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第3章
第111話 お気づきですか
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この魔石をベースにして、小さめの魔石にいくつか転写しよう。以前作った魅了耐性の腕輪と同じ大きさにして腕輪にしておこう。
後で、魅了耐性のと一つの腕輪にしやすくなるからね。
持ち歩き用に転写できないようにロックがかかった物を数個作った。後は、商会の工房で作る元になるように、転写できる魔法陣魔石も準備しておこう。
出来上がった混乱耐性能で輪を、母様達に渡した。家族分の他予備に数個つくったんだけど、母様に後でもいいので使用人の分も作ってほしいと言われた。
確かに使用人が「混乱」で思考力が低下したらまずいよね。
一応、屋敷では霧すっきり君を発動させてはいるんだけど、家族がよく居る場所に設置しているだけなので、効く範囲に居ない人もいるだろうし。
母様は叔父様を呼ぶと言ったんだけど、僕は自分で商会に届けることにした。記録の魔石も持って行きたいからね。
兄様と一緒に馬車でエルスト商会に向う。商会について、商談室に案内されたけど、叔父様は来客対応中で、ちょっと待っててて言われた。
叔父様が来るまでで時間があるなら、従業員作業室に映像を記録した魔石を置きに行ってこよう。
兄様も一緒に行こうか?って行ってくれたんだけど、戻る前に叔父様が来るかもしれないので、兄様には商談室で待っていてもらう事にした。混乱耐性の腕輪の入った箱を兄様に預けて
一人で、一階の従業員作業室に向った。
作業室に入ると、ヘンリーさんが、魔石の入った箱に囲まれてぐったりとしていた。
「こんにちは、ヘンリーさん。今日もバイトですか?」
「ソーマ君‥。きょ、今日はプティちゃんは?」
僕をかけると、振り向いたヘンリーさんは、僕の周囲を見回した。
「プティはお留守番だよ」
「そうかー」
ふぅーっと、椅子の背もたれにもたれかかって両腕を上げて、伸びをした。
「はー、プティちゃんに会って癒されたいよ~」
「お疲れなんですね。」
「そうなんだよね~」
何だかヘンリーさんは、前世の時の仕事仲間みたいな雰囲気があるなぁ。
大変そうなんだけど、ちょっと飄々としてるんだよね。
あちこちに魔石の入った箱が詰まれている。以前来たときより、かなり量が多い。もってきた記録魔石を未処理のところに
紛れ込ませたいんだけど、とキョロキョロしていたら、書類に何か記入していたヘンリーさんが、書類から目を離さないまま言った。
「‥‥45番以降の番号の箱が解析なんだ。私は番号の小さい順に処理しているからね‥‥。」
「え?」
「うん?独り言だよ。」
「‥‥そうですかー。」
僕は、「45」と番号が箱を覗き込んだ。箱の中には魔石が無造作に入っていた。解析するときに、魔道具に手で並べて設定しているようだ。
せめてあらかじめ複数個の魔石を並べてケースに配置しておいて、ケース毎魔道具に設定できるようにしたほうが効率がよくなるかな。
いや、棚に配置しておいて棚毎検索できたほうがいいか。
今度検討しよう。
持って来た記録魔石は、レッドリザードの魔石から作ったので赤っぽい色をしている。
45番の箱に入っている魔石は、緑と青の物が多かった。
僕は、箱の中にそっと記録魔石を混ぜてから、つぶやくように言った。
「赤がおすすめだな~」
「え?何か言ったかい?」
「ううん。」
「そう。」
ヘンリーさんは、書き終えた書類をトレーに置いてから振り返った。
「ありがとう。」
「え?」
「ふふ。来てくれて。」
「あ、うん。」
「今度プティちゃんも連れて来てね。」
「えー」
「えぇ?ダメなの?」
「ダメじゃないけど。プティの機嫌次第だから‥‥。今度ね」
「うん、待ってる」
後で、魅了耐性のと一つの腕輪にしやすくなるからね。
持ち歩き用に転写できないようにロックがかかった物を数個作った。後は、商会の工房で作る元になるように、転写できる魔法陣魔石も準備しておこう。
出来上がった混乱耐性能で輪を、母様達に渡した。家族分の他予備に数個つくったんだけど、母様に後でもいいので使用人の分も作ってほしいと言われた。
確かに使用人が「混乱」で思考力が低下したらまずいよね。
一応、屋敷では霧すっきり君を発動させてはいるんだけど、家族がよく居る場所に設置しているだけなので、効く範囲に居ない人もいるだろうし。
母様は叔父様を呼ぶと言ったんだけど、僕は自分で商会に届けることにした。記録の魔石も持って行きたいからね。
兄様と一緒に馬車でエルスト商会に向う。商会について、商談室に案内されたけど、叔父様は来客対応中で、ちょっと待っててて言われた。
叔父様が来るまでで時間があるなら、従業員作業室に映像を記録した魔石を置きに行ってこよう。
兄様も一緒に行こうか?って行ってくれたんだけど、戻る前に叔父様が来るかもしれないので、兄様には商談室で待っていてもらう事にした。混乱耐性の腕輪の入った箱を兄様に預けて
一人で、一階の従業員作業室に向った。
作業室に入ると、ヘンリーさんが、魔石の入った箱に囲まれてぐったりとしていた。
「こんにちは、ヘンリーさん。今日もバイトですか?」
「ソーマ君‥。きょ、今日はプティちゃんは?」
僕をかけると、振り向いたヘンリーさんは、僕の周囲を見回した。
「プティはお留守番だよ」
「そうかー」
ふぅーっと、椅子の背もたれにもたれかかって両腕を上げて、伸びをした。
「はー、プティちゃんに会って癒されたいよ~」
「お疲れなんですね。」
「そうなんだよね~」
何だかヘンリーさんは、前世の時の仕事仲間みたいな雰囲気があるなぁ。
大変そうなんだけど、ちょっと飄々としてるんだよね。
あちこちに魔石の入った箱が詰まれている。以前来たときより、かなり量が多い。もってきた記録魔石を未処理のところに
紛れ込ませたいんだけど、とキョロキョロしていたら、書類に何か記入していたヘンリーさんが、書類から目を離さないまま言った。
「‥‥45番以降の番号の箱が解析なんだ。私は番号の小さい順に処理しているからね‥‥。」
「え?」
「うん?独り言だよ。」
「‥‥そうですかー。」
僕は、「45」と番号が箱を覗き込んだ。箱の中には魔石が無造作に入っていた。解析するときに、魔道具に手で並べて設定しているようだ。
せめてあらかじめ複数個の魔石を並べてケースに配置しておいて、ケース毎魔道具に設定できるようにしたほうが効率がよくなるかな。
いや、棚に配置しておいて棚毎検索できたほうがいいか。
今度検討しよう。
持って来た記録魔石は、レッドリザードの魔石から作ったので赤っぽい色をしている。
45番の箱に入っている魔石は、緑と青の物が多かった。
僕は、箱の中にそっと記録魔石を混ぜてから、つぶやくように言った。
「赤がおすすめだな~」
「え?何か言ったかい?」
「ううん。」
「そう。」
ヘンリーさんは、書き終えた書類をトレーに置いてから振り返った。
「ありがとう。」
「え?」
「ふふ。来てくれて。」
「あ、うん。」
「今度プティちゃんも連れて来てね。」
「えー」
「えぇ?ダメなの?」
「ダメじゃないけど。プティの機嫌次第だから‥‥。今度ね」
「うん、待ってる」
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