252 / 466
第6章
第252話 叔父様と街歩き
しおりを挟む
お土産に買ったものをマジック財布に入れて、いよいよ街歩きに出かける事にした。
二日くらい前に歩いたのに、叔父様と一緒だと結構印象が違う。叔父様は知り合いの人が多いらしくて沢山挨拶されるんだ。
「マーカスさん、ジョスさん、こんにちは。」
「マーカスさん、ジョスさん、新作パンが出来たんだよ。買って行ってよ。」
「マーカスさん、ご無沙汰じゃないかぁ。うちの店増築したのまだ見てないだろ。」
大抵の人が叔父様の事を「マーカスさん」って呼んでいる。「様」じゃないんだな、と思って不思議そうに見ていたら叔父様が教えてくれた。
「領主が経営する商会の店の人って思われてるんだよ。」
領都にあるエルスト商会本店の店舗は貴族や裕福な層向けの雰囲気だった。けれど他にも庶民向けの直営店をいくつか出していたり、他のお店の経営の相談に乗ったりしているんだって。
だから街の人からしてもエルスト商会は結構馴染みが有る存在で、叔父様はその商会の関係者という認識らしい。
もちろん、領主の弟だってことや商会長だってことを知っている人もいるらしいけど、知っている人も暗黙の了解で気さくな態度をとっているんだって。
屋台でホカホカの焼き栗を買った。熱々を頑張って割って口に運ぶ。食べながら歩くのは楽しい。
叔父様に声をかけてきたパン屋さんのお店に行って新作のパンをお土産に買った。お芋とチーズが入ったパンだった。
温めたら美味しそうだ。
ジョスさんがベーコンの入ったパンもお勧めだと教えてくれた。ベーコンとパン生地をグルグル捻って焼いた物だった。美味しそう!すぐ食べてみたいけどこれもお土産だ。
パン屋さんの後、玩具屋さんに行ってみた。
店内には積み木とか木で出来た玩具、ぬいぐるみとかクッションが並んでいた。中には凄く繊細に木を削っている置物のようなものもあった。
木のパズルもある。ふと、バラ絵のダンジョンのジグソーパズルを思い出した。やっぱりあのダンジョンちょっと気になるよね。
「ソーマ。これ、プティちゃんにどうかな。」
叔父様に声をかけられて振り向いたら、魚型のクッションがあった。プティのベッドになりそうな大きさだ。さわってみたらフカフカ!
「可愛い!プティが喜びそう!」
魚型クッションは叔父様が買ってくれた。僕の分とプティの分で2個だよ。ソファーに並べておいたら可愛いんじゃないかな。
「叔父様ありがとう!」
僕がお礼をいうと叔父様は満足そうに微笑んだ。
前回は大きな通りを中心に歩いていたけど、叔父様と一緒だと少し裏手の道幅が狭い通りにも連れて行ってもらえる。
「この辺りまでは大丈夫だけど、この先は冒険者が酒を飲んで騒ぐようなお店が多いから、行ってはだめだよ。」
叔父様が教えてくれた道を地図を見て確認する。
地図に印をつけておこう。建物の壁に打ち付けられた看板を確認して、地図にも通りの名前を記入しておく。
「あれ?」
叔父様から、行ってはだめって言われた通りの方からラオウル君が歩いてくるのが見えた。
「ラオウル君!」
僕が手を振るとラオウル君も気がついたみたいで、こちらに向かって駆けて来てくれる。
二日くらい前に歩いたのに、叔父様と一緒だと結構印象が違う。叔父様は知り合いの人が多いらしくて沢山挨拶されるんだ。
「マーカスさん、ジョスさん、こんにちは。」
「マーカスさん、ジョスさん、新作パンが出来たんだよ。買って行ってよ。」
「マーカスさん、ご無沙汰じゃないかぁ。うちの店増築したのまだ見てないだろ。」
大抵の人が叔父様の事を「マーカスさん」って呼んでいる。「様」じゃないんだな、と思って不思議そうに見ていたら叔父様が教えてくれた。
「領主が経営する商会の店の人って思われてるんだよ。」
領都にあるエルスト商会本店の店舗は貴族や裕福な層向けの雰囲気だった。けれど他にも庶民向けの直営店をいくつか出していたり、他のお店の経営の相談に乗ったりしているんだって。
だから街の人からしてもエルスト商会は結構馴染みが有る存在で、叔父様はその商会の関係者という認識らしい。
もちろん、領主の弟だってことや商会長だってことを知っている人もいるらしいけど、知っている人も暗黙の了解で気さくな態度をとっているんだって。
屋台でホカホカの焼き栗を買った。熱々を頑張って割って口に運ぶ。食べながら歩くのは楽しい。
叔父様に声をかけてきたパン屋さんのお店に行って新作のパンをお土産に買った。お芋とチーズが入ったパンだった。
温めたら美味しそうだ。
ジョスさんがベーコンの入ったパンもお勧めだと教えてくれた。ベーコンとパン生地をグルグル捻って焼いた物だった。美味しそう!すぐ食べてみたいけどこれもお土産だ。
パン屋さんの後、玩具屋さんに行ってみた。
店内には積み木とか木で出来た玩具、ぬいぐるみとかクッションが並んでいた。中には凄く繊細に木を削っている置物のようなものもあった。
木のパズルもある。ふと、バラ絵のダンジョンのジグソーパズルを思い出した。やっぱりあのダンジョンちょっと気になるよね。
「ソーマ。これ、プティちゃんにどうかな。」
叔父様に声をかけられて振り向いたら、魚型のクッションがあった。プティのベッドになりそうな大きさだ。さわってみたらフカフカ!
