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第5章
第197話 ダンジョン鉄道
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「ダンジョンの形状を変えることもできるからダンジョン内を真直ぐのトンネル上にして、線路引いたら、誰にも干渉されない鉄道がつくれない?」
(ここが干渉するにゃ)
プティが立ち上がって、地図の黄色い点の上に肉球を置いた。
ダンジョンは特殊な空間だから、黄色いダンジョンのところを飛び越えて、制御しているダンジョン間をゲートで繋げることは、できなくはないけど、
間に他のダンジョンがあると、干渉をするから、まっすぐに繋ぐのは難しいみたい。
(ぐるっとしたほうが楽ニャ)
黄色いダンジョンの場所をぐるりと迂回して、他の緑で表示しているダンジョンをつなぐように、前足をうごかした。
「そうすると距離は大分ちがっちゃうよね。」
まっすぐに伸ばした紐を地図の上の王都とエルストベルクの間に乗せる。
もう一本紐を黄色いダンジョンを迂回するようにして乗せる。印を付けて、長さを比べる。
真直ぐに伸ばした紐の半分くらい、迂回した時の紐が長い。
「1.5倍かあ~。」
1.5倍は結構大きい。4日かかるところが6日ってことだよね。
「でも迂回すればダンジョン鉄道は可能なのかな。」
ゲートを開いて、ウーニャンのダンジョンにのコアルーム入る。
そうしたら、床に小さいドラゴンが丸くなっていた。
「ウーニャン、どうしたの?」
「‥‥四つ足のゴーレムとしか~言われないんだぞ~。」
僕が頼んで作ってもらった「馬型ゴーレム」を、階層ボスにしてみたらしいんだけど、来た冒険者が皆「四つ足ゴーレム」って呼んでいて、「馬型」って呼ばないから
凹んでいたらしい。
「馬に見えないんだぞ~」
「‥‥馬にしては強すぎるんだよきっと。強いならいいじゃん。」
火を吹くし、石つぶてを飛ばすし、パオーンって鳴くんだよね。
「そうかぁ~?」
「馬もどき君を使ってみたけど、凄い便利だったよ。皆にも好評だった。」
「そうかあ~!」
少しずつ、ウーニャンの声が元気になってきた。
「ねえ、ウーニャン。また思いついたのがあってさ。ちょっと実験したいんだけど。」
王都付近のダンジョンから、黄色表示のダンジョンの手前までを真直ぐに繋いだ。
真っ平らにした床に、レールを敷いて、その上に、列車を乗せる。
「トカゲ、レールの幅がずれてるガウ。ちゃんとやるガウ。」
「厚みも違うキー。ガタゴトになるキー。」
ダンジョン間を繋いだ道をつくったので、ダンジョンマスター皆で実験鉄道を手伝ってくれている。
レールを引く役目は、ウーニャンの他に、狼のダンジョンマスターのルー君。
ルー君は王都から近いところにあるダンジョンのダンジョンマスターだ。
列車を用意してくれるのは、クーちゃんと、イタチのダンジョンマスターのドニーニャン。
ルー君の「ルー」はフランス語で狼の意味なのでそのまんまだ。ドニーニャンは、ポルトガル語でいたちは「ドニーニャ」というから、ドニーニャンになったんだ。
レールの厚みを気にして見ているドニーニャンに、クーちゃんが呼びかける。
「いたち!さぼってないで列車をつくるコン。」
「さぼってないキー。確認だキー!」
列車は一度平原で実験したときに使ったものを元にして作ってもらっている。
「くーちゃん。実験だから列車の内装は、とりあえずそのままでいいからね。」
「わかったコン。」
車体の内部をチェックしているクーちゃんに念のため言っておく。
喧嘩しているみたいに言い合ってるけど、仕事は早い。新しく引いたレールの幅に合わせて、車両を三台繋げた列車ができあがった。
「早く走らせるぞぉ~」
「慌てるなガウ。ちゃんと確認してからだガウ」
ルー君は慎重なタイプみたいだ。一度、レールの上を走って往復して確認してる。
その間に、地上への出入り口作りも実験。
鉄道として使うなら、ダンジョンに入って来た人が迷い込んで来ても困るんだ。でも、ダンジョンの一部だから完全に分離はできない。
そこで、通常のダンジョンとは、直径5cmくらいの極々小さい通路で繋ぐようにした。念のため、水とか音とかは通さないようにしている。毒ガスみたいな物が発生しても通さないようにしておかないとね。
空気の循環はするようにしておこう。
後は、地上と繋ぐところ。ホームを作って、そこから、階段で上がると無人のボス部屋。さらに階段が続いて地上。ボス部屋を経由すると入場を制限できる。
ボス部屋のところが改札。パスを持った人だけ通すようにする。
形も改札にしてみた。パスをかざすと先に進める。
試しに通ってみて、階段を下りてホームに出ると、もうルー君が戻って来ていた。
「確認してきたガウ。出発ガウ。」
「狼が仕切るなコン。」
「そーだぞぅ~」
「ルー君確認ありがとう!皆で乗って行ってみようよ。」
僕が先頭車両に乗り込むと、すぐ後ろにプティが着いて来て、ピョンと僕の肩の上に乗った。
ぞろぞろ皆乗り込んでくる。車両は3台繋がっているから、先頭車両以外にも乗って欲しいんだけど、皆先頭車両に乗りたいみたい。最初だからいいか。
運転は、ウーニャンが作ったゴーレムにおまかせ。
出発進行!
