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第5章
第196話 ダンジョン活用
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「ソーマ、夕食だって。行こう。」
兄様が、夕食に呼びに来た。
「はあい」
僕は、シーサーペントの本を閉じて、椅子から降りた。
宿の食事は美味しかったけど、周りを騎士さん達に囲まれていたから、街の人にダンジョンの事を聞くようなタイミングはなかった。
また後で、酒場の様子を見に行った方がよさそうだった。
食事を終えてから、もう一度、偵察君で酒場の様子を見てみた。
先程ダンジョンの話題をしていた人達は、もうどこかに行ってしまったのか、姿は見当たらなかった。
他の冒険者っぽい人達の、会話を拾ってみたけど、なかなかダンジョンの話題が出て来なかった。
やっと聞こえた情報によると、第二階層で、「バラ絵」の意味はわかるけど、第二階層を攻略した人がその人の知り合いにはいなくて、攻略方法がわからないということだった。
第一階層のボスと同じように、第二階層のボスも、剣も弓も魔法も効かないんだって。
なかなか攻略できないから儲からないし、つまらないってことなのかな。
考え込んでいたら、兄様に早く寝なさいって言われて、毛布をかけてもらっちゃった。
今回の馬車の旅は、あまり揺れたりしないけど、長旅だから、ちゃんと横になれる時に休んでおきなさいって。
兄様が毛布をかけると、僕のお腹の上辺りに、プティが乗って来た。ぎゅっぎゅって踏まれると、ちょっと苦しい。
それから、僕の胸の上に箱座り。重いよ~。可愛いよ~。
「にゃーん。」
「プティ、お休み。兄様おやすみなさい。」
「ソーマ、プティ、お休み。」
僕が挨拶したら兄様が、ランプの灯りを消した。
王都を出発してから、四日でエルストベルクに到着した。
王都に向かったときは、14日かかったので、すごくあっという間に感じた。
母様は、野営がなかったので、凄く良かったと、ご機嫌だった。僕は野営とかは結構好きなんだけどな。
着いたよって、叔父様に連絡したら、凄く安心したようだった。もう、王都は、雪が降り始めていて、旅の間大丈夫か心配だったんだって。
エルストベルクは王都よりかなり南にあるせいか、まだそんなに寒くない。季節が少し戻ったような感じだった。
やっぱり王都とは距離があるんだな。
馬もどき君で四日。多分、交代とかで夜通し運転したら、もっと早く移動できるんだろうけど。
今回は、早めに宿を確保したりとかしていたし、急いだら後1日くらい早くなったりするかな。それでも3日かあ。
「もう少しだけ早く移動できるようにならないかなぁ」
僕は部屋で地図を広げた。
現在地を示す青い点は、王都からかなり南に表示されていた。
青い点が今迄表示がされていた軌跡を表示。山とかを避けて、少し曲線を描いて、王都から続く道。
その軌跡を指でなぞる。
兄様が学園に通うようになったら、兄様はずっと王都にいて、何ヶ月も会えなくなっちゃう。叔父様も姉様も。
もっと気軽に行き来できるようになるといいんだけど。
「地上で魔獣にぶつかるなら、地下に穴を掘って、地下鉄みたいにできないかな。」
「にゃーん。」
(地下にもモグラとかミミズの魔獣はいるにゃよ。)
「ええー?」
プティの話だと、ミミズの魔獣は「シーサーペントよりはちょっと小さい」らしい。
「地下道を掘って、そこで魔獣に襲われたら逃げられないし。壁をうーんと丈夫にするとか?」
穴を掘ってから、その穴を物理耐性とかをつけて、強化したら、魔獣に破られないようになるだろうか。でも付与した魔力が弱まっちゃったら困るかな。
ふと、地図をみていて、「つまらないダンジョン」があった付近を見た。
「ねえ、プティ。地下に穴を掘ったらダンジョンにぶつかったりする?穴掘ってていつの間にか、ダンジョンに出ちゃって。魔獣が沢山とか嫌だよね。」
(ダンジョンはダンジョンにゃ。特殊空間にゃから、普通は外から穴を掘ってダンジョンに出たりはしないにゃよ。)
プティは箱座りをして、一緒に地図を見つめている。
そういえば、僕がダンジョン潰しをしたとき、土魔法でどんなに地中深く穴を掘っても、自然にダンジョンの中に出る事はなかった。
堀った穴の位置が、ダンジョンの場所と物理的に近くなることはあっても、そとからダンジョンに穴は開けられなかった。ゲートで強引に繋いだだけだったんだよね。
「それならここから真直ぐ王都まで穴を掘ったからって、途中で、『つまらないダンジョン』にでちゃうって心配はないかぁ。‥‥あれ?ちょっと待って。」
地図にダンジョンの位置を表示させる。王都からエルストベルク迄の間には、緑表示のダンジョンと1つだけ黄色表示のダンジョン。
