124 / 466
第3章
第124話 救援を待ちましょう
しおりを挟む
ゲートから偵察君を入れて、中の様子をみると、石の床に人が倒れている映像が映った。
手足をロープに縛られた状態で、床に転がされている人が5人。一人はギュンター君のようだ。あと、ゾフィー。それから大人の男性と、他に子供が2人。
ギュンター君は気を失っているようだった。男性からうめき声が聞こえるが、意識があるかはわからない。他の人たちも動かない。
殴られて怪我をしているみたいなのでポーションをかけておいてから、叔父様に連絡した。
「叔父様、ギュンター君の居場所がわかったよ」
僕は、王都から離れた村にギュンター君が運ばれた事、奴隷商人に売られそうになっていることを説明して、映像を転送した。
村の名前‥‥、わからないや。マップの画像を送ればいいかなと思っていたら、僕の説明で叔父様は、どの村なのか分かったみたいだ。
『王都の東、馬車で一時間。冒険者ギルドと役場が一つになっているところだね。シュレーガー伯爵領のコクオック村だと思う。』
通話している間に叔父様は商会の作業室に移動して、転送した映像を確認したようだ。
『‥‥やっぱりコクオック村だ。‥‥王都の外まで映しているのかい。ソーマ、危険な事していないよね?』
「全然。」
僕は部屋から出ていないし。
『そうか‥‥。危ない事はしないでおくれよ。』
叔父様は、トリット伯爵家と、ツヴァイトベック侯爵家と、あと父様に連絡して、救出に向かうと言ってくれた。
王都から馬車で一時間位。それまで僕はギュンター君達にこれ以上危害が加わらないようにしておこう。
ギュンター君が閉じ込められていた地下室の扉の所でゲートを開いて結界の魔道具を発動させる。
これで助けが来るまでは誰も入れないようになる。
それから、破落戸達が酒盛りしているところの映像に切り替えた。
『おい、その手鏡、ローレンツの妹が持っていたやつじゃないか?こんなところに置いとくなよ』
『魅了されちゃうってやつ?』
『どうも、魅了じゃないんじゃないかって話だぜ。』
『でも貴族の坊ちゃんが、これでローレンツの妹にメロメロになったんだろ。』
『貴族の坊ちゃんはそうだが、ローレンツの奴もその手鏡手に入れてから、ちょっと様子がおかしくなってたぜ。それに俺は奴の妹に近づくとイライラして切れそうになる』
『それは話し方じゃねぇ?』
ゾフィーが持っていた手鏡のことだろうか。映像には鏡の面が直径5cmくらいの手鏡が映っていた。
ーーーー「混乱」の手鏡にゃ。長く触ると混乱するにゃ。持っている人に触るのも混乱するにゃ。
混乱の状態異常を起こした原因に間違いないようだ。
『そもそも、こんなものローレンツはどうやって手に入れたんだ?』
『酒場で、売りつけられたらしい。ちなみに売りつけた奴はどっかいっちまったそうだ。』
『怪しさしかない』
彼らはゾフィーが持っていた手鏡が「怪しいもの」と気がついていたから、酷い状態異常にはなっていないようだ。
イライラするといっていたから、少しは影響を受けているのかもしれないけれど。
手足をロープに縛られた状態で、床に転がされている人が5人。一人はギュンター君のようだ。あと、ゾフィー。それから大人の男性と、他に子供が2人。
ギュンター君は気を失っているようだった。男性からうめき声が聞こえるが、意識があるかはわからない。他の人たちも動かない。
殴られて怪我をしているみたいなのでポーションをかけておいてから、叔父様に連絡した。
「叔父様、ギュンター君の居場所がわかったよ」
僕は、王都から離れた村にギュンター君が運ばれた事、奴隷商人に売られそうになっていることを説明して、映像を転送した。
村の名前‥‥、わからないや。マップの画像を送ればいいかなと思っていたら、僕の説明で叔父様は、どの村なのか分かったみたいだ。
『王都の東、馬車で一時間。冒険者ギルドと役場が一つになっているところだね。シュレーガー伯爵領のコクオック村だと思う。』
通話している間に叔父様は商会の作業室に移動して、転送した映像を確認したようだ。
『‥‥やっぱりコクオック村だ。‥‥王都の外まで映しているのかい。ソーマ、危険な事していないよね?』
「全然。」
僕は部屋から出ていないし。
『そうか‥‥。危ない事はしないでおくれよ。』
叔父様は、トリット伯爵家と、ツヴァイトベック侯爵家と、あと父様に連絡して、救出に向かうと言ってくれた。
王都から馬車で一時間位。それまで僕はギュンター君達にこれ以上危害が加わらないようにしておこう。
ギュンター君が閉じ込められていた地下室の扉の所でゲートを開いて結界の魔道具を発動させる。
これで助けが来るまでは誰も入れないようになる。
それから、破落戸達が酒盛りしているところの映像に切り替えた。
『おい、その手鏡、ローレンツの妹が持っていたやつじゃないか?こんなところに置いとくなよ』
『魅了されちゃうってやつ?』
『どうも、魅了じゃないんじゃないかって話だぜ。』
『でも貴族の坊ちゃんが、これでローレンツの妹にメロメロになったんだろ。』
『貴族の坊ちゃんはそうだが、ローレンツの奴もその手鏡手に入れてから、ちょっと様子がおかしくなってたぜ。それに俺は奴の妹に近づくとイライラして切れそうになる』
『それは話し方じゃねぇ?』
ゾフィーが持っていた手鏡のことだろうか。映像には鏡の面が直径5cmくらいの手鏡が映っていた。
ーーーー「混乱」の手鏡にゃ。長く触ると混乱するにゃ。持っている人に触るのも混乱するにゃ。
混乱の状態異常を起こした原因に間違いないようだ。
『そもそも、こんなものローレンツはどうやって手に入れたんだ?』
『酒場で、売りつけられたらしい。ちなみに売りつけた奴はどっかいっちまったそうだ。』
『怪しさしかない』
彼らはゾフィーが持っていた手鏡が「怪しいもの」と気がついていたから、酷い状態異常にはなっていないようだ。
イライラするといっていたから、少しは影響を受けているのかもしれないけれど。
2
お気に入りに追加
181
あなたにおすすめの小説
アイムキャット❕~異世界キャット驚く漫遊記~
ma-no
ファンタジー
神様のミスで森に住む猫に転生させられた元人間。猫として第二の人生を歩むがこの世界は何かがおかしい。引っ掛かりはあるものの、猫家族と楽しく過ごしていた主人公は、ミスに気付いた神様に詫びの品を受け取る。
その品とは、全世界で使われた魔法が載っている魔法書。元人間の性からか、魔法書で変身魔法を探した主人公は、立って歩く猫へと変身する。
世界でただ一匹の歩く猫は、人間の住む街に行けば騒動勃発。
そして何故かハンターになって、王様に即位!?
この物語りは、歩く猫となった主人公がやらかしながら異世界を自由気ままに生きるドタバタコメディである。
注:イラストはイメージであって、登場猫物と異なります。
R指定は念の為です。
登場人物紹介は「11、15、19章」の手前にあります。
「小説家になろう」「カクヨム」にて、同時掲載しております。
一番最後にも登場人物紹介がありますので、途中でキャラを忘れている方はそちらをお読みください。
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。

