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第3章

第113話 アーティファクト?

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ラルフ君とロルフ君の家にも、混乱耐性の腕輪を送った。直接持って行こうかと思っていたんだけど、使いの人に渡せばいいだけだから、むやみに外出をするなって言われちゃったんだ。

ラルフ君とロルフ君からも使いの人経由で、お礼の手紙が届いた。
ラルフ君達も、冒険者活動は少しお休みにして、自宅にいるんだって。

うちに来た日にお父上であるラインハルト伯父様に状態異常だった可能性があると報告をしたら、状況が落ち着くまで外出禁止になっちゃったんだって。

喧嘩別れみたいな形で冒険者パーティを抜けちゃったから、ギュンター君とゾフィーに恨まれているかどうかは分からないけど、冒険者ギルドとかであったりしたら絡まれる可能性が高いし、そのときにまた状態異常になってしまうかもしれないものね。

僕が手紙を読んでいると、プティが机の上にピョンと飛び乗って、僕の腕にちょこっと前足を乗せて手紙を覗き込んで来た。

(ラルフにゃんとロルフにゃんはこにゃいのかにゃ)
「しばらく自宅にいるんだって」
(混乱耐性の魔道具をつくったのににゃ?)
「仕方ないよ。実際に防げるのか試したわけじゃないし。耐性があっても、ギュンター君と遭ったら喧嘩になるかもしれないし」
(そうにゃん?)
「うん。プティは、そんなにラルフ君達に会いたかったの?」
(ゲームすると神力が上がるニャン)
「神力目的かぁ」

プティはちょっとつまらなそうに、グーンと伸びをしてから、毛繕いを始めた。
プティグッズは売り出しているから、少しずつ神力がたまって来ているはずなんだけど、ゲームでテンションが上がった状態で「お願い」をされると
はっきりと神力が上がる感じがして楽しいんだって。

(ちゃりんちゃりーん、にゃん)
「課金じゃないよ」

僕はプティの背中をなでて、ふかふかの毛並みを楽しみながら、今日は何をしようか考えた。

「偵察君」の改良をしようかな。商会の記録魔石の解析のシステムの改善もしたいんだけど、叔父様に相談してからじゃないとできないし。
「偵察君」は、王都の街の中に、極小の撮影魔道具と、通信の中継を行う魔道具を飛ばしていて、街中の映像を見たり、街中でなんとか通話が出来るくらいにはなっているんだけど、中継魔道具が出力できる通信の範囲がかなり狭くて
建物の中では通話ができない。

中継の魔道具では、魔力波を送受信していて、それでマップ上で位置情報が把握できたり、必要な情報を伝えて検索に使ったりしているんだけど、魔法耐性のある建物だと、弾かれてしまうみたいなんだ。
だからうちの屋敷でも、廊下にこまめに中継の魔道具を設置しているんだよね。
制御は魔法で行うとして、データ通信部分は電波に置き換えて見ようかな。
試験用の中継魔道具を飛ばして実験した。周波数を色々試したりして、障害物があったり建物の中でも、なんとか通信ができるようになったし中継魔道具同士の距離が離れていても大丈夫そうだ。

ただ、距離が離れているとそれだけ大量に魔力を消費してしまう。空気中にある魔素を魔力に変換して消費するようにしているけど、
処理量によっては、生成する魔力量が追いつかない。

「魔力の補給と通信を制御をする塔みたいなものを設置するとか?電波塔みたいなやつ」

今の中継魔道具は街中の壁とかに張り付いて、通信を中継しているんだけど、
塔みたいに高い位置にあれば障害物もないから通信しやすいし、その場所に大きな魔石で魔力を溜め込むようにしておけば、必要ならそこから魔力を補給できるようになる。

「けどそんなものを設置したら目立っちゃうから無理か」
(電波塔はあるにゃん)
「え?」
(アーティファクトにゃん)
「どういうこと?」
「にゃーん」

プティはそれ以上答えずに、ごろんと寝そべった。ヒントだけくれるパターンか。
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