自作ゲームの世界に転生したかと思ったけど、乙女ゲームを作った覚えはありません

月野槐樹

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第3章

第127話(第3章エピローグ)デジャブ

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なんとか無事に解決して、「混乱」の状態異常物質の心配がなくなったので、外出制限もなくなり今日は、またお茶会に来ている。

ご令嬢とにこやかに挨拶をした。これで5人目。マナーの家庭教師からの宿題のご挨拶ノルマ達成だよ!

「ねえ、どうなってるの。今日はお塩な対応じゃないみたいじゃん?」

令嬢がにこやかに去っていった後に、ラルフ君とロルフ君が近づいて来た。

「ああ、マナーの宿題なので、ご挨拶だけお願いしますって言ったんだよ。」
「正直か!」

ラルフ君とロルフ君が呆れた顔をした。

お茶会で、次男だと知られると、親しくなって婚約を申し込まれたら困ると思って、わざと冷たい対応をされちゃうみたいなので、「婚約は申し込む予定はありませんよ」ってアピールすればいいと思ったんだ。
それで、先に宿題のノルマがあるのでお願いしますと伝えてから挨拶をしてみたら、嫌な顔されず、ご挨拶に応えてもらえたんだよ。

ご令嬢からもご挨拶の練習を返したりしていって、ノルマの5人、皆穏やかにご挨拶できた。

「それでいいの?まあ挨拶の練習だからいいのか‥‥。」
「僕は別に婚約者候補を探したい訳じゃないし、向こうも、短い挨拶だけですんで、申し込みとかくるわけじゃなければいいみたい。」
「なるほど。僕も真似しよう。」
「挨拶ノルマあるの?」
「ないけど、顔見知りを作っといたほうがいいし。」

領地が遠い場合、今は王都に滞在していても、領地に帰ったら数年出てこない場合もあるから、会ったときに顔見知りになっておいたほうがいいんだって。

ラルフ君達は、今日は主に次男坊、三男坊の人を見つけて挨拶をしているんだそうだ。
冒険者仲間になるかもしれないし、そうでなくても、情報交換ができるからって。

「活動的だねー。僕なんて、ご挨拶ノルマが終わったらもういいやってなっちゃう」
「ソーマ君はお茶会デビューしたばかりだし、それでいいんじゃないかな。」

そんな話をして、前に来たときは塩対応で嫌になっちゃったけど、それなりにお茶会を楽しめるようになったかなーと思っていたら
突然庭園の奥の方から、大きな声が響いてきた。

「ーーーー貴様との婚約を破棄する!!」

僕はラルフ君達と顔を見合わせた。

「「「‥‥。」」」

そーっと、声がした方を向いて、物陰から覗き込んだ。
薔薇の花が咲いている前で、仁王立ちになっている令息。その少年のしがみついている令嬢。
その前に、立ち尽くしている令嬢。
その後、令息がどこかで聞いた事があるような台詞をつらつらと並べていた。

「‥‥、知らない人だ。」
「知らない人だね。」
「見なかった見なかった。」
「聞かなかった聞かなかった。」

僕達は思ったより、ギュンター君達の一件で疲れていたらしい。
そう言い合いながら、こっそりとその場を後にした。
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