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第3章
第114話 復活の塔
しおりを挟む「電波塔がある?」
僕は立ち上がって、プティを拾い上げて抱っこしてからストレージルームに入った。
電波棟をイメージしてデータストレージ検索した。
ストレージルームの壁がスクリーン上になって、マップが映し出された。
王都の地図が展開されて、現在地と、他にいくつか点が表示されている。
点の一つを意識したら、別のスクリーンに、白い石造りの塔の映像が浮かび上がった。
「復活の塔?」
その塔は、僕が前世で作ったゲームの中の塔にそっくりだった。
プレイヤーが登録をしておくとゲーム内で死んだときに、その塔の一階のフロアに復活するんだ。
ゲームでは街中では死ぬ事はほぼないんだけど、街の外にもこの塔があって、復活ポイントにできるんだ。
復活ポイント以外にも機能がある。プレイヤー同士の通信はこの塔を経由する仕組みになっていた。
ゲーム内なので、実際に電波が飛んでいるわけではなかったんだけど、ゲーム開始初期は登録した塔のエリア内でしか通信ができないように制御していたんだ。
その塔が王都の街中に5つ。中心あたりと、東西南北に一つずつ。竜脈の上、ポイントに立っていて魔力を吸い上げているから、ここから魔力の補給もできる。
‥‥はず? 自作ゲームの世界なら、だけど。
ーーーー復活の塔、 別名0時の鐘、にゃ。プレイヤーは居ないので復活はしないにゃ。
じっと見ていたら、プティ鑑定が解説をしてくれた。やっぱり「復活の塔」なのか。でも復活はしない?
0時の鐘って何かと思ったら、東西南北の鐘がそれぞれ、0時、3時、6時、9時に鳴るようだ。
中央の塔の鐘は自動では鳴らないんだって。
そう言えば王都に来たら鐘の音で時間が分かるんだなって思っていたら、この塔の鐘がなっていたみたいだ。
「偵察君」を塔の1階のフロアに飛ばしてみた。
1階のフロアは開けていて、無人だった。入り口に管理する人が立っていて、見学料を払うと見学ができるようになっているようだ。
1階から上へ続く階段の前には重たそうな扉がある。見学できるのは1階だけみたいだ。
石で出来た床に模様が描かれている。ゲームではその模様の中央辺りが復活ポイントだった。
「偵察君」を模様の中央に向って移動させた。中央に向うほど、魔力検知の反応が強くなる。
ーーーー魔力を補充できますにゃ。補充するニャ? Yes or No
「Yes」
Yesを選択したら、「偵察君」の残魔力量のゲージが表示されて、ゲージの真ん中くらいだったのが一気に満タンになった。
「え、ここに来たら魔力が補充できちゃうってこと?」
その割に人の姿がない。見学客すらいないみたいだ。
(Yes or Noが聞こえないと補充できにゃいにゃ)
「Oh‥‥」
古代から存在していて魔力が集まっているポイントがあることは知られているけれど、何のための塔なのか判明していなくて、
今は入出場を管理しているだけなんだって。
街の外にあったら、旅の途中に魔力補給ができちゃうのに。
「偵察君」の魔力補充もできたので、「偵察君」を塔の最上階まで飛ばしてみた。上まで飛ばすのは結構魔力を消耗するんだけど、
補充できたから、降りるときの魔力も十分ありそうだ。
塔の最上階には鐘が設置されていた。
その鐘の内側にいくつもの魔法陣が描かれているのが見えた。
「偵察君」から小さいライトの魔法を発動させて、鐘の内側を映した。
時を告げる為の魔法陣らしきものと、僕が作った通信の魔法陣にちょっと似た魔法陣があった。
ーーーー基地局魔法を検知したにゃ。接続しますか? Yes or No
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