少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

家庭菜園物語
コンビニ
ファンタジー
お人好しで動物好きな最上 悠(さいじょう ゆう)は肉親であった祖父が亡くなり、最後の家族であり姉のような存在でもある黒猫の杏(あんず)も静かに息を引き取ろうとする中で、助けたいなら異世界に来てくれないかと、少し残念な神様に提案される。
その転移先で秋田犬の大福を助けたことで、能力を失いそのままスローライフをおくることとなってしまう。
異世界で新しい家族や友人を作り、本人としてはほのぼのと家庭菜園を営んでいるが、小さな畑が世界には大きな影響を与えることになっていく。

世界樹を暴走させたマッドサイエンティスト、死刑だけは嫌だとごねる!
アメノヒセカイ
ファンタジー
カクヨムにも掲載しております。
これは世界樹の花粉を浴びて老いることがなくなったラメッタと、捨て子として騎士団に拾われ生きてきたクレーエンが、一国の英雄となり、ともに生きると決めるまでの物語である!
<語句>
エアデ王国:クレーエン、ラメッタが住んでいた国。
バオム国:エアデ王国の従属国。魔王軍との前線を仕切る。資源がほとんどなく、魔王軍と戦うことでエアデ王国から支援を受けている。治安が悪い。
世界樹:人々に魔法を授けている。ラメッタが研究のために魔法薬をかけてから、魔法が大幅に弱体化してしまった。
ラメッタ:見た目は子供、中身は七十八才。老いることはない。魔法薬や魔道具の開発をする。己の好奇心を満たすためだけに世界樹に魔法薬をかけたとして死刑判決が出るのだが……。なお、魔王軍と戦うことで処刑が延期される約束を国王らとしている。
クレーエン:捨て子ゆえに騎士団に拾われて育てられたものの騎士団に正式に加入できず、しかしその強さゆえに騎士団の仕事を何度も手伝っていた。自身のことを強さから騎士団で面倒を見るしかない人間と考え、厄介者であると思っているが……。
バオム国の三姫:国王である父が前線に出ているため、三人で統治しているがほぼ機能していない。
長女ディーレ、次女ベリッヒ、三女チルカ。

世界を捨てる、5年前 〜虐げられた聖女と青年の手紙〜
ツルカ
恋愛
9歳の時に神殿に連れてこられた聖女は、家族から引き離され神に祈りを捧げて生きている。
孤独を抱えた聖女の元に、神への祈りの最中、一通の手紙が届く。不思議な男からの手紙。それは5年に渡る、彼女と彼の手紙のやり取りの始まり。
世界を超えて届く手紙は、別の世界からの手紙のようだ。
交わすやりとりの中で愛を育んでいき、そして男は言う。
必ず、助けに行くと。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。

【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる