自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第4章

第144話 怪しいブローチ

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商会の人に来てもらうように言っておくと伝えて、僕たちは買い物の続きをしに市場の通りにでた。
コロッケモードにはいっていたので、ジャガイモを見かけたら多めに買っておく。品不足になって、クロケーがつくれなくなったら困る。
あとキャベツも!
気になったものを買ったら、気持ちが落ち着いたので、再びゆっくりと市場を巡って、品質を確認したり値段交渉をしたりしながら、
買い物をしていった。

食料品を売っているエリアを過ぎて、雑貨やら武器やらを売っているエリアにきた。
スタンビートが悪化して、王都に物が入ってこなくなったら、食料品以外も不足になる。まあ、それがどのくらいに期間になるかによるよね。
すぐ手に入らないと困りそうなのは、消耗品の魔石とかかな。

「‥‥。」
「雑貨エリアに入ったら、急にテンション下がりましたね。」

どんなものを買うか考えながら歩いていたら、インゴさんから突っ込みが入った。

「それ、僕が食い意地はってるみたいじゃん! 備蓄品になるものは何かなって考えてたの!」
「うーん、魔石ですかね。魔石で補えなくないけど、薪も‥‥、ろうそくとか?ないと真っ暗ですから。」
「なるほど、燃料系だね。」

まだ、夏の終わりで暑いくらいだけど、スタンビートが冬まで続いたら、暖房用の燃料は必須だし、冬でなくても調理とかで薪は使う。
王都はエルストベルクの中心より、だいぶ北だ。
北の方は冬は雪が凄いっていうから、北半球の環境だと思う。
王都はどのくらい雪が降るんだろう。後で叔父様に聞いてみよう。

そもそも燃料物資まで買うと予算オーバーな気がする。とりあえず見て回るだけにしておこう。
ダンジョン産のちょっと怪しい品を並べている店。今日の目的とは違うけど、何か掘り出し物はないかな、とみていると、
オレンジ色の石がついたブローチが目にとまった。凄く綺麗な装飾がついているとかではなくて、他に比べて妙に小綺麗だったから。
他の品は、金属部分が黒ずんでいるんだけど、それだけそこらの雑貨屋さんに並んでいそうな感じだ。

「あ、これは、実は純粋なダンジョン産じゃないんだよ。」
「ダンジョン産じゃないの?」
「石はダンジョン産らしいよ。剣を買ってった奴が金が足りなくて、こいつを置いてったんだ。」
「物々交換ありなの?」
「ふつうはやらないよ。価値もわからんし。魔獣に追われて、武器もなくしちまってボロボロで王都逃げ込んできたっていうから
しかたなく、銀貨1枚分としてまけてやっただけさ。」
「じゃあ、これ銀貨一枚なんだ。」
「あ‥、仕入れ値!だよ!まあ、作りからして安もんだから、銀貨3枚ってとこだ。」
「ふーん。」

別に欲しかったわけじゃないけど、値段交渉みたいな流れになっちゃったんで、そのブローチを手にとってみた。

ーーーー魔獣が寄ってくるにゃん。

うん?なんか、状態異常耐性が反応した?

ーーーー魔獣が寄ってくるにゃん。街の中ではそこまで効果にゃいけど、大草原なら入れ食いにゃん。

これ、魔獣を呼び寄せる効果がついているの?
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