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第5章
第212話 黒幕
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大市の時の映像も出て来た。
『私は、ヴェスタン王国のアーメット・バッカス。お名前をお聞きしても?』
『レーナです!』
ヴェスタン王国の人って名乗ってる。
いくつか、ピンクツインテールと大市の広場で、果実水を飲んでいたり、一緒に歩いている映像が表示された。
そして、ピンクツインテール何か渡している映像があったので、再生してみた。
夕暮れ。広場に松明の灯り。弦楽器の緩い音色。
ピンクツインテールと、アーメットとか言う人が広場でダンスを踊っている。
『私は貴女こそが聖女にふさわしいと思いますよ。』
『ありがとう。アーメット様ぁ。でも‥‥中々認めてもらえなくて‥‥』
『貴女は心優しいから‥‥、無意識に他の人を癒すために光属性の魔法を使ってしまっているのではないでしょうか。』
『‥‥そう‥‥そうなのかしら‥‥。』
『ええ、それで、聖なる祈りの時に少しだけ魔力が不足してしまうのでは』
『まさか‥‥そんな‥‥』
『そうでなければ、貴女程の方が、聖女に選ばれないという説明がつきませんよ。』
『まあ‥‥。アーメット様ぁ‥‥。』
『ああ、泣かないで。美しい人。そうだ、貴女にこれを差し上げましょう。』
アーメットが、腰につけていた鞄から黒い布に包まれたものを取り出した。
『魔力増幅の腕輪です。これが有れば‥‥貴女が人々を癒した後でも、聖なる祈りの日にきっと力を発揮してくれることでしょう。』
『アーメット様ぁ』
アーメットが、黒い布の中から、銀色で黒い石がついた腕輪を取り出して、ピンクツインテールの右腕に嵌めた。
ピンクツインテールがアーメットに抱きついた。
魔力増幅の腕輪?
ダンジョンのボス部屋に刺さっていたのは魔力増幅の剣。
同じような物なのか? それを使って聖なる祈りの日に祈る。新月の聖なる祈りの日に、結界が壊れたんだったよね‥‥。
このアーメットって人、真っ黒じゃない?
新月の日のピンクツインテールの映像を検索してみた。
グアン!!と大きくなる鐘の音。直後、バキーン!と何か鈍い音が響く。
教会の扉が勢い良く開いて、ピンクツインテールが飛び出て来た。両手を広げて天を仰ぐ。
『ついに鐘が鳴ったわ!!私が聖女よ!!』
ピンクツインテールの右腕には、黒い石のついた銀の腕輪が鈍い光を放っていた。
数秒後に、カンカンカンカンと、警報のような鐘の音が響いて来た。人の叫び声。
『結界に亀裂ができたぞ!!』
カンカンカンカン。鐘の音が鳴り響き続ける。
教会から、修道服を着た人が二人でてきて、ピンクツインテールの腕を掴んだ。
『一体何があったんです』
『ちょっと!腕を掴まないでよ!私は聖女よ!』
『あちらでお話をしましょう!』
修道服を来た人達が強引にピンクツインテールを教会の中に引っ張って行った。そして教会の扉が閉まった。
カンカンカンカン。鐘の音がいつまでも鳴り続けている。
ここまでの映像を一旦、記録魔石に転送して、叔父様に届けよう。
ダンジョン内で、黒い剣を刺しているところの映像はないけど、ダンジョンに入って行く時に黒い剣を持っていて、出る時には剣を持っていない映像は取れていた。
記録魔石を叔父様のところに送ってから、通話で、簡単に説明をした。
『‥‥そう。調べてみるよ。教会からは、結界に亀裂が入った原因は不明だとしか発表が無かったからね。ありがとう、ソーマ。』
叔父様に、記録魔石の映像を確認して貰っている間に、アーメットの行方を追おう。
現在に近い時間帯で検索をしたら、平原を馬に乗って走っている映像がでてきた。
村の宿に馬を預けて、出かけて行く。何か冒険者っぽい人が沢山。ダンジョン前?
映像の時間を見るとリアルタイムだ。これ、どこのダンジョン?
