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第5章
第176話 怪しい物まとめ買い
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ーーーー笑い茸にゃ。食べると笑いがとまらなくなるにゃ。
ーーーー痺れ茸にゃ。食べると痺れるにゃ。
ーーーー力茸にゃ。食べると力が強くなるにゃ。でも動きが遅くなるにゃ。力だけ‥‥。効果は一日くらいニャ。
怪しいキノコがある。‥‥駄洒落っぽいのはスルーしておこう。
ポイズントレントの花蜜は大きめの壷に入った状態で麻袋に入っていた。
ーーーーポイズントレントの樹液、にゃ。ポイズントレントの呪毒を解毒するにゃ。花蜜より薄いにゃ。
ーーーーポイズントレントの実にゃ。刺に触ると呪毒で腫れ上がるにゃ。
ポイズントレントシリーズだ。樹液と、毒の実そのものもある。実が麻袋にそのままの状態で入っていて、袋を開けたひとがうっかり触るとあぶないんだけど‥‥。
麻袋の口を開いて中を覗き込んだ兄様も、気がついて、眉をひそめている。ポイズントレントの実は紫色のトゲトゲがあるから、知っている人は見てすぐわかるんだよね。
「‥‥これは‥‥まとめて買おう。」
兄様はポイズントレントの実をそのままにしておきたくなかったのか、即決してしまった。
麻袋は全部で14個あった。一袋銀貨1枚なら銀貨14枚分なので、全部まとめて銀貨10枚なら一応お得ってことだ。まあ、使いそうも無い物も多いんだけど。
「おやいいのかい?」
おばあさんは、意外そうな顔をした。荷物がさばけて嬉しかったのかサービスだといって、見本が入っていた小さい壷もくれた。
喉にいいっていう飴玉もくれたよ。
飴玉の入った紙袋と見本の小さい壷は僕の肩掛け鞄に入れた。そのまま鞄の中の巾着袋にインだ。
それ以外は、インゴさんが借りて来た手押し車に乗せて行く。手押し車を貸し出すサービスがあって、それで馬車まで運んでから返却するシステムらしい。
人目につかないところに行ったら、マジック財布に入れる予定。
一度、建物の外に出た。荷物をマジック財布に移すのかと思ったら、入り口近くに設置された手洗い場所で、手を洗わされた。
ポイズントレントの実が入った麻袋とかがあったから、身体に良くない物を触っている可能性があるから念のためだって。
兄様が鉄貨を手渡してくれた、それを係の人に渡すと、係の人が水瓶から柄杓で水をすくって、側溝の上で手にかけてくれる。
チップ制なんだね。
「ありがとう。」と言ったら、係の人がにっこりと微笑んでくれた。
そしてその後、一旦馬車のところに戻った。
人が多くて、買ったものをマジック財布に移すと目立ちそうだったこともあったけど、兄様は、ポイズントレントの実が入った麻袋をマジック財布でも、僕に持たせたくなかったみたい。
「被害者が出るとまずいから、回収したけど、馬車に乗せておくのもちょっと嫌だな。」
兄様は、ポイズントレントの実が入った麻袋を忌々しそうに見た。棘が麻袋を突き破って手に刺さる恐れがあるから近づかないように言われる。
「兄様、さっき香辛料を買ったときに貰った布の袋に入れたら大丈夫なんじゃない?」
僕は、香辛料を、マジック財布に移して、空いた布袋を兄様に見せた。布袋は分厚くて、目が細かいので、棘が外にはでそうもない。
兄様が頷くと、リヒャルトさんとインゴさんが、ポイズントレントの実が入った麻袋を慎重に布袋の中に納めた。
他の物と紛れないように、木の箱の中に入れた後に、馬車の荷台の隅に置かれると、兄様がふうっと大きく息を吐いた。
「ソーマ、これはね、刺さると本当に大変なんだ。手に刺さったら痛いし手が痺れて動かなくなってしまったりするんだよ。絶対近づいたらダメだよ。」
「はあい。」
兄様が凄く真剣な顔で僕に注意をする。僕は頷く。痛いのは嫌だもんね。
買わなくても、お店の人に猛毒だと注意してもよかったかもしれないけど、毒だと知って悪用されても困ると思って素知らぬ顔で買ったんだって。
確かに、花蜜や樹液が無い場所で毒のトゲトゲに刺されたら大変だよね。