(ここが干渉するにゃ)
プティが立ち上がって、地図の黄色い点の上に肉球を置いた。
ダンジョンは特殊な空間だから、黄色いダンジョンのところを飛び越えて、制御しているダンジョン間をゲートで繋げることは、できなくはないけど、
間に他のダンジョンがあると、干渉をするから、まっすぐに繋ぐのは難しいみたい。
(ぐるっとしたほうが楽ニャ)
黄色いダンジョンの場所をぐるりと迂回して、他の緑で表示しているダンジョンをつなぐように、前足をうごかした。
「そうすると距離は大分ちがっちゃうよね。」
まっすぐに伸ばした紐を地図の上の王都とエルストベルクの間に乗せる。
もう一本紐を黄色いダンジョンを迂回するようにして乗せる。印を付けて、長さを比べる。
真直ぐに伸ばした紐の半分くらい、迂回した時の紐が長い。
「1.5倍かあ~。」
1.5倍は結構大きい。4日かかるところが6日ってことだよね。
「でも迂回すればダンジョン鉄道は可能なのかな。」
ゲートを開いて、ウーニャンのダンジョンにのコアルーム入る。
そうしたら、床に小さいドラゴンが丸くなっていた。
「ウーニャン、どうしたの?」
「‥‥四つ足のゴーレムとしか~言われないんだぞ~。」
僕が頼んで作ってもらった「馬型ゴーレム」を、階層ボスにしてみたらしいんだけど、来た冒険者が皆「四つ足ゴーレム」って呼んでいて、「馬型」って呼ばないから
凹んでいたらしい。
「馬に見えないんだぞ~」
「‥‥馬にしては強すぎるんだよきっと。強いならいいじゃん。」
火を吹くし、石つぶてを飛ばすし、パオーンって鳴くんだよね。
「そうかぁ~?」
「馬もどき君を使ってみたけど、凄い便利だったよ。皆にも好評だった。」
「そうかあ~!」
少しずつ、ウーニャンの声が元気になってきた。
「ねえ、ウーニャン。また思いついたのがあってさ。ちょっと実験したいんだけど。」
王都付近のダンジョンから、黄色表示のダンジョンの手前までを真直ぐに繋いだ。
真っ平らにした床に、レールを敷いて、その上に、列車を乗せる。
「トカゲ、レールの幅がずれてるガウ。ちゃんとやるガウ。」
「厚みも違うキー。ガタゴトになるキー。」
ダンジョン間を繋いだ道をつくったので、ダンジョンマスター皆で実験鉄道を手伝ってくれている。
レールを引く役目は、ウーニャンの他に、狼のダンジョンマスターのルー君。
ルー君は王都から近いところにあるダンジョンのダンジョンマスターだ。
列車を用意してくれるのは、クーちゃんと、イタチのダンジョンマスターのドニーニャン。
ルー君の「ルー」はフランス語で狼の意味なのでそのまんまだ。ドニーニャンは、ポルトガル語でいたちは「ドニーニャ」というから、ドニーニャンになったんだ。
レールの厚みを気にして見ているドニーニャンに、クーちゃんが呼びかける。
「いたち!さぼってないで列車をつくるコン。」
「さぼってないキー。確認だキー!」
列車は一度平原で実験したときに使ったものを元にして作ってもらっている。
「くーちゃん。実験だから列車の内装は、とりあえずそのままでいいからね。」
「わかったコン。」
車体の内部をチェックしているクーちゃんに念のため言っておく。
喧嘩しているみたいに言い合ってるけど、仕事は早い。新しく引いたレールの幅に合わせて、車両を三台繋げた列車ができあがった。
「早く走らせるぞぉ~」
「慌てるなガウ。ちゃんと確認してからだガウ」
ルー君は慎重なタイプみたいだ。一度、レールの上を走って往復して確認してる。
その間に、地上への出入り口作りも実験。
鉄道として使うなら、ダンジョンに入って来た人が迷い込んで来ても困るんだ。でも、ダンジョンの一部だから完全に分離はできない。
そこで、通常のダンジョンとは、直径5cmくらいの極々小さい通路で繋ぐようにした。念のため、水とか音とかは通さないようにしている。毒ガスみたいな物が発生しても通さないようにしておかないとね。
空気の循環はするようにしておこう。
後は、地上と繋ぐところ。ホームを作って、そこから、階段で上がると無人のボス部屋。さらに階段が続いて地上。ボス部屋を経由すると入場を制限できる。
ボス部屋のところが改札。パスを持った人だけ通すようにする。
形も改札にしてみた。パスをかざすと先に進める。
試しに通ってみて、階段を下りてホームに出ると、もうルー君が戻って来ていた。
「確認してきたガウ。出発ガウ。」
「狼が仕切るなコン。」
「そーだぞぅ~」
「ルー君確認ありがとう!皆で乗って行ってみようよ。」
僕が先頭車両に乗り込むと、すぐ後ろにプティが着いて来て、ピョンと僕の肩の上に乗った。
ぞろぞろ皆乗り込んでくる。車両は3台繋がっているから、先頭車両以外にも乗って欲しいんだけど、皆先頭車両に乗りたいみたい。最初だからいいか。
運転は、ウーニャンが作ったゴーレムにおまかせ。
出発進行!
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