自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第6章

第236話 宅配ボックス作成

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大体出来上がったので叔父様に送ることにした。送る時に決まったところがあるといいよねと考えていて、宅配ボックスのようなものを思いついた。毎回叔父様が受け取り可能な場所を確認して送るより決まった箱の中に送れば楽なんじゃないかな。

宅配ボックスの大きさはどうしようか。手帳だと小さくてもよいけど、それなりの大きさのものもあるよね。

マジックボックスみたいにすれば、箱のサイズは問題ないか。シーサーペントの革を使って、大きさは少し分厚めの本サイズくらい。
外側は木で内側にシーサーペントの革を貼付ける。
内部の容量拡張と転送機能、鍵機能を魔法陣で書き込む。最初は鍵が開いた状態で、叔父様が魔力を流した後は叔父様しか開けられないようにしよう。
外から壊されないように物理耐性、魔法耐性はつけておこうかな。
外側の木箱は蓋にプティの絵を彫ってみた。

(にゃーん。プティの絵にゃ?プティも欲しいにゃ)
「プティも?いいよ。お揃いにしよう。」

受け取りがあるなら送る機能も有った方がいいよね。
プティが開けやすいように取手がついた引き出し形式に変更することにした。両側から引き出せるような構造にして片方が送信ボックス、片方が受信ボックスになるようにする。
引き出しを引くと内蓋があって、送信ポストは内蓋のリストから送り先を指定できるんだ。
受信ボックスは内蓋に送り先を表示するようにしようかな。

「プティ用の『通信箱君』できたよ。」

送信ボックス側には,プティがお花を差し出している図。受信ボックス側は籠を抱えていてお花を受け取っている図にしてみた。

(可愛いニャ。可愛いニャ。)

プティが嬉しそうに引き出しの取手に爪を引っ掛けて引き出しを開けてみている。

「試しに『手帳君』を送るね。」

僕用の通信箱君の送信ボックスにプティ用の手帳君を入れる。内蓋を閉じて宛先リストからプティを選択。そのまま引き出しを閉じた。

「にゃ?」
(何か光ったにゃ)

何か届くと取手近くに埋め込んだ小さい魔石が光るようにしてある。プティが受信ボックス用の引き出しをくいっと開けた。

「にゃーん!」
(颯真にゃんの名前がでてるにゃ。)

内蓋に送信者の名前が出るようにしたんだけど、うまくいったようだ。

「送信者表示はできたね。届いているか見てみて?」
(見てみるにゃ)

ぱかっと器用に内蓋を開けて中を覗き込むプティ。その仕草が可愛い。
ひょいと前足で引っ掛けて手帳君を取り出した。

「にゃーん。」
(届いたにゃ。届いたにゃ。」
「やった!大成功!」

プティは早速手帳君を開いて僕に肉球メッセージを送ってくれた。僕も「大好き」って返したよ。

「じゃあ、叔父様に送ってみよう。」

もう一度手帳君で叔父様を呼び出す。叔父様はすぐ応答してくれた。

「叔父様。通信箱君を送るね。」
『箱になったのかい?手帳じゃなかった?』
「手帳を送る用の箱だよ。」
「うん?」

叔父様が商会の執務室に一人で居ることを確認してから、ゲートを開いた。ゲートの向こうに机が見えるので通信箱君をゲートに突っ込んで机の上に置いてゲートを閉じた。

「置いたよー。」
『うん。今ソーマの手がちょっと見えた。』
「あー‥‥。」
『で、この箱はなあに?どうやって使うの?』
叔父様はゲートから僕の手が見えた事は気にしない様子で、通信箱君の使い方を聞いて来た。
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