上 下
210 / 466
第5章

第210話 虎ダンジョン

しおりを挟む
父様達は、魔法で雪ごと魔獣を吹き飛ばしたから王都の南門までの道のりは、綺麗に除雪できた状態になったようだ。

さらに、南門から屋敷までの道と、王宮までの道も除雪をしたんだそうだ。
王宮までの道を除雪したのは、何か有ったときに王宮の騎士に動いてもらえないと困るからなんだって。

そんな話を聞きながらいつの間にか眠ってしまったらしくて、気がついたらソファーに横たわって毛布をかけてもらっていた。

「ソーマ。お部屋で寝る?疲れたよね。」
「ん‥‥。みんなで一緒にいないといけないんじゃ‥‥。」
「もう皆落ち着いて来たから大丈夫だよ。そもそも屋敷は安全だからね。」

部屋に行っていいっていうなら、部屋のベッドで眠ろう。考えてみたら列車で3時間移動したりしてたからかな。なんか凄く眠い。

自分の部屋に行こうとしたら、兄様が着いて来てくれた。自分の部屋くらい一人で行けるいけるんだけど、心配なんだろうか。
ベッドに寝かしつけられて、兄様に頭を撫でられた。

「ソーマ、今日はありがとう。‥‥‥ソーマのおかげで、アリサもミラ嬢も助かったんだよ。‥‥ソーマのことは僕が護るからね。」
「兄様‥‥?」

ぽんぽんと頭を撫でられていたら、気持ちよくって、また眠くなってしまった。
そのまま眠ってしまったようで、気がついたら、明け方だった。

「あれ、夕ご飯、食べたっけ?」

夕ご飯食べていないうちに朝が来ちゃう。これからご飯を食べたら何ご飯になるんだろう。
そんな事を考えながら置き出した。サイドテーブルの上に、シーサーペントの革本が置いてある。
どうなったかなと思って、ページを開いて地図を見た。
王都周辺には、赤い点はほぼなくなっていた。そして東と西のダンジョンは、青いまま細かく点滅している。
気のせいか青い色が薄くなってる気がする。

なんだろう。
ダンジョンの入り口前に開けた大穴の底からダンジョン内に続くように開いたゲート。
そのゲートから偵察君を送り込んだ。

『ゴフッ!ゴフッ!』

低い声、蹲っているのは虎?
黄色にシマシマ。筋肉質な体格。
大きな虎が、床に蹲っていた。

何か、見た事ある雰囲気。魔獣の入れ替えの時と同じような感じだ。

『ゴフッ‥‥うう‥‥』
様子をみていたら、ずずずと、虎が床に見を横たえた。


ーーーーダンジョンコアの疲弊により、機能が著しく低下しました。ダンジョンの制御権が移動します。受けますか?(Yes or No)

ええ?

「い、Yes」

魔獣の入れ替えの時と同じだ。力とともに、ダンジョンの情報とかが流れてくるのがわかった。

『だ、誰‥‥?』

おっと、遠隔で見てたんだった。

ゲートをオープンして、ダンジョン内に入った。

「こ、こんにちは!」

「あ、あなたネン‥‥。ダンジョンに何したのヨン」

凄い低いだみ声の虎のオネエさんだ。

「魔獣が外に出てたから戻したんだ。そうしないと姉様達が危険だったから。」

弱らせちゃって申し訳ない気持ちはあるけど、姉様の安全を僕は優先するよ。
きゅっと唇に力を入れて、虎さんをみると、頭だけ起こしてこちらを見ていた虎さんが、ごろんと床に転がる。

「棘刺したのは、あなたではないわネン‥‥。」

「棘?」

「第三階層のボス部屋に棘さしてったやつがいたのネン。」

そういわれて意識を第三階層に飛ばすと、なんか様子が変なのわかった。それと、何となく知ってる感じ。

「もしかしてウーニャンとこのオーサンと一緒?」
「何よそれ?」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

元おっさんは異世界を楽しむ

たまゆら
ファンタジー
不慮の事故によって死んだ須藤ナイト(45)は16歳に若返って新たな世界に転移する。 早々に人狼の幼女達と出会ったナイトは、とりあえず幼女の村で世話をしてもらうことになる。 と、思いきや、幼女の村に強大なモンスターが襲撃してきて……。 そんなドタバタな始まりを迎えるも、元おっさんの異世界生活は順調です!

