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第6章
第248話 ランチは大事
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あっという間に通路を滑って行って改札口の手前まで到着した。
ピン君列車を降りたところでジョスさんが懐中時計を取り出す。
「約一時間ですか‥‥。」
青く光を放っている階段を見上げる。
「まあ、この先がどうなっているかですかね。」
「ジョス、時間は記録しておいて。ここからその先の時間も。」
「はい。わかっていますよ。」
叔父様はジョスさんに所要時間の記録を取ってもらっているようだ。でもピン君列車は今日限りじゃないかな。
正式にこのルートで移動するならレールもちゃんと敷きたいし。
でも階段から出口までの時間は計っておいた方がいいのか。
僕は早速階段に足を乗せた。叔父様の腕が僕のお腹に回った。
「ソーマ、一人でどんどん行かないで。一緒に行こう。」
「あ、
はあい。」
すぐにインゴさんが僕の前に立って階段を上り始めた。
少し間隔を開けて、叔父様と一緒にインゴさんの後に続いた。改札口までの階段の段数はアルディ駅側の方が少し少なめだった気がする。
思ったより早く改札口まで辿り着いた気がした。
その先もちゃんと階段が出来てる。
ジョスさんは改札口を出たところでも時間をメモしていた。
「さて、この先はワクワクするね。」
叔父様が楽しそうに薄暗い階段を見上げた。インゴさんが灯りの魔法を発動した。
叔父様も温風魔法を展開する。
そうして再びインゴさんを先頭にして階段を上って出たところは薄暗い室内だった。
窓がない倉庫っぽい部屋だ。
空っぽの棚と扉があるだけ。
ジョスさんはすかさず懐中時計で時刻を確認してメモしている。手帳を胸ポケットにしまった後、「さて」と楽しそうな顔をした。
「ここがツヴァイトベックなら、ドアの向こうにライノアがいるはずですよね。」
「いると思ってる?」
「いるでしょう。」
躊躇無く扉を開けるジョスさん。一瞬まぶしい光に目を細めた。ドアの向こうには栗色のくせ毛の髪をした男の人が魔ネズミを両手で持ったままぽかんとした表情で立っていた。
「ライノア居た。本当にいた。」
「え、ジョスさん、マジで。うわ。会長まで。」
扉の向こうの人は叔父様やジョスさんの知り合いだったみたいだ。まんまるに広げた目で僕たちを見ている。
「‥‥これは凄いですね。何ヶ月かの仕事が一気に終わりそうですよ。」
ジョスさんが興奮した様子で僕と叔父様の方を見た。
「ジョス、落ち着け。移動方法の秘匿が必要だ。簡単には適用できないぞ。」
「そうでした。それでも凄いですよ。」
「乗って納得した?」
「納得しましたとも。」
「じゃあ、帰るか。」
「え?」
叔父様も胸ポケットから懐中時計を出して、視線を落として言った。
「今から戻れば昼食に間に合うだろう。」
「え、せっかく来たのに?」
ジョスさんは残念そうな表情をしていた。ライノアさんと呼ばれた人は困惑顔だ。
「え、お帰りになられる?」
「ああ、また今度来るから。」
「ちょっと待ってくださいよ。」
あっさりそう言って頷く叔父様をジョスさんが説得しているようだ。
「この通路の件の口止めはさすがに必要でしょう。少し話すくらいはしましょうよ。」
「うーん‥‥。」
「ソーマ君とのランチのお席は確保しておきますから。」
「ならいい。少し話そうか。」
叔父様はすぐ帰らずに話をすることにしたようだ。あれ?叔父様がすぐ帰ろうとしたのは、僕とのランチの為だったの?
