自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第6章

第228話 ギルド裏訓練場

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「開催日は三日後の午前です。五の刻に当ギルド裏の訓練場入り口に集合してください。雨天の場合は屋内で行いますが集合場所は同じです。」

申し込んだ「初級野営」は有料講座で参加費は一人銅貨5枚だった。あっさり申し込みが完了した。
集合場所を見にギルドの裏に行ってみるとカン!カン!と剣を交えている音が聞こえてきた。
ギルドの前の通りは普通の街中だったけど、ギルド裏の訓練場は圧迫感があるくらい高い石の壁で囲まれていて雰囲気がだいぶ違っていた。
訓練場入り口の鉄の扉は開け放たれているけど分厚くて頑丈そうだ。
奥の様子をちらりと見ると、何人かが剣を構えて並んでいて、一人がその人達の構えとかを調整している様子だった。講座を受けているのかな。その人達の他に別で訓練をしている人達も居るみたいだ。

「剣術講座かなぁ。僕も早く受けられるようになりたいな。」

ギルベルト君は訓練場の中の様子を興味深げに見つめている。
そういえば剣術の講座は初級からだったから、見習い冒険者はまだ受けられないんだね。

「見習い冒険者は戦闘系の講座は受けられないの?」
「そうみたい。講座受けると魔獣討伐行きたくなっちゃうからって以前言われたよ。」
「そうなんだ。」
見習い冒険者が勝手に魔獣討伐に行って危険な目に遭うのを避けるためなのかな。

三日後に講座で会う約束をして、ギルベルト君とはそこで分かれて冒険者ギルドを後にした。

その後は通りに並んでいるお店を見て回った。市場の様子を見たかったけど、冬の間は市場は午前中しか開いていないらしくて諦めた。次来る時は午前中に来ようっと。

ドライフルーツのお店があったのでお土産用に買った。イチゴのドライフルーツを試食させてもらったら美味しかったので沢山買っちゃった。
ドライフルーツのお店を出た後も、キョロキョロとお店を見て回った。

「ソーマ坊ちゃん、何かお探しですか?」

インゴさんが聞いてくれたので、立ち止まってインゴさんを見上げた。

「うん‥‥。プティのお土産に何か良いものないかなって思って‥‥。」

家族のお土産にドライフルーツ!って思ったんだけど、プティはドライフルーツ食べないんだよね。
お魚は獲って来たばかりだし、食べ物系じゃなくてもいいと思うんだけど、これという物が見つからなかったんだ。

「猫ちゃんのお土産ですか‥‥。」

インゴさんが顎に手を当てて考え込んだ様子になった。

「うん。食べ物でなくてもいいんだけど。」
「うーん‥‥。じゃあ、俺らも何か良さそうな物を見つけたら言いますので、もうちょっと歩いてみますか。」
「うん!」
一度歩いて来た通りを、逆方向からもう一度歩く。
帽子屋さんでもっこもこの帽子を見て、帽子の中にプティが入ったらあったかくて丁度良さそうかなと思ったんだけど値段が高い。
母様にドライフルーツでプティに毛皮の帽子を買って帰ったら、母様に怒られそうだよね。

暫く歩いていたら何処からか鐘の鳴る音が聞こえて来た。
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