地図に、この映像の場所を表示させると、狐のダンジョンの入り口だった。
『私は、ヴェスタン王国のアーメット・バッカス。お名前をお聞きしても?』
『レーナです!』
ヴェスタン王国の人って名乗ってる。
いくつか、ピンクツインテールと大市の広場で、果実水を飲んでいたり、一緒に歩いている映像が表示された。
そして、ピンクツインテール何か渡している映像があったので、再生してみた。
夕暮れ。広場に松明の灯り。弦楽器の緩い音色。
ピンクツインテールと、アーメットとか言う人が広場でダンスを踊っている。
『私は貴女こそが聖女にふさわしいと思いますよ。』
『ありがとう。アーメット様ぁ。でも‥‥中々認めてもらえなくて‥‥』
『貴女は心優しいから‥‥、無意識に他の人を癒すために光属性の魔法を使ってしまっているのではないでしょうか。』
『‥‥そう‥‥そうなのかしら‥‥。』
『ええ、それで、聖なる祈りの時に少しだけ魔力が不足してしまうのでは』
『まさか‥‥そんな‥‥』
『そうでなければ、貴女程の方が、聖女に選ばれないという説明がつきませんよ。』
『まあ‥‥。アーメット様ぁ‥‥。』
『ああ、泣かないで。美しい人。そうだ、貴女にこれを差し上げましょう。』
アーメットが、腰につけていた鞄から黒い布に包まれたものを取り出した。
『魔力増幅の腕輪です。これが有れば‥‥貴女が人々を癒した後でも、聖なる祈りの日にきっと力を発揮してくれることでしょう。』
『アーメット様ぁ』
アーメットが、黒い布の中から、銀色で黒い石がついた腕輪を取り出して、ピンクツインテールの右腕に嵌めた。
ピンクツインテールがアーメットに抱きついた。
魔力増幅の腕輪?
ダンジョンのボス部屋に刺さっていたのは魔力増幅の剣。
同じような物なのか? それを使って聖なる祈りの日に祈る。新月の聖なる祈りの日に、結界が壊れたんだったよね‥‥。
このアーメットって人、真っ黒じゃない?
新月の日のピンクツインテールの映像を検索してみた。
グアン!!と大きくなる鐘の音。直後、バキーン!と何か鈍い音が響く。
教会の扉が勢い良く開いて、ピンクツインテールが飛び出て来た。両手を広げて天を仰ぐ。
『ついに鐘が鳴ったわ!!私が聖女よ!!』
ピンクツインテールの右腕には、黒い石のついた銀の腕輪が鈍い光を放っていた。
数秒後に、カンカンカンカンと、警報のような鐘の音が響いて来た。人の叫び声。
『結界に亀裂ができたぞ!!』
カンカンカンカン。鐘の音が鳴り響き続ける。
教会から、修道服を着た人が二人でてきて、ピンクツインテールの腕を掴んだ。
『一体何があったんです』
『ちょっと!腕を掴まないでよ!私は聖女よ!』
『あちらでお話をしましょう!』
修道服を来た人達が強引にピンクツインテールを教会の中に引っ張って行った。そして教会の扉が閉まった。
カンカンカンカン。鐘の音がいつまでも鳴り続けている。
ここまでの映像を一旦、記録魔石に転送して、叔父様に届けよう。
ダンジョン内で、黒い剣を刺しているところの映像はないけど、ダンジョンに入って行く時に黒い剣を持っていて、出る時には剣を持っていない映像は取れていた。
記録魔石を叔父様のところに送ってから、通話で、簡単に説明をした。
『‥‥そう。調べてみるよ。教会からは、結界に亀裂が入った原因は不明だとしか発表が無かったからね。ありがとう、ソーマ。』
叔父様に、記録魔石の映像を確認して貰っている間に、アーメットの行方を追おう。
現在に近い時間帯で検索をしたら、平原を馬に乗って走っている映像がでてきた。
村の宿に馬を預けて、出かけて行く。何か冒険者っぽい人が沢山。ダンジョン前?
映像の時間を見るとリアルタイムだ。これ、どこのダンジョン?
地図に、この映像の場所を表示させると、狐のダンジョンの入り口だった。
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