自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第6章

第240話 領都の商会

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朝ご飯を食べ終えたら早速お出かけ。今日の服装はちょっとお洒落な感じ。エルスト商会のデザイナーさんが作ったんだって。
叔父様と一緒に馬車に乗る。リヒャルトさんとインゴさんも一緒だ。
馬車の中で前回街歩きの話をした。ギルベルト君に遭って冒険者ギルドで講習会を申し込んだ事とか、教会に入ってみたこととか。

「ギルドの講習会か‥‥。二人が一緒なら問題ないと思うが‥‥。頼んだよ。」

叔父様はちらりとリヒャルトさんとインゴさんに視線を動かした。リヒャルトさん達がそろってお辞儀をした。

「大丈夫だよ。ギルベルト君も一緒だし。」
「ヴィルヘルム卿のご子息だね。一緒だから大丈夫というわけでもないが‥‥。彼は護衛は付いていないの?」
「いないと思う。」
「それはそれで心配ではあるね。」
「見習い冒険者だからじゃない?あ、でも教会であった娘達も護衛はいなかったよ。」
「ソーマに絡んで来たという子爵令嬢か。護衛というより指導する人をつけてもらいたいけどね。」
「あはは。」

話をしているうちに領都の中心街についた。
前に街歩きしたときは、前を素通りしたエルスト商会。王都の店舗と似た雰囲気だけど、こちらの方が大きいかな。
叔父様と一緒に入り口に近づくとドアマンがすっとドアを開けてくれた。

「やあ、スタン。この子は俺の甥のソーマだ。よろしくね。」

ドアマンの中年の男性に叔父様が話しかけた。スタンさんはニコリとして僕に微笑みかけた。

「こんにちは、ソーマです。よろしくお願いいします。」
「こちらこそよろしくお願いします。ソーマ坊ちゃん。」

スタンさんにリヒャルトさんとインゴさんの事も紹介した。
叔父様が、お店で働いている人に僕の事を紹介してくれるのは僕がお店に来やすくする為だと思うんだよね。
だから、僕と一緒に来る人の事も知っていてもらった方がいいと思うんだ。
そう思って二人をスタンさんに紹介したら、叔父様が僕の頭を撫でてくれた。

店の中は王都のお店と雰囲気が似ていて初めて来た感じがしなかった。

「マーカス様、ソーマ君。」

店の奥から見覚えが有る男の人がニコニコしながら両腕を広げて近づいて来た。

「こんにちは、ジョスさん。」

屋敷で何回か会ったことがあるジョスさんだ。

「ジョス、変わりない?」

叔父様とジョスさんがハグ。

「変わりないけど。マーカス様ちょっと痩せましたね。ちゃんと食べてます?」

ジョスさんはそう言った後、身を屈めて僕ともハグした。

「うん。ソーマ君はちょっと大きくなったねー。」

ジョスさんはハグしながら相手の状態を確認しているのかな。

「食べてはいたさ。‥‥まあ、ちょっと忙しかったかな。」
「気をつけてくださいよ。というか早くこっちに戻って来てください。」

ジョスさんはそういいながら僕と叔父様の上着を持って、店の奥に案内する。あれ、いつ上着を脱いだっけ。
王都では商談室は3階にあったけど、領都のお店は1階に商談室があるらしい。
商品が並んだフロアの奥に廊下がありいくつか商談室の扉が並んでいた。一番奥の部屋に案内された。
暖房の効いた暖かい部屋。ガラス扉がある棚に魔道具らしき物がいくつか並んでいる。
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