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第6章
第250話 ご予約は
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ブーン、ガッ、シューーーーーーン!ブーン、ガッ、シューーーーーーン!
「さっきよりスピード上がってない? え?あ、もう着いた。」
ジョスさんが興味深げに窓の外を見ていたけど、すぐに到着してビックリしてた。ピン列車はダンジョン鉄道に乗り換えるまでだから、スピードが上がるとあっという間だ。
ダンジョン鉄道の列車に乗り換えてから、叔父様とジョスさんの手帳君にグループ機能を追加して使い方を説明した。
「また便利になったね!素晴らしいよ、ソーマ!」
叔父様が僕の頭を撫でてくれた。
叔父様達にも好評なので、ライノアさんに渡した手帳君と大判ノート君も今度アップデートしておこう。
領都のエルスト商会まで戻って来たら、ちょうどお昼くらいの時間帯だった。
ジョスさんは従業員の人に頼んでレストランを予約しておいてくれたらしい。
パスタっぽい料理のお店だ。手延べらしい麺は一本一本が凄く長くて、野菜とお肉を煮込んだとろみのあるソースが掛かってる。
イタリアンとも中華とも少し違うちょっとエスニックな感じで美味しい。
最近人気のお店で予約しないと中々入れないんだって。
「ええー?席がないですって?あっちのテーブル空いてるじゃない。」
静かだった店内に突然高い声が響いた。
チラリと見ると赤と白のコートを着たピンク色の髪の令嬢が黒いコートを着た金髪の男性と一緒に入り口近くに立っていた。
怒った様子で店員さんと話をしている。
「申し訳ございません。あちらは他のお客様がご予約されているお席でございます。」
「予約ですって?」
「そこを何とかならないかな。この店の麺料理が評判と聞いていてね。彼女が是非食べたいそうなんだ。」
「大変申し訳ございません。‥‥いらっしゃいませ。」
店員さんが頭を下げた時、お店のドアが開いて別のお客さんが入って来た。
見覚えがある令嬢二人。
「予約しているルフランですわ。‥‥ケン様?」
「ベルティーナ!」
「隣の女性は誰ですの?」
「丁度良かった!君予約しているんだろう?代わってくれないか。」
「はあ?」
フロアが静かになった。店内の店員さんもお客さんも皆彼らの様子を気にしているようだ。
揉め事の予感‥‥?
「ケン様は一体何をおっしゃっているの? そこの貴女、どうしてケン様の腕に手を回してらっしゃるの?」
「離れてよ!ケン様はお姉様の婚約者よ!」
「婚約者ですって?」
「ベルティーナ落ち着いて。こちらはルイーサ・メリウス。ルイーサ、彼女はベルティーナ・ルフラン。そして妹のエルシャだよ。」
エルシャ呼ばれた妹の令嬢も参戦し始めたところで、ケン様と呼ばれた人が彼女達をなだめ始めた。
「あの‥‥、他のお客様のご迷惑になりますので店の外でお話いただけませんか?」
店員さんは店の外に促そうとしている。
「まあ!私達は予約しているんですのよ!」
ベルティーナ嬢が怒った声で言う。
「そうだ!予約席って、僕らも一緒じゃだめかい?食事をしながら話そうじゃないか。」
「はあ?」
どうなっちゃうかと思ったら、店の外のテラス席に四人が案内されていた。
ジョスさんの話では、テラス席は冬場は寒いから使っていないらしい。ストーブのような魔道具を置いて急遽場所を整えたようだ。
テラス席に座ってからも何か揉めているように見えたけど店の外なのでほとんど会話は聞こえない。
雰囲気を変える為かクラヴィーアの演奏が始まった。
フロアにほっとした空気が戻って来た。
あの赤と白のサンタさんみたいなコートの令嬢は、この間ぶつかりそうになった人じゃないかな。
金髪の男性もその時の人のような気がする。
あとから来たルフラン姉妹は教会で会った人達だ。
領都は広いけど繁華街の人気スポットだと観光の人が集まってるし、遭遇しても不思議じゃないか。
考え事をしながら麺をぐるぐるフォークで巻いていたらちょっと大きなサイズの玉になってしまったので
