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第2章
第63話 ケーキ試食会
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数日後に、パウンドケーキの販売を開始するので、試食に来てほしいと言われて、僕は兄様と一緒にまたエルスト商会に行った。
試食なら、屋敷に持ってきてもらう事も出来ると思うんだけど、叔父様は忙しくて行けないから、来てほしいんだって。
商会の階段を上って商談室に向おうとしたところで、ミラ嬢が来店した姿が見えた。
「ミラ嬢。こんにちは!」
兄様がミラ嬢を見つけて、挨拶をする。ミラ嬢は、兄様の声に気がついて、振り向き、にっこりと微笑んだ。
「ケニー様、ソーマ君、ごきげんよう」
軽く膝を曲げて挨拶をしてくれる。
ミラ嬢は今日は、荷物を持ったメイドさんを何人か引き連れていた。
聞くと、午後からパーティに出席するんだって。
それも、エスコート相手は、ヨナス・モーガン侯爵令息だそうだ。
それを聞いて兄様は、眉をピクリと動かした。
兄様が言いたい事を察したように、ミラ嬢は、苦笑して言った。
「モーガン侯爵家からは、しっかり話し合ったりして、もっと様子を見てほしいと言われているの」
ミラ嬢のお父上の学園長は、モーガン侯爵家に婚約解消の話をしたらしいのだが、
モーガン家からは、「様子を見てほしい」と言われてしまい、婚約の解消を受け入れてはもらえなかったそうだ。
女性と、商会の店内に一緒にいた、という理由でだけで、ヨナスの有責で婚約解消をするのは難しいみたい。
誤解があるようだ、もっと話し合う機会が必要だからと言われて、今日の午後から開催されるパーティに一緒に行く事になったんだって。
「そう‥‥、なんですね。」
兄様はなんだか納得いっていないような顔をしていた。
ミラ嬢が商会に来たのは、なんとヘアセットの為なんだって。
まだ発売前のヘアアイロン「もっと素敵髪生活」という商品があって、予約すればそれを使用して髪のセットができるからというので予約して来たのだそうだ。
「試すのにも良い機会だから、お願いしようと思って。ケニー様とソーマ君は何かお買い物?」
そう聞かれて僕たちは、新作のパウンドケーキの試食だと言ったら、ミラ嬢の目がキラリと光った。
「‥‥、まだ、販売されていないお菓子なの? 商談を予約しても食べられない‥‥?」
何となく、圧を感じる。
「ミ、ミラ嬢も、もしも時間があるようだったら‥‥。」
兄様はミラ嬢の圧に一瞬怯んだけど、すぐに笑顔でお誘いをしていた。途端にミラ嬢が笑顔になった。
ヘアセットの前に軽くお茶とお菓子をということになって、ミラ嬢も一緒に商談室に行った。ユリアさんにお茶を煎れてもらって
テーブルの上に、お茶とパウンドケーキが並んだとき、ドアがノックされた。
ミラ嬢の家から使者が来たようだった。急ぎの用事らしくて手紙がミラ嬢に渡された。
カップを持っていた手を置いて、ミラ嬢が手紙の入った封書を受け取って、中の手紙を読んだ。
「‥‥。」
ミラ嬢の顔色がみるみる悪くなる。
「ど、どうしたの何か悪い知らせ?」
「‥‥、今日のパーティに一緒に行けなくなったって‥、ヨナスから。」
「え?」
試食なら、屋敷に持ってきてもらう事も出来ると思うんだけど、叔父様は忙しくて行けないから、来てほしいんだって。
商会の階段を上って商談室に向おうとしたところで、ミラ嬢が来店した姿が見えた。
「ミラ嬢。こんにちは!」
兄様がミラ嬢を見つけて、挨拶をする。ミラ嬢は、兄様の声に気がついて、振り向き、にっこりと微笑んだ。
「ケニー様、ソーマ君、ごきげんよう」
軽く膝を曲げて挨拶をしてくれる。
ミラ嬢は今日は、荷物を持ったメイドさんを何人か引き連れていた。
聞くと、午後からパーティに出席するんだって。
それも、エスコート相手は、ヨナス・モーガン侯爵令息だそうだ。
それを聞いて兄様は、眉をピクリと動かした。
兄様が言いたい事を察したように、ミラ嬢は、苦笑して言った。
「モーガン侯爵家からは、しっかり話し合ったりして、もっと様子を見てほしいと言われているの」
ミラ嬢のお父上の学園長は、モーガン侯爵家に婚約解消の話をしたらしいのだが、
モーガン家からは、「様子を見てほしい」と言われてしまい、婚約の解消を受け入れてはもらえなかったそうだ。
女性と、商会の店内に一緒にいた、という理由でだけで、ヨナスの有責で婚約解消をするのは難しいみたい。
誤解があるようだ、もっと話し合う機会が必要だからと言われて、今日の午後から開催されるパーティに一緒に行く事になったんだって。
「そう‥‥、なんですね。」
兄様はなんだか納得いっていないような顔をしていた。
ミラ嬢が商会に来たのは、なんとヘアセットの為なんだって。
まだ発売前のヘアアイロン「もっと素敵髪生活」という商品があって、予約すればそれを使用して髪のセットができるからというので予約して来たのだそうだ。
「試すのにも良い機会だから、お願いしようと思って。ケニー様とソーマ君は何かお買い物?」
そう聞かれて僕たちは、新作のパウンドケーキの試食だと言ったら、ミラ嬢の目がキラリと光った。
「‥‥、まだ、販売されていないお菓子なの? 商談を予約しても食べられない‥‥?」
何となく、圧を感じる。
「ミ、ミラ嬢も、もしも時間があるようだったら‥‥。」
兄様はミラ嬢の圧に一瞬怯んだけど、すぐに笑顔でお誘いをしていた。途端にミラ嬢が笑顔になった。
ヘアセットの前に軽くお茶とお菓子をということになって、ミラ嬢も一緒に商談室に行った。ユリアさんにお茶を煎れてもらって
テーブルの上に、お茶とパウンドケーキが並んだとき、ドアがノックされた。
ミラ嬢の家から使者が来たようだった。急ぎの用事らしくて手紙がミラ嬢に渡された。
カップを持っていた手を置いて、ミラ嬢が手紙の入った封書を受け取って、中の手紙を読んだ。
「‥‥。」
ミラ嬢の顔色がみるみる悪くなる。
「ど、どうしたの何か悪い知らせ?」
「‥‥、今日のパーティに一緒に行けなくなったって‥、ヨナスから。」
「え?」
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