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第2章
第79話 解呪
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僕は、マジック財布に手を突っ込んで、聖水の瓶を何本か引っ張り出した。実験用にもらったものをいれてあったんだ。
瓶を投げつけようかと思って、腕を上げたけど、王子様に投げたらまずい? 中身だけ振りかける?
両手に聖水の瓶をもっているから蓋が開けられない。
「兄様、これ持ってて!」
「ソーマ?これ?」
「聖水! 蓋を開けるから、他のやつ持ってて」
「なら僕がやるよ!」
兄様が、聖水の瓶を全部持とうとする。僕は2瓶は手元に残して、1瓶をポケットにつっこんだ。手が空いたから蓋が開けられる。
「一緒に行く!」
二人で聖水のボトルを持って、殿下達に駆け寄り、聖水を振りかけた。
黒い煙がちょっと収まる。でもまだ足りない。
ーーーー呪いにゃ。近づくと気持ちが悪くなるニャ。影響ないようにしとくにゃ。
ルイスが、こちらに向って来た。
「邪魔するな!」
兄様が聖水を駆けるのを妨害しようと、ルイスがつかみかかろうとしたが、兄様の蹴りで吹っ飛んでいく。
「邪魔はどっちだ!」
辺境育ちなので、兄様は見た目より強いんだよね。
持っていた聖水を全部振りかけて、黒い煙が消えかけているけど、殿下達はまだ苦しそうにうずくまっている。
やはりディスペルか、と思ったとき、叔父様の声が聞こえた。
「ケニー、ソーマ!一旦離れて!」
僕と兄様が左右に、飛び退くと、プシューッと白い霧が勢い良く殿下達に吹き付けられた。
黒い煙は完全に消えた。
ヘンリーさんが、霧スッキリ君を抱えて駆けてきた。
「これ結構効くね!」
手にしている霧すっきり君を眺めて、にこっと笑うと、何やらお札のようなものを出して、ルイスが投げたペンダントに貼付けた。
ーーーー呪いにゃ。お札によって封印されたにゃ。近づいても大丈夫ニャ。
倒れているジョシュア殿下に近寄ると、殿下の傍に膝をつき、殿下の腕を持ち上げた。
ーーーー呪いにゃ。身につけてると気持ち悪くなるニャ。デザインもいまいちにゃ。
状態異常耐性が反応している。でも腕輪に見た目は関係なくない?ジョシュア殿下が身につけていた腕輪に呪いがかかってるのか。
ヘンリーさんは黒い手袋をして、ジョシュア殿下の腕から、腕輪を外すと、お札を貼付けて、黒い袋にしまった。
先ほどの札が着いたペンダントも拾って黒い袋にしまう。
周囲を見回してから、ジョシュア殿下を抱き起こして、鞄から出してきたボトルの口をジョシュア殿下の顔に近づけた。
「聖水です。飲めますか?」
「ううっ‥‥」
ジョシュア王子は、うめきながら、震える手で、瓶を掴み、聖水を口に含んだ。少しずつ飲み込んだようで、次第に顔色が戻ってくる。
倒れていた騎士達にも、他の騎士が聖水を飲ませていた。
危険な状態ではなくなったと判断したのか、エミリア嬢が駆けて来た。
「殿下!」
ジョシュア殿下はエミリア嬢を見て、頷いた。そして、ルイスの方を見やって、悲しそうな表情で言った。
ルイスは、騎士達に取り押さえられていた。
「ルイス‥‥、どうして‥‥」
手を後ろ縛られた状態のルイスは、睨みつけるようにジョシュア王子を見て、何も言わずに連行されて行った。
ヨナスとニコラ嬢も、騎士達に連れて行かれた。
瓶を投げつけようかと思って、腕を上げたけど、王子様に投げたらまずい? 中身だけ振りかける?
両手に聖水の瓶をもっているから蓋が開けられない。
「兄様、これ持ってて!」
「ソーマ?これ?」
「聖水! 蓋を開けるから、他のやつ持ってて」
「なら僕がやるよ!」
兄様が、聖水の瓶を全部持とうとする。僕は2瓶は手元に残して、1瓶をポケットにつっこんだ。手が空いたから蓋が開けられる。
「一緒に行く!」
二人で聖水のボトルを持って、殿下達に駆け寄り、聖水を振りかけた。
黒い煙がちょっと収まる。でもまだ足りない。
ーーーー呪いにゃ。近づくと気持ちが悪くなるニャ。影響ないようにしとくにゃ。
ルイスが、こちらに向って来た。
「邪魔するな!」
兄様が聖水を駆けるのを妨害しようと、ルイスがつかみかかろうとしたが、兄様の蹴りで吹っ飛んでいく。
「邪魔はどっちだ!」
辺境育ちなので、兄様は見た目より強いんだよね。
持っていた聖水を全部振りかけて、黒い煙が消えかけているけど、殿下達はまだ苦しそうにうずくまっている。
やはりディスペルか、と思ったとき、叔父様の声が聞こえた。
「ケニー、ソーマ!一旦離れて!」
僕と兄様が左右に、飛び退くと、プシューッと白い霧が勢い良く殿下達に吹き付けられた。
黒い煙は完全に消えた。
ヘンリーさんが、霧スッキリ君を抱えて駆けてきた。
「これ結構効くね!」
手にしている霧すっきり君を眺めて、にこっと笑うと、何やらお札のようなものを出して、ルイスが投げたペンダントに貼付けた。
ーーーー呪いにゃ。お札によって封印されたにゃ。近づいても大丈夫ニャ。
倒れているジョシュア殿下に近寄ると、殿下の傍に膝をつき、殿下の腕を持ち上げた。
ーーーー呪いにゃ。身につけてると気持ち悪くなるニャ。デザインもいまいちにゃ。
状態異常耐性が反応している。でも腕輪に見た目は関係なくない?ジョシュア殿下が身につけていた腕輪に呪いがかかってるのか。
ヘンリーさんは黒い手袋をして、ジョシュア殿下の腕から、腕輪を外すと、お札を貼付けて、黒い袋にしまった。
先ほどの札が着いたペンダントも拾って黒い袋にしまう。
周囲を見回してから、ジョシュア殿下を抱き起こして、鞄から出してきたボトルの口をジョシュア殿下の顔に近づけた。
「聖水です。飲めますか?」
「ううっ‥‥」
ジョシュア王子は、うめきながら、震える手で、瓶を掴み、聖水を口に含んだ。少しずつ飲み込んだようで、次第に顔色が戻ってくる。
倒れていた騎士達にも、他の騎士が聖水を飲ませていた。
危険な状態ではなくなったと判断したのか、エミリア嬢が駆けて来た。
「殿下!」
ジョシュア殿下はエミリア嬢を見て、頷いた。そして、ルイスの方を見やって、悲しそうな表情で言った。
ルイスは、騎士達に取り押さえられていた。
「ルイス‥‥、どうして‥‥」
手を後ろ縛られた状態のルイスは、睨みつけるようにジョシュア王子を見て、何も言わずに連行されて行った。
ヨナスとニコラ嬢も、騎士達に連れて行かれた。
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