馬車に荷物を預けたら、少し休憩。屋台で果実水を買って、兄様と並んでベンチに座って飲む。
風は冷たいけど、空が青く高くて、開放的な気分だ。
ーーーー痺れ茸にゃ。食べると痺れるにゃ。
ーーーー力茸にゃ。食べると力が強くなるにゃ。でも動きが遅くなるにゃ。力だけ‥‥。効果は一日くらいニャ。
怪しいキノコがある。‥‥駄洒落っぽいのはスルーしておこう。
ポイズントレントの花蜜は大きめの壷に入った状態で麻袋に入っていた。
ーーーーポイズントレントの樹液、にゃ。ポイズントレントの呪毒を解毒するにゃ。花蜜より薄いにゃ。
ーーーーポイズントレントの実にゃ。刺に触ると呪毒で腫れ上がるにゃ。
ポイズントレントシリーズだ。樹液と、毒の実そのものもある。実が麻袋にそのままの状態で入っていて、袋を開けたひとがうっかり触るとあぶないんだけど‥‥。
麻袋の口を開いて中を覗き込んだ兄様も、気がついて、眉をひそめている。ポイズントレントの実は紫色のトゲトゲがあるから、知っている人は見てすぐわかるんだよね。
「‥‥これは‥‥まとめて買おう。」
兄様はポイズントレントの実をそのままにしておきたくなかったのか、即決してしまった。
麻袋は全部で14個あった。一袋銀貨1枚なら銀貨14枚分なので、全部まとめて銀貨10枚なら一応お得ってことだ。まあ、使いそうも無い物も多いんだけど。
「おやいいのかい?」
おばあさんは、意外そうな顔をした。荷物がさばけて嬉しかったのかサービスだといって、見本が入っていた小さい壷もくれた。
喉にいいっていう飴玉もくれたよ。
飴玉の入った紙袋と見本の小さい壷は僕の肩掛け鞄に入れた。そのまま鞄の中の巾着袋にインだ。
それ以外は、インゴさんが借りて来た手押し車に乗せて行く。手押し車を貸し出すサービスがあって、それで馬車まで運んでから返却するシステムらしい。
人目につかないところに行ったら、マジック財布に入れる予定。
一度、建物の外に出た。荷物をマジック財布に移すのかと思ったら、入り口近くに設置された手洗い場所で、手を洗わされた。
ポイズントレントの実が入った麻袋とかがあったから、身体に良くない物を触っている可能性があるから念のためだって。
兄様が鉄貨を手渡してくれた、それを係の人に渡すと、係の人が水瓶から柄杓で水をすくって、側溝の上で手にかけてくれる。
チップ制なんだね。
「ありがとう。」と言ったら、係の人がにっこりと微笑んでくれた。
そしてその後、一旦馬車のところに戻った。
人が多くて、買ったものをマジック財布に移すと目立ちそうだったこともあったけど、兄様は、ポイズントレントの実が入った麻袋をマジック財布でも、僕に持たせたくなかったみたい。
「被害者が出るとまずいから、回収したけど、馬車に乗せておくのもちょっと嫌だな。」
兄様は、ポイズントレントの実が入った麻袋を忌々しそうに見た。棘が麻袋を突き破って手に刺さる恐れがあるから近づかないように言われる。
「兄様、さっき香辛料を買ったときに貰った布の袋に入れたら大丈夫なんじゃない?」
僕は、香辛料を、マジック財布に移して、空いた布袋を兄様に見せた。布袋は分厚くて、目が細かいので、棘が外にはでそうもない。
兄様が頷くと、リヒャルトさんとインゴさんが、ポイズントレントの実が入った麻袋を慎重に布袋の中に納めた。
他の物と紛れないように、木の箱の中に入れた後に、馬車の荷台の隅に置かれると、兄様がふうっと大きく息を吐いた。
「ソーマ、これはね、刺さると本当に大変なんだ。手に刺さったら痛いし手が痺れて動かなくなってしまったりするんだよ。絶対近づいたらダメだよ。」
「はあい。」
兄様が凄く真剣な顔で僕に注意をする。僕は頷く。痛いのは嫌だもんね。
買わなくても、お店の人に猛毒だと注意してもよかったかもしれないけど、毒だと知って悪用されても困ると思って素知らぬ顔で買ったんだって。
確かに、花蜜や樹液が無い場所で毒のトゲトゲに刺されたら大変だよね。
馬車に荷物を預けたら、少し休憩。屋台で果実水を買って、兄様と並んでベンチに座って飲む。
風は冷たいけど、空が青く高くて、開放的な気分だ。
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