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

幼馴染みが婚約者になった

名無しの夜
ファンタジー
 聖王なくして人類に勝利なし。魔族が驚異を振るう世界においてそう噂される最強の個人。そんな男が修める国の第三王子として生まれたアロスは王家の血筋が絶えないよう、王子であることを隠して過ごしていたが、そんなアロスにある日聖王妃より勅命が下る。その内容は幼馴染みの二人を妻にめとり子供を生ませろというもの。幼馴染みで親友の二人を妻にしろと言われ戸惑うアロス。一方、アロスが当の第三王子であることを知らない幼馴染みの二人は手柄を立てて聖王妃の命令を取り消してもらおうと、アロスを連れて旅に出る決心を固める。

【北の果てのキトゥルセン】 ~辺境の王子に転生したので、まったり暮らそうと思ったのに、どんどん国が大きくなっていく件について~

次元謄一
ファンタジー
タイトル変更しました→旧タイトル 「デッドエンドキングダム ~十五歳の魔剣使いは辺境から異世界統一を目指します~」 前世の記憶を持って生まれたオスカーは国王の落とし子だった。父の死によって十五歳で北の辺境王国の統治者になったオスカーは、炎を操る魔剣、現代日本の記憶、そしてなぜか生まれながらに持っていた【千里眼】の能力を駆使し、魔物の森や有翼人の国などを攻略していく。国内では水車を利用した温泉システム、再現可能な前世の料理、温室による農業、畜産業の発展、透視能力で地下鉱脈を探したりして文明改革を進めていく。 軍を使って周辺国を併合して、大臣たちと国内を豊かにし、夜はメイド達とムフフな毎日。 しかし、大陸中央では至る所で戦争が起こり、戦火は北までゆっくりと、確実に伸びてきていた。加えて感染するとグールになってしまう魔物も至る所で発生し……!? 雷を操るツンデレ娘魔人、氷を操るクール系女魔人、古代文明の殺戮機械人(女)など、可愛いけど危険な仲間と共に、戦乱の世を駆け抜ける! 登場人物が多いので結構サクサク進みます。気軽に読んで頂ければ幸いです。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

【完結】猫化の呪い持ちを隠して嫁がされたのに何故か溺愛されています!

長船凪
恋愛
ヴィルシュテッター帝国、ゼーネフェルダ子爵家の長女にとして生まれたエリアナ・ド・ゼーネフェルダ。 満月の晩に獣に変身する(猫耳に尻尾を持つ姿)呪い持ちの子爵令嬢。 旦那様は竜族の血を引子孫のゴードヘルフ・ラ・クリストロ小公爵。 そこに嫁ぎ、子を産むと早死にすると世間では恐れられていた。 今の公爵夫人は再婚で二人目。 呪い持ちを隠して輿入れさせられたのは、父が事業に失敗したあげく、カジノで起死回生を狙うも失敗し、借金が増えた為。 そんな中、不意に届けられた竜族の血を引く一族の末裔、クリストロフ公爵家からの子爵家への求婚状。 何故か子爵家の令嬢なら誰でも良いような書き方で、しかし結婚支度金が多く、金に目が眩んだ子爵は即、娘を売り飛ばすことにした。 しかし、満月の夜にケモ耳っ娘に変身する呪い持ちのエリアナだったが、実はある特殊な権能があった。その権能はデメリットつきではあるが、夢の中の図書館にて異世界の記録、物語、知識等を得られるものであった。 *カクヨム等で先行投稿しています。

召喚されたけど不要だと殺され、神様が転生さしてくれたのに女神様に呪われました

桜月雪兎
ファンタジー
召喚に巻き込まれてしまった沢口香織は不要な存在として殺されてしまった。 召喚された先で殺された為、元の世界にも戻れなく、さ迷う魂になってしまったのを不憫に思った神様によって召喚された世界に転生することになった。 転生するために必要な手続きをしていたら、偶然やって来て神様と楽しそうに話している香織を見て嫉妬した女神様に呪いをかけられてしまった。 それでも前向きに頑張り、楽しむ香織のお話。

異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか

片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生! 悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした… アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか? 痩せっぽっちの王女様奮闘記。

処理中です...