自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

文字の大きさ
上 下
237 / 466
第6章

第237話 叔父様と実験

しおりを挟む
「箱の上に手を置いて魔力を流してね。そうしたら叔父様しか開けられなくなるから。」

僕は叔父様に通信箱君の使い方を説明した。叔父様は僕が言う通りに試してくれているようだ。

『手を置くんだね。こうかな。魔力を流してみたよ。』
「そうしたら箱の両側に取手があるから引き出してみて。籠にお花が入っている方が受信ボックスでお花を差し出している方が送信ボックスだよ。」
『両側から開けられるんだね。プティちゃんの絵可愛いね。』
「可愛いでしょ!」

プティの絵が褒められて嬉しくなる。「えへへ」と隣にいるプティの背中を撫でた。
プティも嬉しそうだ。

『引き出しを開けてみたよ。内蓋があるんだね。中は‥‥これはマジックバッグ?』

空の時は普通に箱の底が見えるようにしてあるんだけど、叔父様はマジックバッグだと気がついたみたいだ。

「そうだよ。両方の引き出し中を確認したら一度引き出しを閉じてね。」
『‥‥よし確認したよ。引き出しも閉じた。』
「じゃあ。送るよ。」

叔父様用の手帳を送信ボックスに入れて内蓋で叔父様を指定。引き出しを閉じたら叔父様の方から声があがった。

『受信ボックスのところについている石が光ったよ。』
「開けてみてー。」
『‥‥おお‥‥。ソーマ。素晴らしいよ。』
「いいでしょ!」

叔父様が感嘆の声を上げてくれる。嬉しい。
送信の仕方も教えたら、ちょっとだけ溜め息が聞こえた。

『ふぅ‥‥。ソーマの発想や作るものには何時も驚かされるよ。これは手帳の魔道具を送るために作ろうと思ったの?』
「うん。送る時ゲート開くと目立つから。」
『ソーマがちらっと見えるのは嬉しいけどね。』
「そう?えへへ。」
『でも、他の人が居る場合は見られたら困るし、そういう時にこの箱はすごく便利だね。本当に凄いよ。』

叔父様に褒めてもらえた。やったー!
それから手帳君の使い方も説明して試しにやり取りをしてみた。離れた距離でも問題なく使えそうだ。
叔父様は、手帳君と通信箱君を持って明日の朝ダンジョン鉄道でエルストベルクに向かうことになった。ダンジョン鉄道の中でも試してくれるんだって。
ダンジョン鉄道は王都にあるうちの屋敷の地下からこちらの屋敷まで直通で行けるようになっている。

定期的に動いているんだよ。ダンジョンマスター達が交代で乗って品質改良の研究をしているらしい。
最近はかなり予定時間ぴったりに運行できるようになったんだって。
使うのはうちの人達とダンジョン関連のメンバーだけなんだけどね。

そうだ、ダンジョンマスター達の分も手帳君と通信箱君を用意しておこう。‥‥彼ら手帳に文字かけるかなぁ。

翌朝、叔父様は5の刻出発の便に乗ったようだ。手帳君で連絡がきた。
出発する前と列車に乗った後に手帳君に書き込みをくれたんだけど、書き込んだ時間がわからないと不便だという事に気がついてしまった。

小さく書き込み日時を表示するように修正しよう。

ーーーーソーマ。前に乗った時より列車が快適になっている気がするよ。全然揺れないね。

叔父様が手帳君で列車に乗った感想を僕に伝えてくれる。
叔父様は試しで一度ダンジョン鉄道で往復したことがあるんだけど前より快適だと思ってくれているようだ。

ーーーーよかった!列車内は寒くはなかった?
ーーーー寒く無かったよ。少し暖かい位かな。素晴らしいね。
ーーーーやったー!
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~

ma-no
ファンタジー
 神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。  その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。  世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。  そして何故かハンターになって、王様に即位!?  この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。 注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。   R指定は念の為です。   登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。   「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。   一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。

異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生! 悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした… アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか? 痩せっぽっちの王女様奮闘記。

家庭菜園物語

コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。 その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。 異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

世界樹を暴走させたマッドサイエンティスト、死刑だけは嫌だとごねる!

アメノヒセカイ
ファンタジー
カクヨムにも掲載しております。 これは世界樹の花粉を浴びて老いることがなくなったラメッタと、捨て子として騎士団に拾われ生きてきたクレーエンが、一国の英雄となり、ともに生きると決めるまでの物語である! <語句> エアデ王国:クレーエン、ラメッタが住んでいた国。 バオム国:エアデ王国の従属国。魔王軍との前線を仕切る。資源がほとんどなく、魔王軍と戦うことでエアデ王国から支援を受けている。治安が悪い。 世界樹:人々に魔法を授けている。ラメッタが研究のために魔法薬をかけてから、魔法が大幅に弱体化してしまった。 ラメッタ:見た目は子供、中身は七十八才。老いることはない。魔法薬や魔道具の開発をする。己の好奇心を満たすためだけに世界樹に魔法薬をかけたとして死刑判決が出るのだが……。なお、魔王軍と戦うことで処刑が延期される約束を国王らとしている。 クレーエン:捨て子ゆえに騎士団に拾われて育てられたものの騎士団に正式に加入できず、しかしその強さゆえに騎士団の仕事を何度も手伝っていた。自身のことを強さから騎士団で面倒を見るしかない人間と考え、厄介者であると思っているが……。 バオム国の三姫:国王である父が前線に出ているため、三人で統治しているがほぼ機能していない。 長女ディーレ、次女ベリッヒ、三女チルカ。

世界を捨てる、5年前 〜虐げられた聖女と青年の手紙〜

ツルカ
恋愛
9歳の時に神殿に連れてこられた聖女は、家族から引き離され神に祈りを捧げて生きている。 孤独を抱えた聖女の元に、神への祈りの最中、一通の手紙が届く。不思議な男からの手紙。それは5年に渡る、彼女と彼の手紙のやり取りの始まり。 世界を超えて届く手紙は、別の世界からの手紙のようだ。 交わすやりとりの中で愛を育んでいき、そして男は言う。 必ず、助けに行くと。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!

まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。 そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。 その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する! 底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる! 第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~

降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。

処理中です...