僕が制御しているダンジョンは簡単にゲートで繋げられた。ダンジョン内の魔獣のコントロールもできる。ダンジョンの外から物理的に突き破られることはない。
兄様が、夕食に呼びに来た。
「はあい」
僕は、シーサーペントの本を閉じて、椅子から降りた。
宿の食事は美味しかったけど、周りを騎士さん達に囲まれていたから、街の人にダンジョンの事を聞くようなタイミングはなかった。
また後で、酒場の様子を見に行った方がよさそうだった。
食事を終えてから、もう一度、偵察君で酒場の様子を見てみた。
先程ダンジョンの話題をしていた人達は、もうどこかに行ってしまったのか、姿は見当たらなかった。
他の冒険者っぽい人達の、会話を拾ってみたけど、なかなかダンジョンの話題が出て来なかった。
やっと聞こえた情報によると、第二階層で、「バラ絵」の意味はわかるけど、第二階層を攻略した人がその人の知り合いにはいなくて、攻略方法がわからないということだった。
第一階層のボスと同じように、第二階層のボスも、剣も弓も魔法も効かないんだって。
なかなか攻略できないから儲からないし、つまらないってことなのかな。
考え込んでいたら、兄様に早く寝なさいって言われて、毛布をかけてもらっちゃった。
今回の馬車の旅は、あまり揺れたりしないけど、長旅だから、ちゃんと横になれる時に休んでおきなさいって。
兄様が毛布をかけると、僕のお腹の上辺りに、プティが乗って来た。ぎゅっぎゅって踏まれると、ちょっと苦しい。
それから、僕の胸の上に箱座り。重いよ~。可愛いよ~。
「にゃーん。」
「プティ、お休み。兄様おやすみなさい。」
「ソーマ、プティ、お休み。」
僕が挨拶したら兄様が、ランプの灯りを消した。
王都を出発してから、四日でエルストベルクに到着した。
王都に向かったときは、14日かかったので、すごくあっという間に感じた。
母様は、野営がなかったので、凄く良かったと、ご機嫌だった。僕は野営とかは結構好きなんだけどな。
着いたよって、叔父様に連絡したら、凄く安心したようだった。もう、王都は、雪が降り始めていて、旅の間大丈夫か心配だったんだって。
エルストベルクは王都よりかなり南にあるせいか、まだそんなに寒くない。季節が少し戻ったような感じだった。
やっぱり王都とは距離があるんだな。
馬もどき君で四日。多分、交代とかで夜通し運転したら、もっと早く移動できるんだろうけど。
今回は、早めに宿を確保したりとかしていたし、急いだら後1日くらい早くなったりするかな。それでも3日かあ。
「もう少しだけ早く移動できるようにならないかなぁ」
僕は部屋で地図を広げた。
現在地を示す青い点は、王都からかなり南に表示されていた。
青い点が今迄表示がされていた軌跡を表示。山とかを避けて、少し曲線を描いて、王都から続く道。
その軌跡を指でなぞる。
兄様が学園に通うようになったら、兄様はずっと王都にいて、何ヶ月も会えなくなっちゃう。叔父様も姉様も。
もっと気軽に行き来できるようになるといいんだけど。
「地上で魔獣にぶつかるなら、地下に穴を掘って、地下鉄みたいにできないかな。」
「にゃーん。」
(地下にもモグラとかミミズの魔獣はいるにゃよ。)
「ええー?」
プティの話だと、ミミズの魔獣は「シーサーペントよりはちょっと小さい」らしい。
「地下道を掘って、そこで魔獣に襲われたら逃げられないし。壁をうーんと丈夫にするとか?」
穴を掘ってから、その穴を物理耐性とかをつけて、強化したら、魔獣に破られないようになるだろうか。でも付与した魔力が弱まっちゃったら困るかな。
ふと、地図をみていて、「つまらないダンジョン」があった付近を見た。
「ねえ、プティ。地下に穴を掘ったらダンジョンにぶつかったりする?穴掘ってていつの間にか、ダンジョンに出ちゃって。魔獣が沢山とか嫌だよね。」
(ダンジョンはダンジョンにゃ。特殊空間にゃから、普通は外から穴を掘ってダンジョンに出たりはしないにゃよ。)
プティは箱座りをして、一緒に地図を見つめている。
そういえば、僕がダンジョン潰しをしたとき、土魔法でどんなに地中深く穴を掘っても、自然にダンジョンの中に出る事はなかった。
堀った穴の位置が、ダンジョンの場所と物理的に近くなることはあっても、そとからダンジョンに穴は開けられなかった。ゲートで強引に繋いだだけだったんだよね。
「それならここから真直ぐ王都まで穴を掘ったからって、途中で、『つまらないダンジョン』にでちゃうって心配はないかぁ。‥‥あれ?ちょっと待って。」
地図にダンジョンの位置を表示させる。王都からエルストベルク迄の間には、緑表示のダンジョンと1つだけ黄色表示のダンジョン。
僕が制御しているダンジョンは簡単にゲートで繋げられた。ダンジョン内の魔獣のコントロールもできる。ダンジョンの外から物理的に突き破られることはない。
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