「可愛い!プティが喜びそう!」
魚型クッションは叔父様が買ってくれた。僕の分とプティの分で2個だよ。ソファーに並べておいたら可愛いんじゃないかな。
「叔父様ありがとう!」
僕がお礼をいうと叔父様は満足そうに微笑んだ。
前回は大きな通りを中心に歩いていたけど、叔父様と一緒だと少し裏手の道幅が狭い通りにも連れて行ってもらえる。
「この辺りまでは大丈夫だけど、この先は冒険者が酒を飲んで騒ぐようなお店が多いから、行ってはだめだよ。」
叔父様が教えてくれた道を地図を見て確認する。
地図に印をつけておこう。建物の壁に打ち付けられた看板を確認して、地図にも通りの名前を記入しておく。
「あれ?」
叔父様から、行ってはだめって言われた通りの方からラオウル君が歩いてくるのが見えた。
「ラオウル君!」
僕が手を振るとラオウル君も気がついたみたいで、こちらに向かって駆けて来てくれる。
1
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

モブっと異世界転生
月夜の庭
ファンタジー
会社の経理課に所属する地味系OL鳳来寺 桜姫(ほうらいじ さくらこ)は、ゲーム片手に宅飲みしながら、家猫のカメリア(黒猫)と戯れることが生き甲斐だった。
ところが台風の夜に強風に飛ばされたプレハブが窓に直撃してカメリアを庇いながら息を引き取った………筈だった。
目が覚めると小さな籠の中で、おそらく兄弟らしき子猫達と一緒に丸くなって寝ていました。
サクラと名付けられた私は、黒猫の獣人だと知って驚愕する。
死ぬ寸前に遊んでた乙女ゲームじゃね?!
しかもヒロイン(茶虎猫)の義理の妹…………ってモブかよ!
*誤字脱字は発見次第、修正しますので長い目でお願い致します。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

グライフトゥルム戦記~微笑みの軍師マティアスの救国戦略~
愛山雄町
ファンタジー
エンデラント大陸最古の王国、グライフトゥルム王国の英雄の一人である、マティアス・フォン・ラウシェンバッハは転生者である。
彼は類い稀なる知力と予知能力を持つと言われるほどの先見性から、“知将マティアス”や“千里眼のマティアス”と呼ばれることになる。
彼は大陸最強の軍事国家ゾルダート帝国や狂信的な宗教国家レヒト法国の侵略に対し、優柔不断な国王や獅子身中の虫である大貴族の有形無形の妨害にあいながらも、旧態依然とした王国軍の近代化を図りつつ、敵国に対して謀略を仕掛け、危機的な状況を回避する。
しかし、宿敵である帝国には軍事と政治の天才が生まれ、更に謎の暗殺者集団“夜(ナハト)”や目的のためなら手段を選ばぬ魔導師集団“真理の探究者”など一筋縄ではいかぬ敵たちが次々と現れる。
そんな敵たちとの死闘に際しても、絶対の自信の表れとも言える余裕の笑みを浮かべながら策を献じたことから、“微笑みの軍師”とも呼ばれていた。
しかし、マティアスは日本での記憶を持った一般人に過ぎなかった。彼は情報分析とプレゼンテーション能力こそ、この世界の人間より優れていたものの、軍事に関する知識は小説や映画などから得たレベルのものしか持っていなかった。
更に彼は生まれつき身体が弱く、武術も魔導の才もないというハンディキャップを抱えていた。また、日本で得た知識を使った技術革新も、世界を崩壊させる危険な技術として封じられてしまう。
彼の代名詞である“微笑み”も単に苦し紛れの策に対する苦笑に過ぎなかった。
マティアスは愛する家族や仲間を守るため、大賢者とその配下の凄腕間者集団の力を借りつつ、優秀な友人たちと力を合わせて強大な敵と戦うことを決意する。
彼は情報の重要性を誰よりも重視し、巧みに情報を利用した謀略で敵を混乱させ、更に戦場では敵の意表を突く戦術を駆使して勝利に貢献していく……。
■■■
あらすじにある通り、主人公にあるのは日本で得た中途半端な知識のみで、チートに類する卓越した能力はありません。基本的には政略・謀略・軍略といったシリアスな話が主となる予定で、恋愛要素は少なめ、ハーレム要素はもちろんありません。前半は裏方に徹して情報収集や情報操作を行うため、主人公が出てくる戦闘シーンはほとんどありません。
■■■
小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+でも掲載しております。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分
かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。
前世の分も幸せに暮らします!
平成30年3月26日完結しました。
番外編、書くかもです。
5月9日、番外編追加しました。
小説家になろう様でも公開してます。
エブリスタ様でも公開してます。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる