自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第5章

第198話 ダンジョン潜入

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列車が走り出した。ガタンゴトンって言うかと思ったけど、「ゴー」って感じの音。目立った揺れも無く滑らか。

ーーーー次は狐ダンジョン駅。

前方に作った表示板に、表示がされる。停車の状態も確認するので、ダンジョン毎に仮の駅を作成している。出口はなくてホームしかない駅だけど。
駅名は‥‥後でちゃんと考えよう。ダンジョンって名前がでちゃうとまずいもんね。

狐ダンジョン駅に近づいてきて、列車が減速していく。すーっとホームを通り過ぎたところで止まった。

「目標地点を通りすぎてるガウ。トカゲ、ちゃんとやるガウ。」

車両の先頭の停車予定ラインを大幅に越えていたので、ルー君が、ウーニャンに文句を言っている。

「減速開始位置をもっと手前にするぞぉー。」

ルー君が、運転手ゴーレムに指示を出している。最初の位置に戻ろうとしているので、声をかける。

「ルー君、戻らないでも、次の駅で試せばいいよ。」
「わかったぞぉ~」
「トカゲ、次はおまいの駅コン。しっかりするコン。」

クーちゃんが、ウーニャンを応援している。出発駅がイタチのダンジョン駅。次が、狐のダンジョン駅。ドラゴンのダンジョン駅と続いて、最後が王都近くの狼のダンジョン駅。

うん、ちゃんと駅名考えないと。

ドラゴンのダンジョン駅では、ホームよりちょっと手前に列車が止まったので、また、ルー君がブツブツ言っていたけど、終点の狼ダンジョン駅ではぴったりと止まったので皆でハイタッチ。
王都、エルストベルク間の半分くらいの距離だけど、途中駅で停車とかしても、片道数時間で行けた。直通運転ならもっとスピード出せるかも。
希望が見えてきたところで、その日はタイムアップ。
それから何日かかけて、直通運転の場合だったり、速度アップした場合だったりと実験を繰り返した。

大体、速度を調整すれば、問題なくダンジョン鉄道がつくれそうなので、実験をしている間に迂回路ルートで、ダンジョンの穴を繋げて、本格稼働に向けて準備を進めた。
地図に迂回路ルートのダンジョン鉄道のコースが、表示される。黄色いダンジョンのエリアを綺麗に避けて、コースがコースが作られている。
開通すれば、ゴーレムが運転するから休みなく進めるので、一日以内で王都まで行けるんじゃないかな、と思う。

馬車で行き来するよりかなり、時間が短縮できる。‥‥なんだけど、黄色いダンジョンのエリアがやっぱり気になっちゃうんだよね。
黄色いダンジョンのエリアを通過できれば、コースが2/3になる。週末のお休みだけでも兄様が往復できるかもしれないんだよ。

実験と、迂回路ルートを含めたコースの準備は、ダンジョンマスター達が進めてくれているから、ちょっと黄色いダンジョンの様子を見に行ってみようかな。
ダンジョンマスターにお願いしたら、直線ルートが作れるかもしれないし。

ストレージルームに入って、壁にマップを表示。黄色いダンジョンエリアを拡大。ダンジョンの入り口を見つけた。
入り口は、近隣の冒険者ギルドが管理しているらしくて、ダンジョン前に柵が出来ていて、職員らしき人が、入場する冒険者証をチェックしている。

一定以上のランクの冒険者じゃないと入場できないらしい。

僕が今迄見たダンジョンは、魔獣の入れ替えで、柵も何もなくなっていてひたすら魔獣が飛び出していた光景ばかりみていたから、管理されているダンジョンってちょっと新鮮で面白い。

入り口でチェックされている冒険者に続いて、偵察君を何体か飛ばして、一緒にダンジョンに入る。

冒険者の背中にくっついていた偵察君以外は、ぽよんと弾き返された。ダンジョンの魔法耐性みたいなやつで、簡単には入れないみたい。
でも、冒険者の身体にくっついていた偵察君は、何の抵抗も無く入れたので、他の冒険者にも偵察君をくっつけて中に入った。
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