僕は慌てて叔父様の袖を摘んでちょっと引っ張った。
「ねえ、叔父様。僕とランチの約束してるから帰ろうとしてたの? ランチは屋台だって大丈夫だよ。お仕事優先して?」
叔父様は、目を細めて僕を見てポンポンと頭を撫でた。
ピン君列車を降りたところでジョスさんが懐中時計を取り出す。
「約一時間ですか‥‥。」
青く光を放っている階段を見上げる。
「まあ、この先がどうなっているかですかね。」
「ジョス、時間は記録しておいて。ここからその先の時間も。」
「はい。わかっていますよ。」
叔父様はジョスさんに所要時間の記録を取ってもらっているようだ。でもピン君列車は今日限りじゃないかな。
正式にこのルートで移動するならレールもちゃんと敷きたいし。
でも階段から出口までの時間は計っておいた方がいいのか。
僕は早速階段に足を乗せた。叔父様の腕が僕のお腹に回った。
「ソーマ、一人でどんどん行かないで。一緒に行こう。」
「あ、
はあい。」
すぐにインゴさんが僕の前に立って階段を上り始めた。
少し間隔を開けて、叔父様と一緒にインゴさんの後に続いた。改札口までの階段の段数はアルディ駅側の方が少し少なめだった気がする。
思ったより早く改札口まで辿り着いた気がした。
その先もちゃんと階段が出来てる。
ジョスさんは改札口を出たところでも時間をメモしていた。
「さて、この先はワクワクするね。」
叔父様が楽しそうに薄暗い階段を見上げた。インゴさんが灯りの魔法を発動した。
叔父様も温風魔法を展開する。
そうして再びインゴさんを先頭にして階段を上って出たところは薄暗い室内だった。
窓がない倉庫っぽい部屋だ。
空っぽの棚と扉があるだけ。
ジョスさんはすかさず懐中時計で時刻を確認してメモしている。手帳を胸ポケットにしまった後、「さて」と楽しそうな顔をした。
「ここがツヴァイトベックなら、ドアの向こうにライノアがいるはずですよね。」
「いると思ってる?」
「いるでしょう。」
躊躇無く扉を開けるジョスさん。一瞬まぶしい光に目を細めた。ドアの向こうには栗色のくせ毛の髪をした男の人が魔ネズミを両手で持ったままぽかんとした表情で立っていた。
「ライノア居た。本当にいた。」
「え、ジョスさん、マジで。うわ。会長まで。」
扉の向こうの人は叔父様やジョスさんの知り合いだったみたいだ。まんまるに広げた目で僕たちを見ている。
「‥‥これは凄いですね。何ヶ月かの仕事が一気に終わりそうですよ。」
ジョスさんが興奮した様子で僕と叔父様の方を見た。
「ジョス、落ち着け。移動方法の秘匿が必要だ。簡単には適用できないぞ。」
「そうでした。それでも凄いですよ。」
「乗って納得した?」
「納得しましたとも。」
「じゃあ、帰るか。」
「え?」
叔父様も胸ポケットから懐中時計を出して、視線を落として言った。
「今から戻れば昼食に間に合うだろう。」
「え、せっかく来たのに?」
ジョスさんは残念そうな表情をしていた。ライノアさんと呼ばれた人は困惑顔だ。
「え、お帰りになられる?」
「ああ、また今度来るから。」
「ちょっと待ってくださいよ。」
あっさりそう言って頷く叔父様をジョスさんが説得しているようだ。
「この通路の件の口止めはさすがに必要でしょう。少し話すくらいはしましょうよ。」
「うーん‥‥。」
「ソーマ君とのランチのお席は確保しておきますから。」
「ならいい。少し話そうか。」
叔父様はすぐ帰らずに話をすることにしたようだ。あれ?叔父様がすぐ帰ろうとしたのは、僕とのランチの為だったの?
僕は慌てて叔父様の袖を摘んでちょっと引っ張った。
「ねえ、叔父様。僕とランチの約束してるから帰ろうとしてたの? ランチは屋台だって大丈夫だよ。お仕事優先して?」
叔父様は、目を細めて僕を見てポンポンと頭を撫でた。
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