプラプラさせてみていたら、叔父様に見られてた。

「魔力ペンにチャームをつけてみただけだよ。可愛いでしょ。」
「うん。可愛いね。他の人のペンと区別しやすくていいね。なるほど、チャーム付きで売ってもいいかもしれないね。」
「えへへ。」

褒められて嬉しい。刺繍糸で組紐を作ってチャームに付けたら叔父様も使ってくれるかな。
後で作ってみよう。

暫く手帳君を試したり雑談をしたりしてお茶も飲み終わった頃、叔父様が内ポケットから懐中時計を取り出した。

「ソーマ、そろそろ日が暮れるよ。帰ろうか。何か買い忘れたものはある?」
「え?もうそんな時間?買い忘れはないけど、もうちょっとおしゃべりしていたかった~。」
「また何時でも来れるさ。」
「そうだね。」

納得して頷いたら、ジョスさんが上着を持って来てくれた。
上着を着たりマフラーを巻いたりしながらもう少しだけおしゃべり。

「ラオウル君、またね。あ、明日冒険者ギルドの講習会に行くよ。」
「は?今それ言う?ソーマ、見習い登録したの?」

ラオウル君がビックリした顔をして上着の前紐を結ぶ手を止めた。

「登録してないよ。見習い登録しなくても受けられる講習会があるっていうから申し込んだんだ。」
「どの講習?一人で申し込んだのか?」

ラオウル君がぐいぐい詰め寄ってくる。講習会に興味があったのかな。

「初級野営ってやつ。リヒャルトさんとインゴさんも一緒だよ。保護者枠だって。あとギルベルト君っていう王都で会った‥‥友達‥‥も一緒。」
友達‥‥って言っちゃった。ギルベルト君は「お友達」って呼んでいいよね‥‥。
ラルフ君達は従兄弟だけど。‥‥ラオウル君も「友達」かな。友達って思ってくれてるかな。

「‥‥リヒャルトさんとインゴさんが一緒なら大丈夫か‥‥。今日ギルドにいた貴族みたいなのが来てたら厄介だぞ。気をつけな。」
「あ、うん。あの人達は依頼を受けたいって言ってたし講習会には来ないと思う。」
「そうだな。心配だから俺も参加しようかと思ったけど‥‥。俺がいても貴族相手じゃ何もできないんだよな‥‥。」
「わぁ~!心配してくれてありがとう!」

ラオウル君が心配そうに聞いて、僕は顔がちょっと熱くなった。

「ラオウル君は依頼を受けて活動してるでしょう?そっちを優先してね。講習会はお金もかかるし!」

講習会の受講料は凄く高いというわけじゃないけど、王都で見た見習い冒険者向けの配達依頼の値段と変わらなかった。
もしラオウル君に参加してもらうんだったら、ラオウル君の受講料は僕が払うべきだよね。
それだと依頼料ってことになるの?冒険者ギルドに依頼したほうがいいの?
あれこれ考えていたら、叔父様が僕の背中をポンポンと叩いた。
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