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第3章
第100話 決裂
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「貴様がやった事はな!犯罪だぞ! まず、ゾフィーに謝れ!それから奪った装備を返せ!」
「私は装備を奪ったりしていません!」
「そうよ!浮気者が何を言っているのかしら。自分の浮気をごまかすために言っているんじゃなくて?」
アリサ姉様が、一歩踏み出して参戦し始めた。
結界張ってるから怪我とかはしないと思うけど、どうやって止めたら良いのかな?
「何だと?貴様誰だ!」
「いきなり、お茶会に乱入して、暴言を吐くような人に名乗る気はないわ」
「何ぃ!? おい、ラルフ、ロルフ!やっちまえ!そして、ゾフィーの装備を取り返すんだ!」
「「は?」」
ギュンター君が、ラルフ君達を振り返って指示を出すと、ラルフ君達はお互いの顔を見合わせてきょとんとした。
「何で僕たちが?」
「ラルフさまぁ~ロルフさまぁ~!あたし怖いぃ~」
「ゾフィがこんなに怖がってるんだぞ! 行けよ!!」
「「いやいやいや」」
ラルフ君とロルフ君は、そろって首を横に振ると、数歩後ろに下がった。
「僕達、何するか気になったから追いかけてきただけだよ」
「それに何で命令されないといけないのかな?」
「はあ!?」
ギュンター君が今まで以上に大声を上げた。ラルフ君達に暴力を振るわれないか心配だからこちらにも結界を張っておこう。
「なんだと!俺がパーティリーダーだぞ!リーダーの命令だ!」
「いやいや、これ冒険者活動じゃないじゃん」
「そうそう」
「ラルフさまぁ~ロルフさまぁ~おねがい~」
赤毛の女の子は両腕を前に伸ばして寄せて、胸を強調するポーズをとった。
「言う事聞けよ!俺は伯爵家嫡男だぞ!次男以下のくせに!」
「‥‥‥‥あ~、そういう事言っちゃうんだ」
ギュンター君が発した言葉を聞いて、ラルフ君とロルフ君の表情が凍った。
「まだ跡を継いでもいないのにね‥‥。」
ラルフ君とロルフ君は、さっと、姿勢を正すと、お互い目配せもしないのに、きっちり合ったタイミングでお辞儀をした。
「「只今をもって、パーティを脱退させていただきます。お世話になりました。」」
「はあ?」
ラルフ君とロルフ君は、首にぶら下げていた冒険者タグを手にした。木のタグの端に取り付けてあった黄色い飾りを外した。パーティの印みたいなやつだ。
一瞬、それをギュンター君に投げつけそうな動作をしたけど、ちらっと周囲を見て、動きを止め、ポケットに突っ込んだ。
「それでは僕達はこれで失礼します。皆様大変お騒がせいたしました。」
「あ、一応招待状を持っていますので不法侵入ではありませんよ。僕達二人は。」
そう言って、ぴらぴらと招待状を、出してみせた後、ささーっと素早くその場を去って行った。
「私は装備を奪ったりしていません!」
「そうよ!浮気者が何を言っているのかしら。自分の浮気をごまかすために言っているんじゃなくて?」
アリサ姉様が、一歩踏み出して参戦し始めた。
結界張ってるから怪我とかはしないと思うけど、どうやって止めたら良いのかな?
「何だと?貴様誰だ!」
「いきなり、お茶会に乱入して、暴言を吐くような人に名乗る気はないわ」
「何ぃ!? おい、ラルフ、ロルフ!やっちまえ!そして、ゾフィーの装備を取り返すんだ!」
「「は?」」
ギュンター君が、ラルフ君達を振り返って指示を出すと、ラルフ君達はお互いの顔を見合わせてきょとんとした。
「何で僕たちが?」
「ラルフさまぁ~ロルフさまぁ~!あたし怖いぃ~」
「ゾフィがこんなに怖がってるんだぞ! 行けよ!!」
「「いやいやいや」」
ラルフ君とロルフ君は、そろって首を横に振ると、数歩後ろに下がった。
「僕達、何するか気になったから追いかけてきただけだよ」
「それに何で命令されないといけないのかな?」
「はあ!?」
ギュンター君が今まで以上に大声を上げた。ラルフ君達に暴力を振るわれないか心配だからこちらにも結界を張っておこう。
「なんだと!俺がパーティリーダーだぞ!リーダーの命令だ!」
「いやいや、これ冒険者活動じゃないじゃん」
「そうそう」
「ラルフさまぁ~ロルフさまぁ~おねがい~」
赤毛の女の子は両腕を前に伸ばして寄せて、胸を強調するポーズをとった。
「言う事聞けよ!俺は伯爵家嫡男だぞ!次男以下のくせに!」
「‥‥‥‥あ~、そういう事言っちゃうんだ」
ギュンター君が発した言葉を聞いて、ラルフ君とロルフ君の表情が凍った。
「まだ跡を継いでもいないのにね‥‥。」
ラルフ君とロルフ君は、さっと、姿勢を正すと、お互い目配せもしないのに、きっちり合ったタイミングでお辞儀をした。
「「只今をもって、パーティを脱退させていただきます。お世話になりました。」」
「はあ?」
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一瞬、それをギュンター君に投げつけそうな動作をしたけど、ちらっと周囲を見て、動きを止め、ポケットに突っ込んだ。
「それでは僕達はこれで失礼します。皆様大変お騒がせいたしました。」
「あ、一応招待状を持っていますので不法侵入ではありませんよ。僕達二人は。」
そう言って、ぴらぴらと招待状を、出してみせた後、ささーっと素早くその場を去って行った。
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