すこし解いて麺をナイフで切る。長い麺だから、切らないと一口じゃ食べられないんだよね。
でももっちりしていて美味しい麺だ。
「さっきよりスピード上がってない? え?あ、もう着いた。」
ジョスさんが興味深げに窓の外を見ていたけど、すぐに到着してビックリしてた。ピン列車はダンジョン鉄道に乗り換えるまでだから、スピードが上がるとあっという間だ。
ダンジョン鉄道の列車に乗り換えてから、叔父様とジョスさんの手帳君にグループ機能を追加して使い方を説明した。
「また便利になったね!素晴らしいよ、ソーマ!」
叔父様が僕の頭を撫でてくれた。
叔父様達にも好評なので、ライノアさんに渡した手帳君と大判ノート君も今度アップデートしておこう。
領都のエルスト商会まで戻って来たら、ちょうどお昼くらいの時間帯だった。
ジョスさんは従業員の人に頼んでレストランを予約しておいてくれたらしい。
パスタっぽい料理のお店だ。手延べらしい麺は一本一本が凄く長くて、野菜とお肉を煮込んだとろみのあるソースが掛かってる。
イタリアンとも中華とも少し違うちょっとエスニックな感じで美味しい。
最近人気のお店で予約しないと中々入れないんだって。
「ええー?席がないですって?あっちのテーブル空いてるじゃない。」
静かだった店内に突然高い声が響いた。
チラリと見ると赤と白のコートを着たピンク色の髪の令嬢が黒いコートを着た金髪の男性と一緒に入り口近くに立っていた。
怒った様子で店員さんと話をしている。
「申し訳ございません。あちらは他のお客様がご予約されているお席でございます。」
「予約ですって?」
「そこを何とかならないかな。この店の麺料理が評判と聞いていてね。彼女が是非食べたいそうなんだ。」
「大変申し訳ございません。‥‥いらっしゃいませ。」
店員さんが頭を下げた時、お店のドアが開いて別のお客さんが入って来た。
見覚えがある令嬢二人。
「予約しているルフランですわ。‥‥ケン様?」
「ベルティーナ!」
「隣の女性は誰ですの?」
「丁度良かった!君予約しているんだろう?代わってくれないか。」
「はあ?」
フロアが静かになった。店内の店員さんもお客さんも皆彼らの様子を気にしているようだ。
揉め事の予感‥‥?
「ケン様は一体何をおっしゃっているの? そこの貴女、どうしてケン様の腕に手を回してらっしゃるの?」
「離れてよ!ケン様はお姉様の婚約者よ!」
「婚約者ですって?」
「ベルティーナ落ち着いて。こちらはルイーサ・メリウス。ルイーサ、彼女はベルティーナ・ルフラン。そして妹のエルシャだよ。」
エルシャ呼ばれた妹の令嬢も参戦し始めたところで、ケン様と呼ばれた人が彼女達をなだめ始めた。
「あの‥‥、他のお客様のご迷惑になりますので店の外でお話いただけませんか?」
店員さんは店の外に促そうとしている。
「まあ!私達は予約しているんですのよ!」
ベルティーナ嬢が怒った声で言う。
「そうだ!予約席って、僕らも一緒じゃだめかい?食事をしながら話そうじゃないか。」
「はあ?」
どうなっちゃうかと思ったら、店の外のテラス席に四人が案内されていた。
ジョスさんの話では、テラス席は冬場は寒いから使っていないらしい。ストーブのような魔道具を置いて急遽場所を整えたようだ。
テラス席に座ってからも何か揉めているように見えたけど店の外なのでほとんど会話は聞こえない。
雰囲気を変える為かクラヴィーアの演奏が始まった。
フロアにほっとした空気が戻って来た。
あの赤と白のサンタさんみたいなコートの令嬢は、この間ぶつかりそうになった人じゃないかな。
金髪の男性もその時の人のような気がする。
あとから来たルフラン姉妹は教会で会った人達だ。
領都は広いけど繁華街の人気スポットだと観光の人が集まってるし、遭遇しても不思議じゃないか。
考え事をしながら麺をぐるぐるフォークで巻いていたらちょっと大きなサイズの玉になってしまったので
すこし解いて麺をナイフで切る。長い麺だから、切らないと一口じゃ食べられないんだよね。
でももっちりしていて美味しい麺だ。
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