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第3章
第120話 リリリリリン
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僕は検出した映像を、記録魔石に転写してストレージルームを一旦出た。
通話の魔道具の赤い魔石に魔力を通す。
リリリリリン、リリリリリンとコールする音が流れ、2コール目で、叔父様が出た。
『ソーマ? どうしたんだい?』
『叔父様、見て欲しい映像があるんだ。ギュンター君誘拐されたみたい』
『え? すぐそちらに向かうよ!』
『時間ないかもしれない。叔父様今どこ?一人?』
『商会の執務室だよ。一人でいるよ。』
『じゃあ、映像を送るよ』
通話の魔道具を経由して、通話の魔道具の腕輪の緑色の魔石にデータを転送する。
『送るって?? 今、腕輪の緑色の石が光ったよ。点滅している。』
『記録魔石の情報を転送してる。点滅が終わったら緑の魔石を取って再生用の魔道具で映像をできるはずだよ。その場で再生できるようにできればよかったんだけど。
まだ、そこまで作ってないんだ』
データ転送をしてみて初めて、その場で再生する手段がない事に気がついてしまった。
携帯画面みたいな物を作るか、壁とかに投影できるようにしたらいいかな。
急ぎなので、僕が見た内容を説明して詳しくは映像を見て欲しいと伝えた。
『‥‥それは‥場所はわかるかい?』
「市民街の北4番通りと西7番通りの交差したところから2つ先の路地に入ったところだよ。僕はこれからゾフィーを探してみる。」
『わかった。急いで作業室に行って、映像を確認するよ。追加情報が入ったら教えてくれるかい?』
「うん。また後で連絡するね」
僕は通話を切って、またストレージルームに戻った。
検索条件にゾフィーの姿と声を追加して
先ほどギュンター君が建物に連れていた時点以降で検索を開始した。
ストレージルームがシーンと静まり返る。検索の結果が終了するまで待ってみたけれど、何も出てこなかった。
まだあの建物の中にいるってこと?
位置情報を確認してから、扉の向こう側の座標を計算。ゲートを起動すると、直径3cm位の渦ができた。
極小魔道具の「偵察君」をぽいっと渦の中に放り込んでゲートを閉じる。
今の時間はまだ日が沈んでいないのに、扉の向こう側は暗い。それでもなるべく人の目につかないように、天井に近い高さに偵察君を飛ばして室内を見て回った。
扉に閉ざされているところは、また、扉の向こう側の座標にゲートを開いて移動させ、ぐるぐると見て回ってみたんだけど誰もいない。
ギュンター君がこの建物に連れてこられてから既に2日経っている。どこか別のところに連れて行かれてしまったんだろうか。
誰もいないのを確認してから光の魔法を発動させて室内を照らしてみた。
奥の部屋の隅に、靴が置いてあった。
色やデザインから見るにギュンター君の靴のような気がする。ギュンター君がお屋敷から出て来たときの服装と比較してみると、やっぱり一致するようだ。
ギュンター君はこの場所に連れてこられた後、また別の場所に移動させられたってことか。ゾフィーもかな。
通話の魔道具の赤い魔石に魔力を通す。
リリリリリン、リリリリリンとコールする音が流れ、2コール目で、叔父様が出た。
『ソーマ? どうしたんだい?』
『叔父様、見て欲しい映像があるんだ。ギュンター君誘拐されたみたい』
『え? すぐそちらに向かうよ!』
『時間ないかもしれない。叔父様今どこ?一人?』
『商会の執務室だよ。一人でいるよ。』
『じゃあ、映像を送るよ』
通話の魔道具を経由して、通話の魔道具の腕輪の緑色の魔石にデータを転送する。
『送るって?? 今、腕輪の緑色の石が光ったよ。点滅している。』
『記録魔石の情報を転送してる。点滅が終わったら緑の魔石を取って再生用の魔道具で映像をできるはずだよ。その場で再生できるようにできればよかったんだけど。
まだ、そこまで作ってないんだ』
データ転送をしてみて初めて、その場で再生する手段がない事に気がついてしまった。
携帯画面みたいな物を作るか、壁とかに投影できるようにしたらいいかな。
急ぎなので、僕が見た内容を説明して詳しくは映像を見て欲しいと伝えた。
『‥‥それは‥場所はわかるかい?』
「市民街の北4番通りと西7番通りの交差したところから2つ先の路地に入ったところだよ。僕はこれからゾフィーを探してみる。」
『わかった。急いで作業室に行って、映像を確認するよ。追加情報が入ったら教えてくれるかい?』
「うん。また後で連絡するね」
僕は通話を切って、またストレージルームに戻った。
検索条件にゾフィーの姿と声を追加して
先ほどギュンター君が建物に連れていた時点以降で検索を開始した。
ストレージルームがシーンと静まり返る。検索の結果が終了するまで待ってみたけれど、何も出てこなかった。
まだあの建物の中にいるってこと?
位置情報を確認してから、扉の向こう側の座標を計算。ゲートを起動すると、直径3cm位の渦ができた。
極小魔道具の「偵察君」をぽいっと渦の中に放り込んでゲートを閉じる。
今の時間はまだ日が沈んでいないのに、扉の向こう側は暗い。それでもなるべく人の目につかないように、天井に近い高さに偵察君を飛ばして室内を見て回った。
扉に閉ざされているところは、また、扉の向こう側の座標にゲートを開いて移動させ、ぐるぐると見て回ってみたんだけど誰もいない。
ギュンター君がこの建物に連れてこられてから既に2日経っている。どこか別のところに連れて行かれてしまったんだろうか。
誰もいないのを確認してから光の魔法を発動させて室内を照らしてみた。
奥の部屋の隅に、靴が置いてあった。
色やデザインから見るにギュンター君の靴のような気がする。ギュンター君がお屋敷から出て来たときの服装と比較してみると、やっぱり一致するようだ。
ギュンター君はこの場所に連れてこられた後、また別の場所に移動させられたってことか。ゾフィーもかな。
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